それぞれのエッセー[08]
「変えられるものと変えられないもの」
それぞれのエッセー[08]
「変えられるものと変えられないもの」
「やめたいのにやめられない。どうしたらやめられるか」
摂食障害のみならず、一般的に依存症といわれる症状に苦しんでいる方が、カウンセリングを受けに来て言われる言葉です。
なぜ苦しいのでしょう。それは、その時点で、自分では変えられないものを一生懸命変えようとしているからです。
それでもやめられないと、人はあたかも、その症状に振り回されて操作不能に陥った感じがします。自分にできることはない、と考えてしまいます。
でも実は、症状は「自分の人生が願っている方向にいってないよ」という身体のサインなのです。そのサインが出たら、「していること(行為)」「考えていること(思考)」を変えた方がいいですよ、というものなのです。
例えば、相手にNOを言わずに自分でため込むという「していること」、どうせ自分はだめだという「考えていること」、そんなことの積み重ねが、症状につながっているのかもしれません。
試しに、もっと落ち込むためにはどうしたらいいと思いますか?部屋の隅にうずくまって、過去の失敗や嫌なできごとを朝から晩まで毎日考えていたら、おそらくひどく落ち込むことができるでしょう。もっと落ち込むことができるのだとしたら、もっと元気になることも自分の選択でできるのです。
つらい、落ち込み、憂うつなどの感情は、すぐに自分では変えられません。でも、行為と思考は、自分で変えられるのです。
そんなに簡単に自分は変えられない、と思われるかもしれません。確かに、長い時間をかけて今の状態になったのだとしたら、明日からすぐに変わるのは難しいでしょう。
でも、「すぐには変わらない」「だから、何もしない」なのか、「だから、少しずつ変えていけばいい」なのかは選べます。
そして、その選択によって、1年後のセリフもきっと変わってきます。「相変わらず症状に振り回されています」「症状がすっかり消えた訳ではありませんが、充実した楽しい時間が少しずつ増えてきました」
変えられるものと変えられないものを見分け、変えられるものを変えていきましょう。
●profil●201307
筋金入りのネガティブ思考だった私は、違う考え方もできるようになるのに、約2年かかりました。今でも、とっさに浮かぶのはマイナスのこともありますが、それをプラスに言い換えて、楽になるという作業を頭の中でしています。