それぞれのエッセー[03]
明日にも実現できそうなこと
それぞれのエッセー[03]
明日にも実現できそうなこと
突然ですが、「死ぬまでに、一度でいいから、やってみたいこと」ってありますか?
超高級ホテルの一泊20万円のスイートルームに泊まってみたい~ とかですか?うーん、いいですね。貧乏性の私は、あまり魅力を感じません。ハードル高すぎます。
それよりも、60分全身マッサージとかいうものを一度でいいから、うけてみたいです。これなら、数千円で、実現できそうです。
「死ぬまでにやってみたいことって何だろう」って考えてみるのは ちょっと 楽しいです。ただし、無理難題は禁物、「明日にも実現できそうなこと」が条件です。
さて、私は、この歳になるまで(現在43歳です)、演劇というものを、「生(なま)」で、見てみたことがありませんでした。だから「生きているうちに、一度でいいから、見てみたい」と、ずっと思ってきました。
お芝居を見るなんて、結構簡単なこと、ネットで検索したら、やたら、あります。
どっかの劇団を適当に決めて、明日にでも行ってくりゃいいじゃん?って感じです。
ちっとも、難しいことではない、でも、それを40歳すぎになるまで、ずっと、やらないでいました。
先月、なんとなく新聞をめくっていると、ある劇団の広告が目にとまりました。不思議なもので、あ、これ、見に行こう、って気になりました。そして、重い腰をあげて、行ってきました。
小さな小さな無名の劇団の公演で、お客もまばらで、私は、最前列のど真ん中に座ることができて、目の前で、なまの演技を、見てきました。まるで、私一人のために演技してくれてるって 錯覚するほど役者さんたちと私は 近い距離でした。
目の前で、にんげんが、でっかい声をあげ、ドタバタ走り、わめき、一生懸命演技を していました。それを 私は なまで 見ました。
へえ~、これが、お芝居ってものなのね、なるほどね~
話の内容とか、演技レベルとか、そんなの、どうでもいいことでした。演劇というものを 知ることができました。
「死ぬまでにやってみたいこと」が ひとつ かないました。
それで、十分満足です。
心が 弱っていると
何もかも おっくうで 面倒くさくて家にとじこもってばかりです。何日も、外の空気を吸わないことも ざらです。
そんな 私が 電車にのって お芝居を 見に行くなんて、それはそれは 「すごいこと」 です。
普通の人からしてみれば簡単にできることが私にとっては、「死ぬまでにやってみたいこと」に なっています。死ぬまでになんて、おおげさな、と 笑われることだらけです。
でも 私にとっては どれも ものすごく エネルギーの要ることなんです。かといって、その気になれば、できないものでもない。
「やってみたいこと マイリスト」は、ひそかに あたためています。
恥ずかしくて人様に話せるようなものじゃありませんが、それを ひとつひとつ すべて かなえられたら、もう 思い残すことは ありません。
PS.摂食障害の私にとって、「究極のやってみたいこと」といえば、「食べ物に関してなんの罪悪感をもつことなく、好きなものを好きなだけ、食べてみたい、人と楽しくおしゃべりしながら、笑いながら、食べてみたい」
これができたら、ホテルのスイートルームなんか目じゃないです。
おしまい
●profil●201204
とってもシャイだけど、大胆。節約が大好きです。普段はパンツスタイルの私ですが、初めて通勤用に、“チュニック”なるものを買い込みました。我ながらなかなかナイスだと思います(笑)