絵本作家 長野ヒデ子
1941年 今治市生まれ
1978年 絵本『とうさんかあさん』(現在 石風社)が文部大臣奨励賞受賞し作家活動に入る。『おかあさんがおかあさんになった日』(1993年)で産経児童出版文化賞、『せとうちたいこさん デパートいきタイ』(1995年:以上童心社)で日本絵本賞を受賞。日常の何気ないものを見つめ直し、いきいきと活動している作品が多くの読者に親しまれている。赤ちゃん絵本も多く手掛け、『まんまんぱっ!』はブックスタート絵本に選ばれている。
「せとうちたいこさん」のテーマソング(いずれも中川ひろたか作曲)も人気。
『海をかえして!』(童心社)『ひらがなにっき』(解放出版)等の環境や人権をテーマに社会性のある作品にも取り組んでいる。
紙芝居作品も多数手がけ「ころころじゃぽーん」『おすわりやすいすどっせ』「あぶくだったにえたった」「くわずにょうぼう」等多数あるほか、手作り紙芝居コンクールで審査員をつとめるなど、長年紙芝居の普及と創作にも力を入れている。
エッセイ『絵本のまにまに」や紙芝居がよくわかると評判の「演じてみよう作ってみよう紙芝居」「かこさとしの手作り紙芝居と私」(以上石風社)など紙芝居の著書等幅広く活躍。
今年の5月に出版された『ナガノさん 』(作:中川ひろたか 絵:長谷川義史)には絵本の主人公として登場している。
2017年、第57回久留島武彦文化賞受賞。2024年、第63回児童文化功労賞、愛媛県文化功労賞、今治市文化賞 受賞。
日本児童文学者協会、日本出版美術家協会、JBBY、絵本学会、日本ペンクラブ、紙芝居文化の会等会員。紙芝居文化推進協議会会長を長年務める。
地域に広がる紙芝居
とねぬまた紙芝居研究会は平成17年に中平順子さんに講師をお願いし、沼田市で紙芝居連続講座を開催した折に講座が終わってからももっと学びたいとのみんなの思いから結成された紙芝居の会です。
毎月定例会で紙芝居の勉強を重ねると共に最近は色んなイベントで紙芝居を実演する機会が増えて来ました。利根沼田のあちこち(白沢、片品、川場、みなかみ町など)でマルシェ、フリーマーケット、キャンプ場、福祉フェスティバルなど沢山の場所て実演しています。
沢山の子どもたちと大人も紙芝居を楽しんで頂いています。キャンプ場で実演した時は外国の方もおられて興味深そうに、最後までみてくださいました。
沼田読み聞かせの会で毎月訪問している幼稚園、保育園、沼田図書館での「おはなしポケット」でも紙芝居を実演し親子共に楽しそうに紙芝居を観てくれています。
また沼田FM放送で毎週水曜日「おはなしぽん」という番組を担当させて頂き、その中で紙芝居を実演しています。ラジオなので絵は見えませんがリスナーの皆さんが毎週楽しみにしていてくれて、ラジオで演じた紙芝居を図書館で借りて子どもたちに演じてくださってるとの事です。
利根沼田(猿ヶ京温泉)には「民話と紙芝居の家」という施設があり、約二千点の紙芝居を保有していて、随時実演もしています。こちらの施設もおすすめです。
私たちはこれからも紙芝居研修を重ねて沢山の皆さんに紙芝居の良さをお伝えしていきたいと思っています。
miru会(みるかい)は・・・
発 表 狩野美喜子(miru会代表)
地域の中で人々が安心していきいきと暮らすことが出来る様、情報や意見を持ち寄り、その和の環を広げながら互いに支え合う社会を目指し誰かの役に立つ活動をコンセプトに2013年6月に発足しました。
