日告げの宮

地球の半径と全周と 1 海里


○ 児童用の図書に、地球は「回転楕円体(かいてんだえんたい)」で、特に「地球楕円体(ちきゅうだえんたい)」と呼ぶと、説明されていました。


ポプラディア大図鑑 WONDA ワンダ 『地球』

地球の形と大きさ

……。そこで、地球上の高さと深さをはかるときは、海水面の平均の高さをもとに、じっさいの地球の形に近いもの(ジオイド)を基準にします。

ただし、これは、まんまるの球体ではありません。北極と南極をむすぶ直径と、それに対して垂直な赤道部分の直径とをくらべると、横のほうがわずかに長くなっています。このような形を、回転だ円体といいます。

つまり地球は、球体を南北に少しつぶした回転だ円体に近い形をしています。この形を地球だ円体といいます。


地球は回転だ円体に近い

北極と南極をむすぶ直径

約 1 万 2714 ㎞

赤道部分の直径

約 1 万 2756 ㎞

北極と南極をとおる一周の長さ

約 4 万 0009 ㎞

赤道の一周の長さ

約 4 万 0077 ㎞

〔ポプラディア大図鑑 WONDA ワンダ 『地球』(p. 23) 〕


○ 高校生用の地図帳には、地球の大きさに関するデータの記載もあります。


『新詳高等地図』 ― 初訂版 ―

統計資料 (129)

(1) 地球の大きさ

(注)世界測地系による

  • 極半径 6,356.752 km
  • 赤道半径 6,378.137 km
  • 赤道の全周 40,075.017 km

子午線の全周 40,007.88 km

緯度 1 度分の子午線の弧の長さ

(赤道付近で)110.592 km

(極付近で)111.708 km

経度 1 度分の赤道の弧の長さ

111.319 km

〔『新詳高等地図』 ― 初訂版 ―「統計資料」より〕


○ また、子午線の弧の長さを基準にした単位に、メートルがありますが、地球を一周する円弧の、1 分という角度( 1 分は 1 度の 60 分の 1 )あたりの長さをもとに、海里という単位が考案されました。


『図解・単位の歴史辞典』

かいり【海里】

航海、航空用の距離の単位。一海里は一八五二㍍で、これは地球の中心角一分を張る海面上の距離に当たる。天球に張られた天文距離を海上距離に移す便宜のため、一七世紀、イギリスのガンターの考案したもの。緯度によって異なるのでイギリスでは緯度四五度での経線上の一分の距離をとり、六〇八〇フート(一八五三・一八㍍)とし、他の国は一八五二㍍をとってきたが、一九二九年の国際水路会議で一八五二㍍に統一された。海里は nautical mile の日本名。わが国では明治五(一八七二)年四月太政官布告で次のように定めた。「海里ハ一度六十分一ヲ以テ一里ト定ム即チ陸里十六町九分七厘五毛ナリ」。一時間に一海里の速さが「ノット knot 」である。昔船尾から流した紐の結び目の数で速さを計ったことに由来する。

〔『図解・単位の歴史辞典』(p. 29) 〕

The End of Takechan

◉ 海里をもとに 地球一周の全長を 計算するなら ◉


● 1 海里は、1.852 ㎞ なので、ここから 1 ° あたりの長さを出し、さらに地球の一周分 360 ° を計算すればよいことになります。

※ 円周は、円周率 π [パイ] と、半径 r とで、2πr の公式があります。


○ 1 度の弧 = 1.852 ㎞ × 60 = 111.12 ㎞

○ 360 度の弧 = 地球の全周 = 111.12 ㎞ × 360 = 40003.2 ㎞

○ 地球の半径 = 40003.2 ㎞ ÷ (2π) ≒ 6366.707 ㎞


以上の数値をまとめれば


◎ 1 海里の長さは 1.852 km で

◎ 1 分(1 ′ )あたりの長さ : 1 海里の長さに同じ

◎ 1 度(1 ° )あたりの弧の長さ 111.12 km

◎ 地球の全周 40003.2 km

◎ 地球の半径 6366.7 km


◎-◎ これらの基準値をもとに、たとえば興味をもったさまざまな地点の座標がわかれば、そのうちの二点間の距離などもわかったりする ―― のですが、ただ、困ったことに地図とかに書いてある座標には、10 進法で書かれたものと、1 度未満が分秒(60 進法)表示のものとがあるので、数字同士を比べるときにあまり現実的ではありません。

60 秒で 1 分、60 分 [ 60 ′ ] で 1 度 [ 1 ° ]、になります( 1 度は 3600 秒 [ 3600 ″ ] )。

1.5 度なら、1 ° 30 ′、という変換作業が必要になります。

◎-◎ その面倒な作業の解決方法としては、手軽な変換装置があればよいわけです。


◉ とまあ、そういうわけで、気兼ねなく使える変換システムを作ってしまいました。

このサイトのバックアップ・ページに、

―― 手元のパソコンで動作を確認した ――

JavaScript を使った座標数値の変換装置(計算システム)が付属しているという次第です。


日告げの宮 :〈太陽〉と〈地平〉の彼方の方位 バックアップ・ページ

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