脱原発をすべき理由

福島第一原発事故被害による避難者

左:ふくしま復興情報ポータルサイト https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/hinansya.html

右:平成30年度都内避難者アンケート調査結果 平成31年3月 東京都総務局 

https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/17hisaichi/hp/survey_H31.pdf

・実際はこの数字に含められていない避難者も多い

・2017 年 3 月、国は避難指示区域外からの避難者向けの住宅支援を打ち切り

・毎月の平均世帯収入は 10 万円以上減少し、正規雇用や自営業から非正規・無職の人が増加

福島第一原発事故被害チェルノブイリとの比較

福島の今とエネルギーの未来避難者たちの現状(2022年版)FoE Japan

https://311mieruka.jp/info/report/evacuee_2022/

年 20mSv は、公衆の被ばく限度として国際的に勧告されている年 1mSv の 20 倍であり、また放射線管理区域の基準年 5mSv をもはるかに上回る。

福島第一原発事故被害:帰還は進んだのか

原発避難なお3万人 事故後11年余り、帰還5割―福島 2022年06月18日

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061700743&g=eco

・事故から11年経っても住めないところが存在する。帰還率は飯館村で約30%。帰りたくても帰れない。

・若い世代が帰ってこない。高齢者世帯が点在

・原発関係の作業、復興事業などの転入含む

福島第一原発事故被害事故処理費用

福島第一原発の事故処理費用、10年間で13兆円 政府想定21.5兆円超える懸念強く 2021年3月23日

https://www.tokyo-np.co.jp/article/93087

事故処理費用、40年間に35兆~80兆円に 日本経済研究センター

https://www.jcer.or.jp/policy-proposals/2019037.html

ミエルカデータ【14】膨れ上がる福島第一原発の事故処理費用 FoE Japan

https://311mieruka.jp/info/data/data14/

・10年間で、廃炉作業や被災者への損害賠償、汚染地域の除染といった事故処理にかかった費用は少なくとも13・3兆円に上る

・見込み額約21兆円のうちすでに約13兆円を使っている。まだデブリ取り出しや人が立ち入れない場所があるなど先が見えていない。

・民間の試算では35-80兆円になるとも(日本経済研究センター)

<Q&A>福島原発事故の処理費21.5兆円 負担は家庭や企業に 2021年3月25日 

https://www.tokyo-np.co.jp/article/93538

・原発事故の処理費用は、国民が多くを負担する構造になっている

・賠償費用などは国が立て替えた後、電気料金や税金をもとにした資金から少しずつ「返済」されていく(2021年3月東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/93087)

福島第一原発事故被害 土壌汚染

みんなのデータサイト

https://minnanods.net/soil/

・汚染は継続

・雨により山林から放射性物質を含んだ土砂、局地的に濃度が上昇

福島第一原発事故被害 汚染処理水の海洋放出

・何がどれくらい不明

・海洋環境も含めて評価すべき

・抜本的な止水対策を優先すべき

・漁業組合の反対を押し切って海洋放出を決めた

東海第二問題

1. 危険な老朽・被災原発を動かす理由がない

2. 東電からの資金支援は論外

3. 「債務保証」? 「電気料金」?

4. 「最後は国が補償」

5. 補正書を出し直し

6. 懸念だらけの安全対策

7. 避難計画の実効性・2012年以降発電量ゼロ


・東京電力等から、毎年1,000億円以上の電気料金収入で延命。総額7,350億円

・安全対策には多くの懸念がある。その一部であるが
全長約1,400kmのケーブルのうち、「難燃ケーブル」もしくは「今後難燃ケーブルに取り換える」ものは一部

東海第二原発の再稼働に反対するこれだけの理由 FoE Japan

https://www.foejapan.org/energy/stop_restart/180926.html

原発事業は責任者不在、国民不在

2023年2月4日 東京新聞朝刊

・開催1週間前にホームページ上で募集告知をしただけ

・「経産省は『検討する』と答えるだけで、意見を聞いたアリバイづくりがしたいだけなのが明らか。事前周知もほとんどせず、とても姑息こそくなやり方だ」

https://www.tokyo-np.co.jp/article/226439 東京新聞

・福島第一原発事故の事故原因の検証も終わっておらず、被害処理も終わっていない

・避難者への住宅補助打ち切りなど、事故発生時には責任を取らないことが明らかに

・刑事立証に壁 原発の安全性に「ゼロリスク」認めず 東電強制起訴 毎日新聞 2023/1/18

・放射性物質の汚染責任は?農作物汚染の責任者は?

