Hiroyuki Inaoka's Website

Last update 2024/12/21


稲岡大志

大阪経済大学経営学部 准教授

博士(学術)

E-mail: hiroyuki.inaoka + gmail


Hiroyuki INAOKA, Ph.D.

Associate Professor

Faculty of Business Administration

Osaka University of Economics

E-mail: hiroyuki.inaoka + gmail


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最近の活動(新しい順)


研究テーマ

研究上の関心は、1)17世紀ヨーロッパ哲学、より具体的には、ライプニッツの数学の哲学、とりわけ、「位置解析」「幾何学的記号法」と呼ばれるライプニッツ独自の幾何学研究が持つ哲学的重要性や、無限小解析学が生まれる時代の数学研究における図形の役割について研究しています。

これまでは、普遍記号法の構想を生涯抱いていたライプニッツがなぜ幾何図形を用いない幾何学の構築を試みたのか、無限小解析研究と幾何学研究とはどのように関連しているのか、空間論の展開に幾何学研究がどのように関連しているのか、といった問題に取り組んできました。こうした問いの解明を通じて、点、記号、想像力といった概念の変遷を整理し、ライプニッツの数学の哲学の全体像を再構成することを目指しています。

さらに、パリ時代のライプニッツの数学研究に関して、とりわけ幾何図形がどのような機能を担っていたのかを歴史的かつ哲学的に解明する研究も進めています。具体的には、パリ時代の数学研究の集大成である論文『算術的求積』の全貌を解明する研究や、同時代の他の数学者の証明技法と比較することで、ライプニッツの数学研究の特徴を浮かび上がらせる研究を進めています。

また、2)数学の哲学の研究として、幾何図形を用いた推論(図形推論)についても研究しています。図形を用いた推論は正確なものではない、場合によっては推論を誤謬に導くものとして、歴史的には重要視されてはいなかったのですが、近年その機能を見直す動きが起きています(このへんの事情は 論文「図形推論と数学の哲学――最近の研究から」をお読みいただければひと通りのことはわかります)。図形を用いた背理法による証明や、非ユークリッド幾何学における無限遠点の幾何図形による表現などを分析することで、幾何図形が数学の証明においていかなる機能を果たしてきたのかを、歴史的観点から、かつ、現代的観点から解明する研究を進めています。図形推論は認知科学や数学教育などの分野でも盛んに研究されているテーマでもあり、今後はこれらの分野の研究者と哲学者が共同で研究することが求められています。

ライプニッツ研究と数学の哲学研究の背後には「数学の記号はどのような機能を持つのか」という共通の問題関心があります。

数学の記号に関するこうした問題関心に加えて、最近は、3)アニメーションの哲学の研究も進めています。私たちはアニメーションを鑑賞する際、キャラクターの音声と声優の音声を同一視し、現実世界に存在する声優が発した音声を虚構世界のキャラクターが発したものとみなした上で鑑賞し、楽しみます。声優はこうした意味では裏方的存在であるのですが、他方で、声優自身もまた単なる裏方にはとどまらない存在感を持っています。こうしたアニメーションや声優が置かれた現状を踏まえた上で、声優の音声はどのようにしてキャラクターの音声としてみなすことができるのか、私たちはどのようにしてアニメーション声優の音声を聴いているのか、といった観点から声優の音声が持つ描写機能の分析を進めています。

こうした「声優の哲学」は、ライプニッツの数理哲学研究や現代の数学や論理の哲学研究と同様に、「(図形や音声といった)表現媒体はいかにして対象を描写するのか」という、より広い哲学的関心に基づくものです。この意味において、哲学史研究(ライプニッツ研究)、現代哲学研究(数学・論理の哲学研究)、応用哲学研究(声優の哲学研究)は一つの軸で結びついています。

応用哲学・応用倫理学研究としては、4)スポーツ哲学・倫理学についても研究しています。「人類にとってスポーツとはなにか?/人はなぜスポーツをする/見るのか?」といった問題関心があります。

また、学際的共同研究として、信頼概念に関する学際研究哲学教育に関する研究も進めています。

さらに最近は、5)ポピュラー哲学(哲学の非専門家を中心とした哲学に関する実践)にも関心を持ち、出版動向をサーベイしたり、学会のシンポジウムを企画したりなどの活動を行っています。哲学対話や哲学カフェといった哲学プラクティスにも関心があります。こちらは教育活動やアウトリーチ活動とも連動させた研究ができればと考えています。


Research interests

1) 17th century & early modern philosophy (especially, Leibniz's philosophy of mathematics)

2) philosophy of mathematics, philosophy of geometry, diagrammatic reasoning

3) philosophy of animation

4) philosophy of sports

5) philosophical practice


経歴

1977年2月26日生まれ 

2008年3月 神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了 

2008年4月 神戸大学大学院人文学研究科学術研究員 

2008年10月 神戸大学大学院人文学研究科学術推進研究員 

2010年11月-2012年10月 神戸大学大学院人文学研究科助教 

2012年11月-2019年3月 神戸大学大学院人文学研究科研究員 

2019年4月-2021年7月  大阪経済大学経営学部専任講師

2021年7月-現在に至る 大阪経済大学経営学部准教授


学会などの委員歴 

2010年12月-2013年11月 関西哲学会 事務局幹事 

2011年11月-2021年3月 日本ライプニッツ協会 幹事 

2016年6月-2022年5月 応用哲学会 理事 

2018年9月-2019年12月 『フィルカル』編集委員

2019年7月-現在 日本哲学会 編集委員

2019年10月-2021年9月 応用哲学会 副事務局長

2020年1月-現在 『フィルカル』副編集長

2021年4月-現在 日本ライプニッツ協会 理事・編集委員

2022年10月-現在 関西哲学会 委員・編集委員

2023年4月-現在 応用哲学会 編集委員

2023年4月-現在 日本ライプニッツ協会 会長


学術貢献など

2020年11月-2022年10月 科学研究費委員会専門委員


研究業績

I 博士学位論文

稲岡大志、「ライプニッツの幾何学的記号法に関する研究――幾何学の哲学としての幾何学的記号法」、課程博士学位論文(学術)、神戸大学大学院文化学研究科、2008年3月提出.


II 編・著書


III 論文


IV 国際会議論文、総説・解説記事など


V その他書いたものなど


VI 翻訳


VII 学会発表など

【招待講演】


【研究発表】


【その他】


VIII 競争的外部資金獲得歴

【研究代表者】


【研究分担者】


IX 受賞歴