meet(人と人が出会い) idea(アイデアや情報を持ち寄って) ring(その和の環を広げながら) useful(誰かの役に立つ)
『色々なことをしながら地域社会に貢献してみるかい(miru会)!』を合言葉に自らも楽しみながら誰かの役に立つ活動をしています。
*主な事業紹介*
・親子で一緒の体験学習(ドラムサークル・手作り楽器・ミニ絵本作りetc)
・年1~2回コンサート開催(夏のファミリーコンサート・Christmasコンサートetc)
・子育て支援&文化活動(幼児の病気Q&A講座・紙芝居講座と公演・読み聞かせ)
実 演
演 目「ひともっこ山」脚本・絵:小林知子(第13回紙芝居まつり実行委員)
演 者:幸子(miru会副代表、児童館指導員、保育士)
○作品について
*上州の伝説かみしばいです。
榛名と駿河に山づくりが好きな大男が住んでおり、武蔵の国で出会った二人はライバル心から山づくり競争をはじめます。
榛名山のふもとにある伊香保温泉で、2013年に開催された第13回紙芝居まつりに向けて上州の伝説の一つを、実行委員だった小林知子さんが制作した手づくり紙芝居です。
紙芝居 のっこは2006年10月に旧NPO法人野田文化研究会に所属する表現活動グループの1つ「紙芝居グループ」として誕生しました。18年間の活動の後、今年6月、NPO法人の解散を機に独立団体「紙芝居のっこ」として再スタートを切りました。
現在メンバーは14名。平均年齢70ウン歳の美男美女軍団です。
NPO法人時代に掲げていた社会貢献のための使命(ミッション)は
・文化活動を通して平和な世の中の実現を願う
・一人一人がいきいきと自分らしく輝ける場となる
・コミュニケーションを大事にしながら自分と仲間がつながる「居場所」作り。
の3つでした。
紙芝居を通してこれらのミッションを実現するために、立ち上げ当初は中平先生を始め多くの先生方のご指導を頂きました。
基本を学び、紙芝居の歴史を学び、今では折に触れて平和を願う紙芝居を演じる場も設けています。
毎月の定例会では3人ずつ紙芝居を発表し、作品や演じ方について感想を述べ合います。
訪問紙芝居の他に、自主開催イベントとして、春のお花見紙芝居、夏休み紙芝居まつり、紙芝居体験講座。秋は市主催の事業に参加し、赤ちゃんから高齢者まで一緒に楽しめる紙芝居の魅力を広めています。
皆さん、こんにちは! Toshima(としま)わくわく紙芝居です。
2016年、豊島区主催の紙芝居講座受講修了生で立ち上げました。
メンバー;
ふじこちゃん(代表・柏平佳代) アラレ(笠岡由美) しまくん(島 宗一郎) ゆうこちゃん(野田祐子)
しずかちゃん(武藤美枝子)
活動内容・場所;
あかちゃん紙芝居(第一・第三金曜日)南大塚おひさまひろば
わくわく紙芝居(赤ちゃんから大人まで第三土曜日)区民ひろば南池袋
こども紙芝居(第四日曜日)南大塚おひさまひろば
その他 豊島区内の高齢者施設、ボランティアのイベント、地域や町内会の行事など。
11月16日 演 目;『池にうかんだびわ』脚本:川崎大治 絵:小谷野半二 出版社:童心社
演じ手;島 宗一郎
椎野美千代(紙芝居サークルかわぶん村・紙芝居クレヨンの会・さいたま紙芝居研究会)
近年まで戦争のない時代が有ったのだろうか、人間は何故戦争をするの?