・東電は住民への賠償を払い渋り、ADR(原子力賠償紛争解決センター)から提案された和解案を拒否し続けている(2021年4月時点)


原発は環境破壊や人権侵害でもある

・原発の燃料、ウラン採掘の現場では、汚染や人権侵害などの深刻な環境社会への影響があとをたちません。

・オーストラリアのウラン鉱山では、自然が破壊され、採掘により先住民族の土地

や水が汚染

・原発作業員は防護服や防護マスクなどの安全対策はとっていたとしても、彼らは常に健康上のリスクを負うことになります。

・これらの人たちは、電力会社の社員ではなく、下請け、孫請けの何層にもわたる受注先の会社に雇われている場合が多く、劣悪な労働条件のもと、安い賃金で働かざるおえない

・たとえ被ばくにより健康を害したとしても、労災が認められるとは限りません。


・原発は、社会的な大きなひずみや不正義の象徴

解決不可能な核のごみを生む

福島の今とエネルギーの未来核燃料サイクルはすでに破綻 FoE Japan

https://311mieruka.jp/info/report/figure10/

・日本のプルトニウムの保有量は約46トン。核兵器数千発分に相当

・再処理した廃棄物は放射性廃液をガラス原料とまぜ、ガラス固化体にして処理をすることになっているが、ガラス固化体は強い放射線を発し、製造直後の表面温度は 200℃を超える。このため、専用の貯蔵施設で30 ~ 50 年間冷却し、その後、搬出して300m 以深の地層中に処分されることになっている。しかし、最終処分地については、候補地すら決まっていない。

高い発電コスト、高い安全対策費、潜む負担金

上から

需要時ピーカーガス

原発

太陽熱タワー

石炭

地熱

ガスコンバイン

風力

ソーラー結晶性

LAZARD’S LEVELIZED COST OF ENERGY ANALYSIS — VERSION 15.0, 2021年10月

https://www.lazard.com/media/sptlfats/lazards-levelized-cost-of-energy-version-150-vf.pdf

・世界的な発電別コストでは原発は競争力が急速に失われている。

・常時動かす設備としては最も高い発電方式である。太陽光の4倍以上。

・原発の稼働をやめ、再エネへ投資をすべき

何も生み出さなかった10兆円 原子力資料情報室

2020/10 https://cnic.jp/9492

・2014年ころ原発が動いていなくても発電費は膨大

・原子力発電費の年度総額は約2兆円もかかる

基本政策分科会に対する発電コスト検証に関する報告(経産省)令和3年9 月

発電コスト検証ワーキンググループ

・原発の発電以外のコストも膨大で約2981億円

原子力発電 政策経費P128 上式2981億円(2020年試算)

当初予算(平成26年度)のうち、

「立地」、「防災」、「広報」、「人材育成」、「評価・調査」、「発電技術開発」、「将来発電技術開発」に係る予算額を発電コストに上乗せ。原子力の「将来発電技術開発」のうち、高速炉や再処理、放射性廃棄物など核燃料サイクルに関する費用、安全に関する技術開発の費用は計上し、その他次世代炉など現在の原子力利用とは連続性が低い技術に関する費用を除く。総発電電力量は、43基の年間総発電電力量(2,578億kWh)で賄うと仮定。2030年については、長期エネルギー需給見通しにおける中央値(2242.5億kWh)を用いる。・・・など

