自由集会

自由集会「動物行動実験・解析手法の展開」

日 時:2019年10月11日(金)15:30-17:00

場 所:9号館2階92B

企画・司会 澤 幸祐 (専修大学)

講演者 後藤和宏 (相模女子大学) 「タッチモニタを用いたげっ歯類の学習実験の実際」

今野愛紀・加藤大貴 (専修大学) 「DeepLabCutを用いたゾウ・ウマの行動解析」

菅野康太 (鹿児島大学) 「動物心理学におけるマウス超音波発声の今後の可能性」

企画趣旨

実験手法を学ぶのは,きわめて重要なことである。多くの研究室では,伝統的に用いられてきた安定的な方法を継承していると思われるが,一方で近年の行動の測定技術や刺激提示方法の進歩は、動物行動を研究するにあたって様々な新しい手法を提供している。本来自分がやりたかったことがあるのに,研究手法の制約からそれをあきらめるのは残念なことであり,できることならばより多くの実験技術や測定・解析技術を身に着けることが望ましい。かといって,新しい技術を学ぶのはなかなかに面倒なことでもあり,昨今の業績圧力のもとでは手近な方法に流れてしまうのは誰しも身に覚えのあるところであろう。

そこで,本自由集会では,実験手技に焦点を当て,様々な方法の紹介とその実践上の注意点などについて紹介する。なかでも,ハトでは広く用いられてきたが最近はラットやマウスでも用いられるようになったタッチモニタを用いた学習実験,ディープラーニングを用いた画像解析ライブラリであるDeepLabCutを用いたゾウやウマの動画解析,母子間の音声コミュニケーションや様々な情動反応の研究に用いられてきたマウスの超音波発声の研究を取り上げ,「いま自分は使っていないが使えるようになれば新しいことに挑戦できるかもしれない」といった潜在的な需要を掘り起こすような議論を行いたい。