共同制作(2025)

Artwork / 梶谷令

Poetry / 諍井寄人





  Outline of existence



      目を開いた者は

      目を瞑らずにはいられない

存在は刻々と見いだされ

      見おとされ続けている


窓明かりが夜を継ぎ足すごと

まなざしが血肉を貼り重ねて


からだは此処に灯された

ひとつの火から、地に織られる影は数多





  Unconfined



強すぎる電飾が

夜を沸かす

街から

ぶあつい肌の裏にも

踵が

一足また一足

入ってきて肋に

伏してある臓物を

強かに打ち鳴らす

電飾が

血に跳ねびかびかと

見える

閉ざされてあるべき

なのに横暴に

明るさと結びつけられるのだ

球茎の

柔い

無名の魂が


外へ 外へ

腫れでた秘部の

立ち姿





  No more pain



一枚

捲れば漏る痛み

一枚

捲れば漏る慈しみ


ずれる肌に

寄り添いずれる言葉

意を失くした描線の

伝うは

オロカナ;ハラワタ





  Secret



オルゴールに蓋するように

臍ピアスを刺した

ここに綴じる被虐を

悲曲にはしないで


青痣の裏 荒む血の鮮鮮

それは生命を腫り裂けぶ

アラワナ;ハラワタ





  Outline of existence 2



ミルフィユ状に

からだに刷られる手の仕草

思い出を語りなおすように

泥遊び

楽しかったように

ぐずぐずのからだは

繰り返された仕草の重層で

服は御守り——わたしから

出ていかないように

トラウマを結界するため





  Deformed Body



喉元で詰まる

上げられない声を

鬱血して腫れた胃が

募る

思いが胸に

あるなら切開して

流れ出す絵が

吐瀉物であっても


草木のように

汚穢も慈雨として

体を立てた





  The way home



暴行する手

抱擁する手

それら手の

ふるさと;はらわた


殴打も慰撫も

蠕動に噛みとられ

残ったのは

する手の空し往来


帰っておいで

夕刻に炙られ

焼け渡る街並みを


誰だって帰路は血の色