高山の里山は、天然の「防災インフラ」です
高山第2工区には、森林、農地、谷筋、ため池、水路などが連続して残されています。
森林の土壌や農地は雨水を受け止め、ため池や湿地は水を一時的に蓄えます。谷筋や水路は、長い時間をかけて形成されてきた水の通り道です。
近年、想定を超える豪雨によって、下流への急激な雨水の流出や、盛土・斜面の安全性に関わる深刻な被害が全国で発生しています。
谷を埋め、地表をコンクリートやアスファルトで覆った後に、調整池などの人工施設だけで雨水を管理するという従来のやり方だけでなく、高山の自然環境そのものが持つ防災・減災機能を、最大限に活かす方法を検討すべきです。
自然が本来持っている保水、浸透、遊水の機能は、地域を守る「天然の防災インフラ」であり、将来に引き継ぐべき大切な資産ではないでしょうか。
暑さが深刻になるなか、さらに緑を大規模に減らすのか
高山に入ると、空気が変わり、まちなかよりも涼しく感じる。そう感じている市民は少なくないのではないでしょうか。
森林や農地、水辺がまとまって残る高山の環境は、地域の気温や湿度、水の循環と深く関わっています。
記録的な猛暑が相次ぎ、日本の夏は年々厳しさを増しています。森林や農地の植物は、木陰をつくり、水分を蒸発させることで、周囲の温度上昇を和らげます。
一方、樹木を伐採し、地表をコンクリートやアスファルト、建築物に置き換えれば、日中に蓄えられた熱が夜間にも放出され、地域の高温化を招く可能性があります。
気候変動が進むほど、豪雨、猛暑、干ばつなどの危険は高まります。また、地球の気候や生態系が、ある境界を越えることで急激かつ不可逆的に変化する「ティッピングポイント」のリスクも、気温上昇とともに高まると指摘されています。
このような時代に、広大な区域で緑地を失い、建物や舗装面を増やす計画を進めることは、生駒市が掲げる環境政策や気候変動対策と整合するのでしょうか。