堀口ふるさと太鼓の概要
子どもたちに「ゆとり」をと、学校5日制が平成4年9月から月1回、平成7年4月から月2回、平成14年度から完全5日制へと段階的に実施された。学校・家庭・地域社会が相互に連携しながら、子供たちに、生活体験・社会体験・自然体験など様々な経験をさせ、自ら学び、自ら考える力や豊かな人間性などの「生きる力」を育むために施行された。
堀口自治会でも5日制となった土曜日に、家庭や地域に戻ってくる子どもたちの受け皿を検討していた。
平成5年、恒例となっている「堀口夏まつり」が15周年を迎えるにあたり、記念として尺8寸の大太鼓を購入することとなった。この大太鼓を、子どもたちが、ふるさと「堀口」の思い出をつくり成長し、“地域愛・自然愛・友だち愛・家族愛”を持つ一助として活用できないか検討した。
堀口在住の三反田小学校校長先生で、県吹奏楽連盟の重鎮であった石﨑靖庭先生に相談した。石崎先生は、堀口地域には、素晴らしい自然と夏まつりで築いてきた。
地域の“絆”があるので、「堀口ふるさと太鼓」を結成し、オリジナル曲(堀口の四季)をつくろう、ということになった。
平成5年末に、子ども会員全員で演奏する堀口の「春・夏・秋」のオリジナル曲が完成した。小学校低学年がタンバリン、カスタネット、鈴、中学年が鍵盤ハーモニカ、高学年男子が太鼓、女子がリコーダーやキーボードの和洋楽器で演奏する形態となっている。石崎先生の熱心な指導で練習に成み、翌年、ホタルの里あやめまつりで、110名の子ども会員が演奏してお披露目をした。現在は、ふるさと太鼓保存会や子ども会育成会などの指導で、練習に励み継続している。
しかし、堀口の四季の「冬」は、石崎先生が作曲半ばで近去されたため、未完成のままでいたが、平成30年には、堀口夏まつりが40回を迎えたため、石崎先生のご子息(一郎さん)に、「冬」の作曲をお願いし、夏まつりで初披勝した。
今までの活動を振り返ると、平成8年11月、水戸市千波公園で開催された「第3回いばらき子どもフェスティバル」、平成20年11月には、「第5回茨城太鼓祭りジュニアコンクール茨城県予選」に出演し銅賞を受賞した。また、平成13年11月には、ひたちなか市で開催された「市民癒章全国大会」で大鼓を演奏し、全国から集まった関係者を歓迎した。昨年1月には、ひたちなか市伝統芸能発表に久しぶりに出演した。
学年ごとにパートが変わるため、練習では、共に苦しみ、励ましあい、教え合っていく中で、自信と力をつけ、本番での上達した演奏を聴いていると、日に日に、成長していく姿には、心を打たれるものがある。
子どもたちの頑張る姿に引かれて、現在は、「お第さん・お婆さん」「お父さん」「お母さん」「幼児」の3歳児から高齢者までの太鼓が、それぞれ結成されている。
また、40年続いている堀口夏まつりは、ふるさと太鼓を経験し育っていった子供たちが中心となって、太鼓や笛で盆踊りを盛り上げている。
子供たちは、地域の温もりで育ち、学校は地域と共に育つものではないでしょうか。
(執筆:佐藤 大 自治会会長)