2020年2月8日更新
1. Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health(BSPH)就職の必要条件
若手の日本人がBSPHで研究者・教員に就くためには、雇用してくれる教員を見つけ、米国のビザまたは永住権(通称グリーンカード)を取得することが必要です。
2. BSPHの研究者・教員ポジション
BSPHの研究者・教員のポジションには、職位が低い順に、Research Assistant(研究助手)、Postdoctoral Fellow(ポスドク)、Research Associate(研究員)、Assistant Scientist(特任助教)、Assistant Professor(助教)等があります。Assistant Scientistは、Principal Investigator(PI、研究室を主宰する教員)の研究費で雇用される任期付きのAssistant Professorレベルの教員です。任期付きのより高い職位として、Associate Professor(准教授)レベルのAssociate Scientist、Full Professor(教授)レベルのSenior Scientistがあります。
Research Associate以上がfaculty(教員陣)を構成します。最長6年間有効(更新を含む)のH-1B(就労)ビザを取るためには、原則としてこのResearch Associate以上(場合によってはPostdoctoral Fellowも可)のポジションに就く必要があります。BSPHの研究者・教員はProfessorも含めてほぼ全員が給与を研究費に依存しており、Research Associateを1人雇用するには間接経費を入れると年間8万ドル以上の研究費がかかるようです。
3. BSPH就職までのルートの例
3-1. BSPH(他学でも可)で学位を取得したあと、F-1(学生)ビザを使ってOptional Practical Training(OPT)で就職し、OPT中にResearch Associate以上のポジション獲得を目指す。
BSPHの学位プログラムに入れば、その間に目当ての教員に指導していただいたり、Research Assistantとして雇用していただいたりして、自分のことを知ってもらう機会ができます。修士課程は在学期間が1~2年間と短いので、入学後早めに指導教員と相談し卒後の就職に向けた準備を始めるがよいと思われます。OPT中の仕事は、無給のボランティアでもよく、最長1年間(MPHの場合)です。
3-2. 研究留学の奨学金を得て、Postdoctoral Fellowとして就職し、Research Associate以上のポジション獲得を目指す。
研究留学の奨学金を獲得できれば、受入先のBSPHの教員が研究費で給与の全額を支払わなくてよくなるので、Postdoctoral Fellowとして採用される可能性が増します。この場合に必要なJ-1(交流訪問)ビザの有効期限は最長5年間です。
3-3. BSPHのポジションに外部から応募して採用される。
日本の大学院を含む他学で学位を取得したあと、BSPHのポジションに応募して採用されることは、可能ですが、狭き門であると思われます。BSPHの多くの研究者・教員は、BSPHで学位を取得しています。
4. 永住権の取得
BSPHを含む米国で日本人が長く働き続けるためには、ビザの継続的な取得が問題となりますが、永住権を取得すればこの点は解決します。研究者が永住権を取得するためには、論文の被引用数が最低50~60、できれば100以上が目安(いずれもGoogle Scholarによる数)と言われていますが、詳しくは専門の弁護士にご相談ください。