一般公開講演

ウマの行動科学と応用

本企画は一般公開です。動物心理学会会員でなくともご参加いただけます。

日 時:2019年10月13日(日)15:30-17:00

場 所:2号館1階211

企画 澤 幸祐 (専修大学)

司会 西山慶太 (専修大学・日本オリンピック委員会強化スタッフ)

講演者 澤 幸祐 (専修大学)

「ヒトーウマインタラクションと人馬一体」

平田 聡 (京都大学)

「野生ウマの行動と社会」

片山 篤 (徳島乗馬倶楽部)

「障害馬術競技馬の特性とその育成・トレーニングの方法 ーヨーロッパ系乗用種の育成を通じてー」

企画趣旨

東京オリンピック・パラリンピックを2020年に控え、様々な取り組みが行われている。オリンピック・パラリンピックは極限まで鍛え上げたアスリートたちがその技量を競うものだが、その中で唯一、人間以外の生物が競技に関わるのが馬術競技である。

ウマは、イヌと同様に、人類が自らの道具あるいは伴侶として家畜化した動物であり、「ウマは人を見る」といわれるように人間と特別な関係を取り結ぶことがあるとされてきた。動物心理学においても、近年ウマが人間の表情をどのように認知しているか、またウマは人間がどのような情報を持っているかを理解しているかといった研究が行われ、ウマの社会的知性に関する知見が報告されている。馬術競技で見られるような人馬一体と呼ばれる状態は、まさにこうしたウマの社会的知性と人間理解が下支えしているのかもしれない。

本講演では、近年発展著しいウマに関するさまざまな研究をメインテーマとし、ウマのもつ社会的知性に関する最新の知見を、実験室と野外の両面から紹介する。あわせて、馬術の選手を講演者に迎え、馬術競技の説明に加えて普段目にすることのない馬術競技馬の育成やトレーニングについて取り上げ、基礎研究から馬術という応用までをわかりやすく紹介する。

片山篤氏 略歴

日本馬術連盟 障害馬術プログレスチーム所属

2009 CSI - 日本リーグ 総合2位

2010 広州アジア大会 障害馬術日本代表

2011 山口国体 成年男子六段障害飛越競技 1位

2014 長崎国体 成年男子標準障害飛越競技 2位

2018 全日本障害馬術大会 中障害飛越競技A(決勝) 1位