ひだまりカフェのレシピ[04]
「エクステエクステ!」
ひだまりカフェのレシピ[04]
「エクステエクステ!」
今日のレシピは、ひだまり本人会のお姉さま格の参加者の一言「エクステ!」から。
参加されているうちに、お仕事などの行動範囲もいつのまにか広がりつつあるご様子のAさん。その月の近況報告の後に、おもむろにメガネをはずし、「見て見て!」とおっしゃいます。あらっ、なんだか目がパッチリ!まつげのエクステをしてもらったのだそうです。
すると、いつもは静かな声で「まだまだ大変…。」とためいき混じりにお話しのBさんが、大きな声で、「わぁ、それどこでやってもらったんですか?」と身を乗り出し、興味津々のご様子。なんだか微笑ましくて、一同大笑いしてしまいました。
会で本人のお話を伺っていると、極度に調子が悪いときには、頭の中は食べ物のことで一杯。まわりの世界や自分の身なりのことなどに注意を向けている余裕など、とてもじゃないけれどないわという状態のようです。
楽しいと感じることなど何もない。世界が無味乾燥なモノトーンに見える。何をやるにも途轍もないエネルギーが必要。だから、毎日が必死。でも、なかなかうまくいかない。自分に対する罪悪感で一杯。自分にはなんの価値もない。時間が怖い。
本人たちはなんと追い詰められていることでしょう。こんな負の思いの堂々巡りからどうやったら抜け出すことが出来るのでしょう。家族には何が出来るのでしょう。また、ひだまりカフェにはどんな手助けが出来るのでしょう。本人の重い言葉の前で、自分の無力さを噛みしめながらも、そんなことをずっとずっと考えてきました。
以前の号に、「何か小さなチャレンジを」と書きました。読んで下さった参加者のお一人が、「でも何も出来なくてと…。」と辛そうにおっしゃいました。「あぁ、そうか。皆ものすごくまじめに、どうにかしなくちゃと思い詰めてしまいがち。かえってプレッシャーになってしまったのかも…。」と考えさせられました。
「何か」の最初の一歩は、「意義のある、人に認められるような立派なこと」(やるなら、そういうことをしなくちゃと思い込んでいませんか、もしかして?)などと力まずに、どうぞ本当にささやかなことから。例えば、鏡にむかってニコッと微笑んでみる。外を眺めながら、ゆっくり深呼吸をしてみる。お風呂で小さな声で歌を歌ってみる(大きな声なら尚結構!)。漫画を読みふけって思いっきり泣いたり笑ったりしてみる等々。小さな小さなステップを毎日の生活に組み込んでみる。「あっ、出来た!」とちょっと自分がうれしくなり、満足出来るようなことを思いついて試してみるというだけでも十分だと思うのです。
Aさんのエクステの話を聞き、「これぞ極意!」と思いました。自分に手をかけ、自分を大事にし、ちょっといい気持ちを味わうって素敵です。もしかしたら、外で人に何かをやってもらうのは敷居が高いかもしれない。それなら自分で出来ることから。心にエネルギーがないときだからこそ、“形”から“心や気持ち”を動かすという手もありだと思うのです。そしてそのとき、「大丈夫!宇宙の中の大切な自分はこうやってじわじわと花開いていくんだ。」と自分にじっくり言い聞かせてやってみて下さい。まるでおまじないのようだけれど、意のままにならぬ自分の心身を、どう緩め、思わず知らずのうちに動かすかがこの病気脱出の要。世界に対して身構えることなく自分の等身大で安心して暮らせるように(そのとき、食の症状も自然に縮小していることでしょう。)自分を大切に育ててやることが、少しずつ悪循環から抜け出すための大きな手がかりにきっとなることでしょう。
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MK/yy[201207ひだまりカフェbooklet No.7掲載]
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