活動報告

第29回定期交流会  [Regular][Psychology]

講演:文化によってどう違う? 顔と声による感情コミュニケーション  

講師:河原 美彩子 さん 東京女子大学 人間科学研究科

日時:20232月12日(10:00-12:00

開催方法:オンライン会議(Zoom ミーティング)

20232月12日(),コロナ禍の影響を受け,前回に引き続き第29回定期交流会をオンラインで開催いたしました.参加者数は19名でした.

今回の定期交流会では東京女子大学河原 美彩子さんを講師にお招きし,講演と話題提供をしていただきました.


表情の読み取り方に関する文化差,感情の消失に対する敏感さの文化差,音声の感情認知に対する文化的な普遍性についての先行研究について述べられた後,感情認知の文化差,発達に応じた重視する特徴の変化,また顔と声による感情表出の文化差を,FACS解析や音響解析を用いて検討したご自身の研究をご紹介いただきました.

実験の結果から,日本人は児童期以降,特に内集団のメンバーに対する感情の認知に声を重視する,顔と声による感情表出には文化差があるということが分かり,今後の展望として,自発的な感情表出を対象とした研究の展開,5歳未満の子供,高齢者を対象とした実験の実施、同一文化内における個人差の調査について取り組みたいとのことでした.質疑応答では,文化差と個人差のどちらが強いのか,影響する他の要因は考えられるのか,日本人はコントロールしやすい顔の感情を隠しているのではないか,相手に依って適応的に変えている要素があるのではないか,という質問があり闊達な議論がなされました.

また、講演後は”交流会”ということで,2つのグループに分かれ,それぞれに興味のある話題について情報交換を行いました.グループ1は河原さんを中心に,今回の講演内容についての深堀りと熱い議論が交わされました.グループ2では,フリーディスカッションと交流が行われました.いずれのグループも時間いっぱいまで話題が尽きず,あっという間に終了の時間となりました.

オンライン開催も10回目となりますが,今回も盛況に終わったのではないかと思います.次回も皆さんとお会いできることに楽しみにしています.