RESEARCH
概要
研究概要
水素貯蔵材料
熱・電気・化学反応などにより水素を出し入れできる物質が水素貯蔵材料である。水素エネルギー社会の実現には、水素の製造、貯蔵・輸送、利用技術を確立させる必要があり、中でも貯蔵の分野は立ち遅れている。水素貯蔵材料の実用化に必要なコスト、エネルギー効率、資源の有限性すべてをクリアする材料が無く、それゆえ商品化されたものはほとんど無い。
本研究室はこの状況を打破すべく、水素貯蔵材料実用化を目指して基礎・応用の両面から材料開発を行う。そして水素製造・利用を含めた幅広い視野を以って研究を進め、まずは沖縄を世界に先駆けて水素エネルギーに社会にすることを目標とする。
具体的にはアンモニアボラン(AB、NH3BH3)系水素貯蔵材料を軸に、以下の研究を主に行っている。
AB系材料の再生反応
AB-イオン液体の基礎物性と水素放出反応機構の調査
金属アミドボラン(M(NH2BH3)n、M = Li, K, Caなど)の高機能化と再生反応
水素貯蔵材料を電気自動車のレンジエクステンダーへ適用
水素吸蔵合金の構造解析および合金を用いた触媒開発
定置用・非常用燃料電池の水素源としての水素貯蔵材料開発
水蒸気・アンモニア混合ガス中でのアンモニア回収材料の開発と構造決定
リサイクル化学
沖縄は資源の少ない地域である。特にエネルギー資源と水資源に乏しいため、確保する必要がある。さらにゴミ問題も無視できず、近い将来飽和すると考えられる。そこで身近な廃棄物などの未利用資源を有効活用すべく、2014年からリサイクル化学を開始した。
特に、現在は以下のトピックを扱っている。
教育・農業・人間活動廃棄物からのアンモニア回収システム開発
除湿器から排出される水の浄化・再利用法の開発
貝殻からの基礎化粧品成分抽出
廃棄物に含まれるアンモニア源からのアンモニアボラン合成・精製法の開発