ワレラ サルモク ヒト科のヒト属、生物(人間)
分限を意識する事さえ忘れ、自然破壊を続け異常気象による災害になす統べなく、たち竦むばかりの老人となった、そんな私に何が今さらできるのだろうか。せめて「平和紙芝居」を大切に思い活動している仲間と共に、平和を願って作品を演じたいと思います。
・演目:「二度と」脚本・絵 松井エイコ 写真:小川虎彦
東武線沿線で初の第13回~14回紙芝居サミット実行委員を機に、三郷・草加の学びと交流が始まりました。
わくわく紙芝居「赤とんぼ」創始者である宇津木さんの積極的な働きかけもあり、三郷市と草加市お互いの定例会活動や、保育園・イトーヨーカ堂の催事等にご一緒し労わってきました。
サミットの冊子、一言欄で宇津木さんは、
・2008年(第13回)「やっとたどりつきました」
・2009年(第14回)「83歳、がんばります」
と記されています。
わくわく紙芝居「赤とんぼ」の志は今も会員に引き継がれ、訪問先の皆様に喜びと共感の世界が演じ手と共に創造されていることでしょう。
念願の紙芝居活動 田中正美(クレヨンの会)
私は、現在草加市立中央図書館と小学校でボランティア活動をしています。どちらも紙芝居を演じることが中心です。
5年前、夫婦だけの生活に変わったのを機に、コンパクトな住まいを探していて、駅前の図書館まで徒歩数分の集合住宅に出会って転居。その時期に、会社の代表を辞したらやりたかった紙芝居を通じたボランティア活動に、地元先輩の椎野さんからお声いただきました。
3年前、非常勤の身になってから図書館でのおはなし会で、絵本を読むだけでなく紙芝居を演じさせてもらうようになり、子どもさんや若い親御さんとの豊かなふれあいの時間を得て、とても充実した時間を過ごしています。
更に、今年になってからはクレヨンの会の椎野さんにお声かけ頂いて、小学校の「朝読」の時間に高学年に児童さんを対象に紙芝居を演じる場も頂きました。図書館とは違った子どもさんたちとの共感の世界も最高です。
紙芝居が結んでくれた人との出会いに大感謝です。
わくわく紙芝居 “赤とんぼ” 三郷市
設立 2009年5月(15周年)
目的 社会福祉活動の一環として、紙芝居を通してボランティア活動をし、会員相互の交流を図る。
代表 花井かほる
会員数 20名 年代層 20~80代
会費 月200円
定例会 毎月第3水曜日 13:00~15:00
一ヶ月のスケジュール分担、確認
会員の交流
実演練習
勉強会 月1回 各自のスキルアップを図る
交流会 年1度 食事会
活動施設 三郷市の小学校 児童センター 図書館
デイサービスなどの高齢者施設 市の交流施設
<イベント参加>
市民文化祭、 ドリーム教室年2回(市内小学生対象)
こどもまつり、こどもフェスタ、たんぽぽ(高齢者団体)
上演数 月20回前後 各施設1~3名程度
遵守事項
*上演の機会を提供して頂いた施設・観客に感謝しましょう!
*作品を理解して下読みをしましょう!
*扉の開閉、抜きと差込みの基本手順等に注意しましょう!
*技を競わずに気持ちをこめて演じましょう!
*上演作品は2種類を用意しましょう!
*体調不調の場合には参加を自粛して、グループヘッドに連絡しましょう!
*上演後、振り返りをしましょう!
*金銭の謝礼は丁重にお断りしましょう!
その他
平成27年 埼玉県文化ともしび賞
平成30年 埼玉県社会福祉大会において、ボランティア活動推進の貢献により受賞
令和 2年 同上
令和 2年 埼玉県知事賞
令和4,5年 三郷市文化功労者として受賞
2024年 今後のスケジュール
9月18日 水 丹後小 8:15~8:35 5年1組
定例会 13:00~15:00 瑞沼市民c4F
9月19日 木 采女の里 13:30~14:00 川名
9月20日 金 南児童センター 11:30~11:45
9月23日 月 北部図書館 11:00~11:30
9月27日 金 早稲田児童センター 11:10~11:25
9月28日 土 早稲田図書館 11:00~11:30 花井
ピアラシティ交流センター 14:00~14:30
10月4日 金 南児童センター 11:30~11:45
10月7日 月 桜小 8:20~8:35 4年2組
10月10日 木 勉強会 10:00~12:00 瑞沼市民c
さくらの杜 14:00~14:30
10月11日 金 早稲田児童センター 11:10~11:25
10月12日 土 ピアラシティ交流センター 14:00~14:30
10月16日 水 定例会 13:00~15:00 瑞沼市民c4F
10月18日 金 南児童センター 11:30~11:45
10月19日 土 ドリーム教室 10:00~11:00 瑞沼c
10月25日 金 早稲田児童センター 11:10~11:25
10月26日 土 早稲田図書館 11:00~11:30
ピアラシティ交流センター 14:00~14:30
10月27日 日 市民文化祭
10月28日 月 桜小 8:20~8:35 3年1組
早稲田小 8:20~8:35
さいたま紙芝居研究会についての紹介および活動報告
① 目 的
日本で生まれた固有の文化財である紙芝居を学び、演じあうとともに、地域文化をより深く研究しながら、紙芝居の普及とそこで出会う人々との交流をめざす。
問:定例会では、どんなことをしているのですか?
