2026年8月22日(土) 10:30~12:30 シンポジウム
『睡眠に関するストレスマネジメント研究と実践、社会実装』
企画・司会:岡島 義(東京家政大学)
岡村 尚昌(久留米大学)
話題提供 :瀧井 美緒(新潟大学)
町田 奈穂(大阪カウンセリングセンターBellflower)
岡島 義(東京家政大学)
脇 英彰(帝京平成大学)
指定討論 :岡村 尚昌(久留米大学)
企 画 趣 旨
厚生労働省が推進してきた「健康づくりのための睡眠指針2014」が策定され、睡眠12箇条が広く用いられてきた。しかし、その10年後に行われた健康日本 21(第二次)の最終評価では、国民の睡眠は「D(悪化している)」と判定され、課題が浮き彫りとなった。この現状を受けて、2024年に「睡眠ガイド2023」が策定され、最新知見を取り入れた年代別の睡眠対策が盛り込まれた。
睡眠には、質(睡眠休養感、不眠感)、量(睡眠時間)、リズム(就床―起床時刻、クロノタイプ)という3つの側面があり、いずれの側面もストレス反応やメンタルヘルスの悪化を引き起こすことが知られている。これは、児童期・青年期・成人期・高齢期のいずれにおいても同様であり、最近では、不眠に対する認知行動療法(CBT-I)によってうつ病発症・再発予防になることも報告されている(e.g., Cheng et al., 2019)。このように、適切な睡眠改善アプローチが日中機能障害に及ぼすインパクトは大きい。そこで、本シンポジウムでは、睡眠によるストレスマネジメント研究、実践、社会実装をテーマにし、5名の専門家にご登壇いただく。4名の先生から睡眠アプローチの有用性について話題提供いただいた後、指定討論に基づいて今後の可能性を議論する。
文献:Cheng, P., et al. (2019). Depression prevention via digital cognitive behavioral therapy for insomnia: a randomized controlled trial, Sleep, 42, zsz150.
2026年8月22日(土) 15:20~16:50 日本ストレスマネジメント学会第24回年次大会学会企画シンポジウム
『ストレスマネジメントをアップデートする―実践につながる知見と支援の新たな視点―』
企画・司会:小関 俊祐(桜美林大学)
話題提供 :領家 梨恵(新潟医療福祉大学)
横山 仁史(新潟大学)
野村 和孝(北里大学)
指定討論 :嶋田 洋徳(早稲田大学)
企 画 趣 旨
近年、ストレス関連問題は教育現場において一層深刻化しており、不登校や情緒的困難、対人不安など、多様な形で顕在化している。これらの問題や課題に対しては、ストレスマネジメント教育の有効性が示されつつあるが、その理論的基盤は主として心理・行動レベルの説明に依拠してきた。一方で、ストレス反応の背景にある生体メカニズムに関する知見は急速に蓄積されており、心理教育のさらなる深化には、これら基礎研究との接続が不可欠である。
本シンポジウムでは、強いストレス経験が後の恐怖反応やストレス脆弱性をどのように変化させるのかについて、内分泌系・免疫系および脳形態の観点から検討した基礎研究の成果を出発点とする。この研究は、ストレスが単なる一過性の反応ではなく、その後の認知・情動・行動のあり方に持続的な影響を及ぼす可能性を示唆しており、ストレスマネジメント教育における「予防」や「早期介入」の意義を再定義する重要な示唆を含んでいる。
本シンポジウムではまず、当該基礎研究の知見を概観し、ストレス曝露前後における生体変化とその時間的推移について整理する。続いて、これらの知見を認知行動療法型のストレスマネジメント教育の枠組みと接続し、ストレス経験が認知バイアスや回避行動の形成にどのように関与しうるかを理論的に検討する。さらに、学校教育におけるストレスマネジメント実践への応用可能性として、早期介入の位置づけ、身体的アプローチ(リラクセーション等)の科学的意義、ならびにトラウマ理解の教育的展開について具体的に議論する。
本シンポジウムの目的は、基礎神経科学的知見と心理・教育実践とを架橋し、ストレスマネジメント教育の理論的基盤を強化することである。これにより、ストレスへの対処を「事後的対応」から「予防的・発達的支援」へと再構築する視座を提示し、今後の教育実践および研究の発展に資することを目指す。