JaLFiG設立の経緯と趣旨
1. 設立の経緯
日本国外で勉強・研究・仕事をしている人にとって、日頃は滞在国の人たちや他国から来た人たちと交流を深めることが重要であるのはもちろんですが、日本人同士の交流や情報交換が効果的な場面もあります。しかし、ドイツやその近隣諸国のように中規模の街が点在する国では、自分の住む街や大学には、近い分野で活動している人が少ないことも珍しくありません。
このような各地に散らばる日本人同士の交流を促進するため、在ドイツ日本国大使館や日本学術振興会ボン研究連絡センターの尽力で、全ての学問分野を対象とした「ドイツ研究者ネットワーク交流会」が2023年から毎年開催されています。一方で、特定分野の研究者や学生がより専門的かつ密接に交流するには、この枠組みでは対象範囲が広すぎる側面もあります。そこで、生物医学系の研究者や学生の人的交流を目指して、「ドイツ生命科学日本人の会 (Japanese Life Science Forum in Germany ― JaLFiG)」を創設しました。2024年10月にミュンヘンで第1回交流会を開催したあとは、大学院学生や博士研究員が運営の中心となり、2025年8月にマクデブルクで第2回交流会を実施しました。
2. 主な対象者
JaLFiGでは、生物学・医学・薬学・農学・環境学・生物工学・生物情報科学など、生きものに関連する分野を幅広く対象としています。学部生・大学院生・博士研究員から、助教・准教授・教授などの教員や研究所職員、臨床医・研修医、医師免許書き換え課程の人、生物系企業の人、サイエンスライター、生命科学分野の情報発信に関わる人、生物系出身で今は家庭で活動している人まで、様々な人の交流に役立てればと思います。
JaLFiGは「ドイツ」と銘打っていますが、オーストリア・ベルギー・デンマークなどの研究者の人も参加しています。スイス・ルクセンブルクなどのドイツ語圏の国や、ポーランド・チェコ・オランダなどのドイツの隣接国、さらには北欧諸国・東欧諸国・イギリス・フランスなど、「少し足を延ばせば、ドイツに行ける地域」の皆さんも歓迎しています。また、ドイツや近隣諸国への留学や研究滞在、就職、研究室移転などを検討している日本在住の生命科学系の人も、重要な対象者です。
3. 趣旨と活用例
交流会だけでなく、離れて暮らす人たちが年間を通じて情報交換できるように、メーリングリストを用意しています。メーリングリストは通信環境を問わず参加しやすい反面、気軽な情報交換や雑談は難しい面もあります。そのため、DiscordというSNSも併設しています。ぜひ両方にご登録ください。他の人にも共有したい情報の発信、自分が関わる研究や学会の宣伝、研究のことから日常生活や社会制度に関することまで、何でも質問してみてください。もちろん、「今度○○の街に行くので、近くの人で会いませんか?」といった臨時の交流企画や雑談なども大歓迎です。ぜひ、色々な目的に活用してください。
JaLFiGのWebサイトでは、ドイツの研究機関や奨学金・フェローシップの情報も提供しています。他のWebサイトやドイツ在住者のブログで調べても分からない情報や、特定の都市に関する質問などがあれば、ぜひDiscordをご活用ください。すでに海外に滞在している皆さんは、そのような質問への情報提供にご協力いただけますと幸いです。
JaLFiGの運営・今後の発展には、皆さんのお力添えが不可欠です。本会をどのように活用するかは皆さんの自由ですので、ぜひこの場を活用し、皆さんの海外滞在を楽しく有益なものにしていただけると嬉しく思います。最後になりますが、JaLFiGの活動・発展は運営チームだけでなく、参加している皆さんも含めた全員で支えていければと思っています。ご意見や質問などがあれば、お気軽にメーリングリストやDiscord、もしくは運営チームまでご連絡ください。また、JaLFiG運営委員は帰国などの事情により順次入れ替わるため、運営メンバーも募集しています。皆さんとともに持続的な交流の場を築いていきたいと考えておりますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
伊藤啓 (ケルン大学 生物学科 実験形態学・神経解剖学講座 教授)
JaLFiG 運営委員一同