テーマを決めて実演練習を行い、みんなで学びあっています。例えば“季節にあった紙芝居”“対象に合わせた紙芝居”“一つの作品を深める”などやりたいテーマを毎月決めています。実演では、中平先生の実演指導や関連したお話しをきくことができ、年に一度、紙芝居に関連した講師をお招きした講座を開いています。
皆で語り合う時間は楽しく、地域の活動にも生かされています。
② 構成員
県内、都内でボランティア活動をしている人が多数で、年齢は少々高めですが、皆で楽しく活動をしています。もちろん、紙芝居を演じたことのない方も大歓迎です。
③ 実 績
・紙芝居サミット(2014年~)・さいたま市みどりの祭典(2012年10月~)・みぬま秋フェスinさぎ山(2012年11月~)・埼玉県文化振興のつどい(2012年2月~)・埼玉県子ども家庭総合センター・あいぱれっと(2018年4月から月に1回)・見沼さぎ山サテライト事業(2020年~) などが 研究会の定期的な活動の場となっています。ここに向けて大型紙芝居の練習日を設けたり、当日のプログラムや準備など話し合ったりしています。
*今回報告する内容は、・さいたま市みどりの祭典、・みぬま秋フェスinさぎ山、・埼玉県文化振興のつどい、・みぬまさぎ山サテライト事業、・埼玉県子ども家庭総合センター(あいぱれっと)、埼玉県内外保育園、幼稚園、小学校、 などの実践から得た学びです。
てぃんさぐぬ花 金城 里夜
メンバー:家族3人で活動していましたが、3年前に母が亡くなり、昨年は、娘が京都に嫁ぎ、最近は一人で活動しています。
活動場所:毎年、6月23日の慰霊の日には、沖縄県平和祈念資料館で体験者の紙芝居を実演しています。沖縄戦で亡くなった20万人を超える御霊に平和の祈りを込めて、観客の方々と心を一つにして不戦の誓いをしています。(こどもコーナーですが大人もいます。)沖縄の琉歌や方言を交えた紙芝居です。
紙芝居の魅力の一つとして、失われていく沖縄の昔の言語も、さり気なく伝えています。
母が、生きているときに聞き取った貴重な言葉や名の無い人々の暮らしの中の文化や優しさが伝えられたらよいかと思っています。
又、現在、中学校で特別教育支援員をしていますので、学校での活動も併せて行っています。
紙芝居を通して水俣病を考えあう
2023年9月、熊本県水俣市の水俣病センター相思社から、紙芝居が2作発行された。
『みつこの詩』(脚本/吉永理巳子・奥羽香織 絵/上月ひとみ 16場面)
『しらぬいさん』(脚本/小泉初恵・杉本肇 絵/間中ムーチョ 12場面)
これは、同年3月に貸し出し用に少部数制作し、ダウンロードデーターを公開した作品を知った方々の購入希望の声に応えた出版である。
相思社は、1974年に水俣病患者の支援を目的に設立され、企業との闘いの根拠地となり、「水俣病歴史考証館」をはじめ、水俣病を伝え継承する活動を多様に継続してきた財団法人である。小学生に公害・水俣病事件を伝える適切な教材作成を模索する中での、初めての紙芝居制作となる。
作者は水俣病を伝え考えあう活動に情熱を込めて取り組んでいる方々で、深い想いが込められている。画家は味わい深い絵で、心に響く作品に創りあげてくれた。『みつこの詩』は、水俣病で家族を失った女性の人生を描き、力強く生きる重みを伝える。2023年度・第62回五山賞特別賞を受賞した。
『しらぬいさん』は、海の視点から水俣病事件を描き、環境汚染の恐ろしさを知ると共に、まだ解決しない諸問題にも思いが広がる紙芝居である。
紙芝居活用は地元の学校や地域にとどまらず、徐々に全国に広がりつつある。共に考えあう輪の広がりに、私は担当編集者としてうれしい思いでいる。
