「自然的利用」を掲げる場所にも、データセンターの検討...
生駒市の資料では、Fエリアは「自然活用型土地利用」を目指す区域とされています。
ところが、そのFエリアでも、データセンターを含む事業者提案が示されています。
「自然を活用する土地利用」と、大規模な造成や施設建設を伴うデータセンターは、両立するのか。
南エリアについても、自然環境調査が完了しておらず、その結果の公表や専門的な評価が行われていない段階で、土地利用や造成計画の具体化が進められています。
守るべき自然や水系を把握する前に、開発する施設だけを決めていくような進め方は、順序が逆です。
生駒市資料:令和8年9月定例会 経済建設委員会 「学研高山地区第2工区の事業進捗について」
データセンターの集積が進む、同じ「けいはんな学研都市」の京都府精華町では、2024年9月2日、文化学術研究地区への新たなデータセンターの誘致を原則として行わない方針を示しました 。
その背景には、大規模な施設の集中によって学研都市の景観が損なわれる懸念や、非常用発電機の稼働に伴う騒音・排煙など、周辺環境への影響があります。精華町は、データセンターが数多く集積することは、学研都市として目指すまちづくりの方向性とは異なると説明しています。
なお、周辺環境と調和し、学研都市のまちづくりへの大きな貢献が期待される計画については、例外的に誘致できるとしています。
高山第2工区も、精華町と同じ「けいはんな学研都市」の一部です。すでに近隣自治体がデータセンターの集中による問題に直面し、新たな誘致に慎重な方針を示しているにもかかわらず、生駒市はなぜ、高山の里山を造成してまで、データセンターを受け入れようとしているのでしょうか。
参考:
データセンターは、多数のサーバーや通信機器を設置し、AIやクラウドサービスなどの大量のデータを処理・保存する施設です。
デジタル社会を支える重要な基盤である一方、施設の規模や設備、冷却方式によっては、大量の電力を消費し、冷却に水を使用する可能性があります。また、設備から生じる排熱や騒音、大規模な建築物による景観への影響なども考えられます。
だからこそ、「データセンターは成長産業だから」という理由だけで立地を進めるのではなく、高山という土地に建設する必要性と、その影響を具体的に検証しなければなりません。
データセンターの立地を検討するのであれば、生駒市と事業者は、計画を決定する前に地域住民への丁寧な説明会を開き、そのメリットとデメリットを包み隠さず説明すべきです。
とりわけ、すでにデータセンターが集積しているけいはんな学研都市で生じている住民との摩擦や、騒音・排煙・景観などの問題についても、具体的な事例を示して説明する必要があります。
そのうえで、建設計画の概要、地域に生まれる雇用や税収、災害時の安全性、騒音、振動、排熱、光、景観への影響、施設撤退後の土地利用や原状回復の責任などを、事前に明らかにすべきです。
これらが明らかにされないままでは、市民は計画の必要性も、環境への影響も判断できません。
学研高山地区第2工区は、約288haに及ぶ大規模な開発計画です。
個別のエリアごとに検討するだけでは、森林、農地、ため池、水路、生きものの移動経路など、地域全体のつながりに及ぶ影響を正しく捉えることはできません。
データセンターの立地を含む土地利用を決定する前に、第2工区全体を対象として、地形、地質、水脈、水系、生態系、気候、生活環境への影響を総合的に調査・評価する必要があります。
事業者の提案や経済的な効果を優先し、調査結果が出る前に、後戻りできない計画を進めないでください。
高山の未来は、行政や地権者、事業者だけで決めるものではありません。情報を市民に公開し、十分な説明と議論を行い、市民が判断できる機会を保障してください。