コロナ禍で中止になった第138回全国大学国語教育学会島根大会のラウンドテーブル企画をオンラインで実施します。
⇒Edcamp国語科教育の会場へのご案内(3時20分〜3時25分)
参加申込時に回答していただいた国語科教育をめぐるトピックを取り上げ、興味を持ったみなさんに参加していただくグループセッションの時間です。
夕食・入浴・休憩:午後5時30分〜午後9時30分
※質問者のお名前は非表示にしました。ご了承ください。
1、背景
テクノロジーを活用した日本の教育改革は、欧米の先進国はもちろん、新興のアジア諸国と比較しても大きく立ち遅れていると指摘されている。それがここへ来てようやく、文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」(2019年12月)によって、1人1台情報端末環境の整備と情報機器の文房具化に向けて大きく動き出そうとしている。また、年度末にはCOVID-19によって全国の学校が休校を余儀なくされ、初等教育から高等教育までのあらゆる校種において学習支援システムを活用した教材配信や遠隔授業などの利活用が進んだ。こうした中で、国語科教育におけるICT活用の可能性を広げるための取り組みが、ますます重要性を増している。本企画は、2017年から続けきたICTと国語科教育をめぐるラウンドテーブルの第4弾である。
2、実践事例報告
問題提起として、「登壇者」が10〜15分程度の実践事例報告を行う。
1つ目は、古典文学作品を「論理的に」分析した評論文を教材として、「論理国語」の目標である「 論理的,批判的に考える力」「創造的に考える力」「伝え合う力」の向上を図った授業実践の報告である。この実践では、教育用SNSで3つの高校をつなぎ、生徒の意見や感想を共有することで、ICTを活用しなければ実現できない「伝え合う」学びを実現した。
2つ目は、中学生のコンピューテーショナルシンキングの実践の紹介である。「MOON Block」というプログラミングサービスを利用してゲームをプログラムして作成した中学生が、プログラミングやゲームづくりがどのように論理的な力や伝え合う態度を向上し涵養したと考えているのかを紹介する。
3つ目は、高校生の1人1台Chromebookを使用した授業の実践紹介である。Googleクラスルームの中で、Kamiという手書きアプリを使用することで、教員側が送ったPDFに生徒各自が手書きで書き込みをすることができる。現代文の授業では、紙のノートに代わり使用することで、「書くこと」はそのままにメリットがいかにあったのかを紹介する。また古文においては、Kamiアプリで共同作業を可視化することで、「学び合う」新たな授業を実現できた。
4つ目は、中学校の1人1台タブレット端末という環境で、TV会議システムを活用し共同取材を実施した報告である。被災地・岩手県釜石市とリアルタイムで交流し、直接情報に向き合い、双方向の交流を進めることで、当事者意識をもつことに繋がった事例を紹介する。
こうした実践事例報告に、参加者からの積極的な情報提供を加えることで、「登壇者」と参加者の区別のない活発な議論を期待したい。なお、当日は、プロジェクターをAppleTVによって共有する予定である。本ラウンドテーブルの議論に資する投影可能な資料をお持ちの方は、3分程度の短いプレゼン(エレベーターピッチ)をすることも可能である。HDMI接続が可能なプロジェクターを用意するので、AppleTV以外の手段で投影したい方は、必要なコネクターやケーブルの持参をお願いする。