日下部茂子(編集者・紙芝居文化の会広報統括委員)
童心社編集者として、紙芝居『おおきくおおきくおおきくなあれ』(まついのりこ作・第22回五山賞)絵本『おかあさんがおかあさんになった日』(長野ヒデ子作・第41回サンケイ児童出版文化賞)等、数多くの紙芝居と絵本を手がける。元紙芝居プロモーション室長。
童心社退職後大学講師を務める。(立教女学院短期大学・東京成徳大学・清泉女学院短期大学)
紙芝居文化の会を始め、多様な紙芝居活動に携わる。
論考「紙芝居運動を切り拓いた人々―稲庭桂子」(立教女学院短大紀要)
共著『堀尾青史の世界から紙芝居の明日へ』(子どもの文化研究所)
『紙芝居百科』(童心社)他がある。
←『みつこの詩』
(脚本/吉永理巳子・奥羽香織 絵/上月ひとみ 16場面)
『しらぬいさん』→
(脚本/小泉初恵・杉本肇 絵/間中ムーチョ 12場面)
紙芝居で心をつなぐ
「紙芝居と語り継ぎ」
埼玉大学では、埼玉大学有機農業研究会の活動や私共が関係する授業に、紙芝居をとり入れてきています。
大学の授業では、これまで、有機農業に関係する授業において紙芝居をつくる授業を実施し、優れたものについて、埼玉大学有機農業研究会において作品化する取組も展開し、これまでに「見沼のふえ」、「しんせつなダイコンさん」等の7作品を完成させました。
また、学術交流協定を締結したウクライナの大学との間でのオンライン授業の中で、2022年9月にウクライナの子ども達に向けて「紙芝居 桃太郎」の授業を実施し、紙芝居の実演とともに、桃太郎の物語や童謡等を紹介しました。
埼玉大学有機農業研究会では、紙芝居による地域の語り継ぎを重視しており、特に、東京大空襲・戦災資料センターでは、2012年から、「紙芝居で考える戦争・空襲」の企画を提供し、紙芝居の作品において、単に被害の状況や悲惨さを伝えることにとどまらず、被害を受けた子ども達や人々の心情、そして、戦争・空襲と関わりのあった外国の人達の心情もとり上げ、紙芝居で人々の心をつなぐ試みを展開しています。
野中 進(埼玉大学理事・副学長)
埼玉大学教養学部・大学院人文社会科学研究科教授。博士(学術)。埼玉大学有機農業研究会顧問。
ロシア文学・文学理論が専門。
著書に『秘められた比喩――アンドレイ・プラトーノフの文体の詩学』[ロシア語](ロゴス社、2019)、『ロシア小説講義ノート』(埼玉大学教養学部リベラルアーツ叢書、2022)、訳書にエルヴィン・ナギ『革命記念日に生まれて――子どもの目で見た日本、ソ連』(東洋書店新社、2020年)、共編著に『再考ロシア・フォルマリズム――言語・メディア・知覚』(せりか書房、2012)など。
本城 昇(埼玉大学名誉教授)
埼玉大学経済学部教授を経て、名誉教授。博士(農学)。埼玉大学有機農業研究会顧問。
主な著書として、『日本の有機農業 政策と法制度の課題』(農山漁村文化協会、2004年)、「自給的能力の回復と芸術的自己表現の活性化 : 現代社会の課題」 (関西学院大学『経済学論究』経済学論究第69巻第1号、1-29 頁、2015年)、「埼玉大学における有機農業関係授業と埼玉大学有機農業研究会の取組」(日本有機農業学会『有機農業研究』vol.10, No.2、2018年)など
韓国紙芝居文化研究会2024.3
蔡京希(韓国紙芝居文化研究会代表/運営委員長・培花女子大学名誉教授・韓国日語教育学会会長歴任)
すてきな紙芝居の世界に出会ったのは、2004年度中平順子さんの実演を目の前で見せて頂いたことがきっかけで、その後、韓国の大学生対象の複数の講演会や実演会を主催したり、貴紙芝居サミットに参加したりで、交流を深めてきた。
