ピンクの鍵
ピンクの鍵
このジャーナルの初めに書いた「赤いもの」、あれは探し物の話だった。
その日、私にはもう一つ重要な探し物があった。
家の合鍵。
どこかに置いてあるんだけど、見当がつかず、気分がすぐれないまま、何もしないまま、見つかる日を待つことにしたんだ。
あれから数週間が経った2日前。
缶の箱の中に、それはあった。
珍しく化粧をしようと思って、缶を開けた。
普段は化粧はしないのに。
嫌いなのに。
その日は、化粧をして街へ出ようと思った。
缶の銀色の底の真ん中に、ピンクのペンキで塗られた鍵。
満足だった。
それにしても、よく耐えたなと思う。
待ちきれず、物をひっくり返すように探したり、一切しなかったから。
忘れていたわけでもないのに。
時々思い出して、重たい気分になっていたのに。
だから、満足なんだ。