ひだまりカフェのレシピ[05]
“やさしい道”と“大変な道”
ひだまりカフェのレシピ[05]
“やさしい道”と“大変な道”
もし、“やさしい道”と“大変な道”の二つが目の前にあったら、あなたはどちらを選ぶでしょうか。そんなのもちろんやさしい方に決まってると普通は思うかもしれません。でも、本人会でのお話を伺っていると、どうも皆さん、たぶん無意識のうちに敢えて“大変な道”を選んでしまっていることが多いらしい。家族会の(主に)お母さん方もやはり、そんな傾向が強いように思います。考えてみると私(母親)も、ばりばりの“大変”好み。ふと気づくと頑張って必要以上のことをやろうとしていることが多いのです。
ここで頑張らないと自分はだめになってしまうとか、あるいは、他人様に後ろ指を指されぬようにとか、ともかく、チャランポランには出来ない。律儀にきっちりやらないと気がすまない。だから、仕事などでは、とても評価され、認められもするけれど、時々、重宝がられて頼りにされるあまりに、そして、それを出来ませんと言えぬが故に、自分がすごく苦しくなってしまうということも起こってくるようです。
なんで、摂食障害の本人や周りの人の多くが揃いも揃って、こんなに“大変な道”志向なのでしょう。たぶんそれは、これまでにも何度も書きましたが、ある種の“自信”のなさ、このままの自分ではいけないという意識とそれ故の焦りの現われなのでしょうね。
本人会のある方が、「この頃、敢えてやさしい方の道を選ぶようにしています。」とおっしゃいました。なるほどと思いました。ためしに意識して日常の場面に応用してみると、これは、まさに“目から鱗”の大発見でした。
まず、なんて楽チンなのでしょう。「あっ、な~んだ、この程度のことでよかったんだ!」とすごく気が楽になります。
それに、「“自信”が大切だから“自信”を持とう!」なんて力んでみても、「どうやって?」と途方に暮れるのが落ちですが、“やさしい道”を選んでいくと、自然にうまくいって自信が持てるようになることが多いのです。無理がないので成功率が高いし、長続きもする。少しずつステップアップしていくと思いがけないほど難しいこともいつのまにかこなせるようになる。それに、やさしい方を選ぶというだけだから、とても判断しやすいし…。
スポーツや人生で、確かにチャレンジは必要なことだけれど、ちょっと調子の出ない今、無理に頑張ることもなさそうです。どうぞ、ためしに日常のごく些細なことから、どっちにしようかと迷ったら、“やさしい方、楽そうな方、安易な方の道”を選んでみて下さい。私の場合は、かなり年も取り、体力もなくなり、今では仕方なく気を抜きながらやっていることも多いのだけれど、道選びを意識してみたら、ここぞというときにはやはり、“大変な”こと、“立派な”ことをやろうとこだわり、肩をいからせている自分に気づいて、はぁーっと深いため息。そういう時に限ってうまくいっていないんですよね。
「“やさしい道”なんて!」と思わずに、周りを眺めながら楽しみながら行ける道の方を選んでみませんか。そこには沢山の気づきがあるような気がします。
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MK/yy[201210ひだまりカフェbooklet No.8掲載]
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