2023年韓国日語教育学会第四十四回国際学術大会の開会式にて、紙芝居文化の会・紙芝居サミットの交流協力協定締結式や学会初の紙芝居セッション発表を働き掛けた。これまでの交流を大切に思い今年の1月「韓国紙芝居文化研究会」を立ち上げた。紙芝居を通した日韓友好交流の架け橋の役に捧げたい。今回の発表題は「韓国における紙芝居の歴史と名残、これからの方向」で、朝鮮総督府が主導した植民地朝鮮での国策紙芝居の役割を概観し、日本語コミュニケーション能力向上に紙芝居を取り入れた研究報告や韓国紙芝居文化研究会の紹介、紙芝居の名残、そして紙芝居の可能性について考えたい。
主な活動
・2004.5._韓国にて紙芝居舞台公演を企画(「日本語教育支援助成プログラム」日本国際交流基金ソウル文化センター)
・2005.7._「ひよこちゃん」韓国語の実演 第11回紙芝居サミット記念大会(「ひろげよう深めよう紙芝居の世界」)
・2015.7._「韓国における紙芝居の実践報告-日本語教育的な側面から-」第20回紙芝居サミット記念大会(「地域と世界をつなぐ紙芝居-いまひろがる素敵
な空間」)、pp.21-23
・2016.7._「韓国における紙芝居の文化史と実践の試み」第21回紙芝居サミット記念大会(「世界に広がる紙芝居」)、pp.21-23
・2019.5._韓国にて紙芝居舞台公演を企画(「日本語教育支援助成プログラム」日本国際交流基金ソウル文化センター)
・2020.5._第25回紙芝居サミット記念世界大会(5/23・24予定_中止)(原稿)「韓国における紙芝居の実践報告-舞台公演の企画を通して」第25回紙芝居サ
ミット記念大会(「世界に広がる紙芝居」)、pp.48-53
・2023.9._ 第26回紙芝居サミット記念大会 丸木美術館(埼玉県東松山市)に参観
・2024.3._「いま、ソウルで紙芝居の文化が広がる」『母のひろば』718号
・2024.4._韓国にて紙芝居舞台公演を企画(韓国紙芝居文化研究会 主催)
・2024.6._「ソウルで広がる紙芝居文化」『会報』43号、紙芝居文化の会、 P16
・2024.6._ 紙芝居講座in群馬_渋川市にて (紙芝居文化の会講座) 参観
ソファ中央 李美淑
ソファ右端 蔡京希
李美淑(韓国紙芝居文化研究会 運営委員 明知大学教授 韓国日語教育学会会長歴任)
私が紙芝居に出会ったのはなぜかずいぶん最近のことである。蔡先生と長い間親しくさせてもらい、紙芝居のことを聞かされたはずなのに、あのときの私は目の前の仕事に追われ、自分の研究分野の世界にはまってしまい、余裕がなかったかなと思う。なので、紙芝居とかかわってのプロフィールは全くないので戸惑っている。
初めての経験は2019年蔡先生のおかげで私が所属している明知大学に中平順子先生、椎野美千代先生をお招きし、学生向けに実演をしていただいたときである。日本語の実力と関係なく、学生の注目をぎゅっと吸収し、ときには緊張させ、時には和ませてくれる先生たちの講演に感動させられた。紙芝居のテーマはたぶん昔話であろうと思っていたのが、とても創意的であることや、なにより原作者の意図を大事にしているところが印象深かった。
今年、中平順子先生に再会し、ワークショップでもう一度実演を見る機会に恵まれたが、紙芝居だけでなく、紙芝居に自分の人生を注いでいる姿に感心させられた。なお、蔡先生に本格的に紙芝居を韓国に紹介し、教育などに適用してみようと誘われ、今どんどんハマっていっている次第である。今回の機会を契機に紙芝居の世界に一歩踏みだそうと思う。
実演者 盧明姫
盧明姫(韓国紙芝居文化研究会運営委員・元東国大学教授・韓国日本語学会会長歴任 )
