活動報告

第8回定期交流会 [Regular]

写真を通して顔とコミュニケーションの関係を考える

講師:福富大介

日時:2015年5月2日

場所:東京大学 本郷キャンパス


工学系、心理学系、美容実践系と続き、写真をテーマとしたワークショップを開催いたしましたので、その内容をご報告いたします。今回は初参加の7名や原島前会長を含む、20名にご参加いただきました。お住まいも関東圏にとどまらず、遠くは石川県や愛知県、大阪府、さらにはなんとフランス留学中の方もいらっしゃいました。この一点だけを見ても、本交流会の周知が進んでいることを実感いたします。

さて、今回はふたつのセッションを実施いたしました。ひとつ目は、ヒトや動物はどのような手段でコミュニケーションしているのかを再確認する、というものです。ヒトや動物がコミュニケーションしている写真を提示して、その手段をどのように分類できるかを参加者に当てていただくという内容です。

ヒトも動物も同じように使っているコミュニケーション手段として、視線(表情)や音声、タッチ、口づけ、行動が挙がり、ヒトに進化する過程で変化した手段として、耳やしっぽ、においが挙がりました。また、ヒトしか使っていないであろう手段としてはジェスチャと記号が挙がりました。これらの手段の多くは顔を通じてコミュニケーションを発信しますが、それ以外にも体全体を使っていることが再認識される一方で、受信に目を向けるとほとんどが顔を通じて行われているという点も確認することができました。

もうひとつのワークショップは、写真を通してどのように自分の印象や被写体の印象を伝えるか、というものです。写真に写る際、よく「まっすぐカメラを見て」「アゴを引いて」「笑顔で」と指示されますが、それに従うと自然な表情とはいえない写真になることが多いと思います。そこで,表情に頼らずにカメラの撮影位置や構図を工夫することによって、被写体の印象を引き出すことに挑戦いたしました。

具体的には、カメラの方向を上下左右にずらし、加えて被写体をフレームの左右に振ることによって、活発・友好的、威厳・理性的、優美・挑発的、努力・野心的といった印象を与えることができる、というものです。この内容を受け、2名1組となってお互いに被写体の印象を引き出す撮影を行いました。質疑応答でも撮影についての話題が多数出るなど、簡単な工夫でも印象を変えることができることを実感していただけたようです。

このほか、日本画像学会との交流報告や似顔絵ワークショップの報告、フォーラム顔学2015のご紹介、原島先生放送文化賞のお祝いに若手交流会応援団第1号の中原様ご紹介と、大変盛り沢山な会となりました。


最後になりますが、今回より若手交流会の運営体制が3増1減となり、人員が強化されました。これまで会の運営にご尽力いただきました山南さんには改めて感謝申し上げるとともに、私を含む新体制でも楽しい話題を提供し続けることができるよう、今後もまい進してまいります。どうぞご期待ください。