昭和53年に、地域の長老3名は幼少期の思い出として残っている「盆踊り」を堀口の子供たちに“故郷の思い出”としてつくってやりたい、との思いから始められました。期待以上に大盛況で、これは毎年開催すべきと、その意思を受け継ぎ、翌年、堀口青年会が結成され、堀口夏まつりは毎年開催されるようになりました。
堀口夏まつりは、手づくりのまつりが自慢の一つです。まつりをやろうと、発案した長老の一人清水義夫さん (平成24年に103歳で近去)が手づくりの神奥と乳母車で幼児が引く山車を製作しました。山車は、幼児から小学生までが引けるものをつくろうと、初代堀口青年会長の山本弘さんの指導で、青年会手づくりの軽トラック山車から始まり現在の2tトラックの山車で3度製作しています。この神輿と山車が、前夜祭、本祭りの2日、地域内を練り歩き、子どもたちの元気な歓声が地域内に響き渡っています。
堀口夏まつりは、前夜祭と本祭の2日間開催することが特色となっています。両日とも、自治会、各種団体の模擬店が出されます。
前夜祭では、「堀口ふるさと太鼓」の演奏が行われます。ふるさと太鼓は、平成4年当時、子どもたちを「家庭、地域に返そう」と学校5日制の導入が決まり、地域での子供の受け皿として、子ども会員を対象に結成しました。現在では、幼児太鼓、長寿会大鼓、お父さん太鼓、お母さん太鼓も編成され、各層が太鼓を通して絆が結ばれています。夜は、中学生、高校生、そして本地域で育ち社会人となった子供たちの太鼓や笛、歌に合わせ、輪になり「三浜盆踊り」を踊ります。また、子供対象の抽選会を行い、クライマックスは、子供たちが経験することができなくなった福餅(まき餅)を撒いて前夜祭が閉じられます。
本祭りの「三浜盆踊り」のクライマックスは、大きな色とりどりのガス風船を片手に輪をつくり、その年の祭りが盛り上がります。お楽しみ抽選会を行い、その年の夏まつりが終わります。
この祭り会場は、みこしを製作した清水義夫さんからの借地でしたが、義夫さんが逝去され、相続人から返還申出があり、第37回(平成27年)で、この夏まつりも最後、と本自治会の最大危機でありました。しかし、自治会員やひたちなか市、地域外の方々のご支援により、「堀口自治会」として、この土地を取得することができました。
今回まで継続できたのは、先人の地域の子供を思う暖かい心と地域内外の方々のご支援、地域の各種団体のご理解とご協力があったからです。
“子供たちに故郷の思い出”の初心を忘れず継続していく所存であります。