皆さま。こんにちは。盧明姫と申します。
私は以前10年近く日本留学をし、1986年帰国。韓国東国大学校慶州キャンパスにおいて33年間日本語教育に携わってきました。今は退職をし小さな企業の代表として勤めております。
今回参加できたきっかけは韓国紙芝居文化研究会という会の創立メンバーとしてラッキーなチャンスが与えられました。従って今回日本の紙芝居サミットの参加を通じ日本の紙芝居についての理解を深めていける充実な時間になるよう頑張りたいと思います。
韓国東国大学校慶州キャンパスにて33年間日本語教育に従事。
韓国日本語学会会長歴任。
現在退職後小企業の代表。
中平順子(こども文化研究家・さいたま紙芝居研究会会長、紙芝居文化の会運営委員)
子ども文化研究家・紙芝居研究家 紙芝居サミット代表、さいたま紙芝居研究会々長、さいたま子ども文化研究所主宰、紙芝居文化の会運営委員。国内や海外アジアを中心に紙芝居を広めている。
昨年、「韓国日語教育学会」と「紙芝居サミット」は友好と交流の調印を行い、今年度3月に韓国高麗大学、培花女子大学、仁川国際大学にて紙芝居セミナーを行う。
「ゆかちゃんの花かんむり」「すてきなともだち」(童心社刊)
「沼田城の小松姫」「川田城の円珠姫」「追母薬師と白菊御前」(沼田市三部作・日本の伝統を守り育てる会刊)「やっくんの夏休み」「十日夜とかかし」「肝っ玉母ちゃん」「火伏の竜」、手作り赤ちゃん紙芝居作品多数。
「乳幼児の成長と発達」DVDメデイアファイブ刊)「アイデア手作り」(学校図書刊)他
「くらべっこ くらべっこ」
脚本・絵 まえとくあきこ(童心社)
前徳明子(埼玉東萌短期大学幼児保育学科 教授 保育者支援・地域貢献センター長、附属図書館長)
主な担当科目はこども文化Ⅰ、こども文化Ⅱ、保育技能Ⅰ(絵本・紙芝居)、教育実習(幼稚園)Ⅰ、教育実習(幼稚園)Ⅱ、保育内容(環境)指導法などを担当。
埼玉東萌短期大学の教授として保育士や幼稚園教諭を育てている。短期大学では、紙芝居サークルの顧問となり、学生たちと共にイベントなどに参加し紙芝居を演じている。令和2年5月には、絵本専門士の資格を取得し、その後、公開講座「絵本・紙芝居」の講師を務めたり、地域のラジオ(こしがやエフエム)に出演し、絵本の魅力を発信している。
童心社の2017年度定期刊行紙しばい 年少向け おひさまこんにちは 10月号 「くらべっこ くらべっこ」を創作し、9月に刊行された。
現在、さいたま紙芝居研究会理事、紙芝居の輪会長、紙芝居文化の会運営委員、絵本専門士として、高校、小学校、幼稚園等でも絵本や紙芝居の講師として活動している。
写真 仁川大学にて 2024.3
中川理恵子(児童文化文学研究・大学講師)
豊岡短期大学・跡見女子大学・聖心女子大学・武蔵野大学・他、大学講師
さいたま紙芝居研究会理事 紙芝居サミット研究会
(共著)
「子どもの読書を考える事典」編:汐﨑 順子 朝倉書店 2023年
「現代日本子ども読書史図鑑」編:佐藤宗子・久米依子 楓風舎 2023年
「ひとりでよめたよ!幼年文学おすすめブックガイド200」編:大阪国際児童文学振興財団 評論社 2019年
(論考・その他)
「巖谷小波 欧州から家族に宛てた89通の絵葉書( 1900 〜 1902 ) ~夫・父親としての小波~」研究紀要37号 大阪国際児童文学振興財団 2024
「巖谷小波日記 翻刻と註釈—明治三十九年(一月~四月)—」(共著)小波日記研究会白百合女子大学児童文化研究センター研究論文集 2024年
「紙芝居の脚本は演じ手の声により言葉となるから」紙芝居研究6号 白百合女子大学児童文化研究センター 2023年