再エネ政策費(A)行すべての合計
約608億円

基本政策分科会に対する発電コスト検証に関する報告(経産省)令和3年9 月

発電コスト検証ワーキンググループ

・一方再エネの発電以外の費用は約608億円で、昔作られた原発よりも新しい技術の再エネの方が経費が少ない

再生可能エネルギー 政策経費P54 上表(A)横すべての合計

2019年度までの既導入量にFIT認定未稼働の稼働量を加えた合計設備容量をもとに、各電源の設備利用率を用いて発電電力量を算出した。

原発は不安定

何も生み出さなかった10兆円 原子力資料情報室

2020/10 https://cnic.jp/9492

・2012-2015年はほぼゼロ

・新規制基準対応や裁判所による運転差し止め決定などにより多くの原発は発電停止

・原発は冷却のために大量の水を使うため、世界の原発の多くは海岸線や河川近くに建設。そのため、熱波による冷却水不足、海面上昇や大型台風・サイクロンによる浸水リスク

・フランスでは高温により冷却水が確保できず、原発の運転を停止

・原発はひとたび事故や災害、なんらかのトラブルで停止すれば、広範囲にわたり電力供給に影響を及ぼすという脆弱性

原発は気候変動対策にならない 

福島の今とエネルギーの未来 電源別電力量と発電部門 CO2 排出量<br>原発ゼロでも CO2 は減少 FoE Japan

https://311mieruka.jp/info/report/figure09/

・原発がほとんど稼働していない 2014年以降、日本の温室効果ガス排出量は減少傾向

これは、電力需要の減少や再エネの伸びによる

・危険で処理方法すら決まっていない放射性廃棄物を生み出すこと、ウラン採掘から原発内での作業、廃炉作業も含めて被ばく労働を伴うこと、発電に伴うコストが高いことだけを考えても、原発は気候変動対策としては不適切


👉選択肢の一つになりえない 👉スタートラインにすら立っていない


・気候変動に脆弱な原発(前出)

・原発の事故時の責任を誰も取らない

原発なしでも電気は足りる

・原発はゼロの期間があり、東電エリアはずっとゼロ。全国合計でもわずか数%

レポート2030未来のためのエネルギー転換グループ

表8-10 GR戦略の2030年までの再生可能エネルギー導入量詳細より筆者が細分化した

2030年 脱原発、脱石炭は可能

地震大国日本で原発は危険さらに耐震性に疑問

元裁判長が示した「原発の耐震性」衝撃のデータとは  川口雅浩・経済プレミア編集長 2021年4月28日

新規制基準は地震の強さを加速度で示す単位「ガル」を重視している。樋口さんは「原発は停電、断水してはなりません。そこで配電と配管の耐震性が重要になります」と説明し、具体的な数値を示した。

 それは衝撃的な数値だった。震度6はおよそ700ガル、震度7は1500ガル以上となるが、「大飯原発の耐震設計基準は当初405ガル、私が判決を出した時は700ガルで、今は856ガル」という。

 これは一般住宅と比べてどうなのか。樋口さんは「三井ホームの住宅の耐震設計は5115ガル、住友林業は3406ガル。実際に鉄板の上で住宅を揺さぶる実験をして、ここまで大丈夫でした。これに対して原発の基準は上げたところで、この程度。ハウスメーカーの耐震性よりもはるかに低い。…

GX関連法案は原発推進

GX脱炭素法案の問題

1.原子力基本法の改悪:「原発の活用」を国の責務に

「国の責務」として盛り込むということは、税金その他公的資金を、上記のような原発推進のために投入するということです。初期段階にあり、これから伸びていく、社会的にも望ましい産業を育てるためであれば、国費を投じていくこともありうるでしょう。しかし、すでに開始から50年以上も経過しており、斜陽産業である原子力にここまで手厚い保護をすることに合理性はあるのでしょうか。

2.原子炉等規制法から運転期間の上限に関する定めを削除し、電気事業法に移す

「電気事業法」に移すことにより、原子力を規制する立場の原子力規制委員会ではなく、原子力を利用する立場の経済産業省が、原発の運転期間に関する決定権をもつことになります。

3.運転停止している期間を、運転期間から除外できるようにする

4.30年を超える原発についての劣化評価を、法律に格上げする


<GX推進法案の問題点>

・一緒に運用されてしまうと、脱炭素に役にたたず、原発推進関連法となってしまいます。

脱炭素の基準、例えばライフサイクルGHG排出量の規定がないなど、なにが脱炭素なのか不明

・他の環境、人権配慮の基準がない 

EUタクソノミーでは気候変動の緩和・適応、水と海洋資源、循環型経済、環境汚染の防止と抑制、生物多様性といった環境分野の一つもしくは複数に貢献し、いずれに対しても著しい害を及ぼさないこと、ビジネスと人権に関する指導原則など「最低限のセーフガード」を満たしていることなどとされている。 

・「GX脱炭素電源法案」との両輪。長期にわたって原子力産業を国が支援し続けることになる

経済産業省が巨額の官民の資金の行き先を決めることになる 

国会議員宛てに要望書を提出ー原発GX法案は問題だらけ! FoE Japan

https://foejapan.org/issue/20230406/12227/

見えない化でとまどう市民

👉「原発問題」とはなにか

・なにもメリットがない原発

・圧倒的な原発推進力の広報パワー

・それでも再稼働したい?メリットのないギャンブル

・早期廃炉によりリスク低減を図り、早期に再エネへ投資/転換

FoE Japanミエルカサイト

https://311mieruka.jp/