「とっておきの一作 「てんからおだんご」」母のひろば 童心社 2022年
「紙芝居の演じ方に関する一考察」紙芝居研究第5号 白百合女子大学児童文化研究センター 2022年
「紙芝居で広げたい子どもの物語体験」母のひろば 童心社 2020年
蕨市での紙芝居活動の広がりについて
サークル「よみっ子」元代表 町田敏子
紙芝居サミットがスタートしたのは、中平さんが以前在住されていた蕨市だった。当時、行政との連携で、第1回第2回が開かれ、若山憲氏 、上地ちづ子氏、まついのりこ氏を講師にお迎えした。そして、第3,4回目からは、実行委員会形式で、渡辺享子氏、やべみつのり氏を講師にお迎えし、蕨市で開催された。そのころ主に活動していたのは、紙芝居グループ「紙ふうせん」 、おはなしくまさん、サークルよみっ子などだった。第5,6回目は坂戸で開かれ、第7回目は、再び蕨市で松谷みよ子氏を迎えて、開催された。初めて240人の参加者で、大盛況のサミットとなった。
サークルよみっ子の活動は、1977年からスタートし、会員の子どもたちに、毎月1回、おはなし会をしていた。多いときには、100名を超える会員がいた。「よみっこだより」を発行し、おはなし会では、紙芝居、絵本、パネルシアター、人形劇などいろいろなジャンルの、楽いお話を演じてきた。25年位前からは、塚越小学校から依頼され、1,2年生に、授業の一環として、年3回おはなし会を実施してきた。コロナ禍で中止になるまで続けてきた。
私個人としては、小学校の教員に復帰してからは、機会あるごとに紙芝居を教育活動に組み入れていこうと思っていた。蕨市東小で3年の担任しているとき、総合的な学習の時間で、平和をテーマにした授業で3,4年縦割りのグループで、「かわいそうなぞう」の大型紙芝居を作って発表した。また、教科書に出てきた「ちいちゃんのかげおくり」を班ごとに紙芝居に作り直し平和について考えた。また、低学年担当時は、時間を見つけては、紙芝居を演じることにした。
そして現在は、蕨西小学校の学童室に勤務している。今年の夏休み中は、私が勤務した日の昼休みに約20分、紙芝居を演じた。平和がテーマの作品も含めて22作品を演じた。子どもたちの心に紙芝居の面白さや、平和の尊さ、人々の心の温かさが、伝わっているとよいなと思っている。
そして現在、私は、蕨市図書館協議会の役員もしている。蕨市は、令和9年度に蕨駅前に新図書館が移転することになっている。蕨の図書館は、子どもの本が充実しているのをうたい文句にしている。そこで、それに合わせて、記念事業をいくつか提案している。
1つ目は、今回の講師、長野ヒデ子さんが、2015年に蕨市の市勢要覧として、「わたしたちのまちが絵本になった」を作って下さった。この様な絵本があるのは、蕨だけだと思う。今ではほとんど、忘れ去られているこの本を是非とも絵本冊子として、復刻できないかと提案している。蕨市民皆さんに届けて、読んでもらいたいと願っている。2つ目は、この機会にわらびに伝わるむかし話や、紙芝居を集めて、たくさんの人に見てもらいたいと考えている。
現在蕨市内で活動している紙芝居グループ「ケセランパセラン」の代表をしている白石春枝さんを紹介します。「ケセランパセラン」は、元紙ふうせんのメンバー、田中和子さんの指導の下、結成したグループです。月に1,2回西公民館や、中央公民館で、0~2歳児を対象におはなし会をしたり、図書館で、月3回、子供たちに紙芝居を行っています。
今回は中平さんが30年以上前に描いた絵を採用し、当時の脚本を再度検討してこの秋完成させた、紙芝居「火伏せの竜」を白石さんに演じていただきます。
※サークル「よみっ子」は11月17日に登壇します。