YouTubeとニコニコ動画のAPIを用いたMisskeyBotを開発した話

さて私のことをだれやねんと思っている人も多いと思うので、ちょっと自己紹介させてください。

ぼすきーを始めとする様々なSNSに生息する学生です。

今年になってからやっと本格的にプログラミングを始めました。

今年になってから双葉湊音オタクになりました。

最近ボカロ曲を作り始めました。

最近絵の練習を始めました。

こんな感じです(雑)

一応リンク張っておきます。

ぼすきー：https://voskey.icalo.net/@hayapii_k

それでは今回作ったものを早速見ていきましょう。

今回作ったのは、「双葉湊音が登場するYouTube動画、ニコニコ動画をぼすきーに宣伝するBot」です。

今回利用したサービスは以下の通りです。

• Google Apps Script (GAS)

  • Google様のサービス。JavaScriptに似た言語を使用して、このBotのような簡易的なアプリが作れる。またGoogleスプレッドシード(表計算ソフト)とも連携できる。神。

  • https://www.google.com/script/start/

• Misskey API

  • Misskeyのノートを取得、作成、削除したり、リアクションを付けたりすることができるAPI。基本どこの鯖でも利用できる。

  • https://misskey-hub.net/ja/docs/for-developers/api/

• YouTube Data API

  • YouTubeの動画の検索の他、YouTubeの機能を自分のサイトに追加することもできる。

  • https://developers.google.com/youtube/v3?hl=ja

• ニコニコ動画 『スナップショット検索API v2』 

  • ニコニコ動画の検索などを行うことができるAPI。

  • https://site.nicovideo.jp/search-api-docs/snapshot

特に有料サービスは使っていないので、技術があれば誰でも気軽にできるでしょう。

ちなみにGASはGoogleアカウント、Misskey APIは任意のサーバーのアカウントが必要となります。

それでは、これからどのようにして作り上げたのかの解説をします。

まずはGoogleAppsScriptのページにアクセスして、新しいプロジェクトを作成します。

それでは、GASからMisskeyに投稿する方法を解説します。

が、これについてはすでに有識者が解説をさているので、以下のサイトを参考に作業をやってみてください。

【コピペでOK】GoogleAppsScriptを使ってMisskeyに投稿する方法 by なおしむ

できましたか？私はできませんでした。(は？)

ここで私はある問題を起こしてしまいます。

何故か実行できない.........

GAS「TypeError: Cannot read properties of undefined (reading 'server')」

こういうエラーが出たら、2310%実行する関数を間違えています。

上記のサイトでは、postToMisskey()という関数を作成しています。しかし実際にこれを実行するには、引数を与えなくてはなりません。私はこの関数を直接実行してしまったせいで、このようなエラーが発生しました。

このサイトの一番下の画像のソースコードでいうと、misskeytest()という関数を実行する必要があったのです。上の方にある「実行する関数を選択」から、misskeytest()という関数を実行しましょう。うまく投稿できているはずです。

皆さんはこれで、GASからMisskeyに投稿する方法を学ぶことができました。

しかし、Misskeyには他の機能もあります。ノート作成においても、例えば公開範囲を設定したり、アンケートを設定したり、様々な設定があります。

function postToMisskey(text,options) {

 return UrlFetchApp.fetch(

   `https://${options.server}/api/notes/create`,

   {

     'method': 'POST',

     'headers' : {'Content-Type': 'application/json'},

     'payload': JSON.stringify({ i: options.token, text: text})

   }

 );

}

function misskeytest() {

 postToMisskey('双葉湊音は可愛い。異論は認めない。',{server: 'voskey.icalo.net',taken: 'QAWSEDRFTGYHUJIKOLP'});

まず、Misskey Hubには"HTTP APIはすべてPOST"という記載があります。これは5行目の"method"というところに書かれています。こちらのサイトを参考にしてみてください(難しいところはガンガン読み飛ばしてOK)

次に、"要求ヘッダーにContent-Type: application/jsonを指定します。"という記載があります。これは6行目の"headers"というところに、"'Content-Type':'application/json'"というところに書かれています。たしかにヘッダーです。APIを使うには、要求ヘッダーというものが必要そうです。

次、"アクセストークンは、iというパラメータ名でリクエストボディJSONに含めます。"という記載。これは、7行目のpayloadに書かれています。アクセストークンはここに書け！ということです。

最後に、"ベースURLはhttps://{サーバーのドメイン}/apiです。"という記載。これは超ざっくり言えば「ここにデータを送ってね」という意味で、3行目に記載されています。これはまたあとで解説します。

という感じで、なんとなく理解していただけたでしょうか。とりあえず完全に理解できなくてもなんとなくでわかれば大丈夫です。正直私もよくわかりません。

さて次からが面白いところです。エンドポイント一覧(従来のMisskey Hub)にアクセスします。そして、絞り込みなどでnotes/createのページにアクセスしてください。

さて、notes/createのページにやってきました。....notes/createって、どっかで見たことありませんか？そう、さっきのーソースコードの3行目に

`https://${options.server}/api/notes/create`,

という表記があります。そう、ノートを作成するときには、/notes/createにPOSTする必要があるということです。そして、先頭にはoptions.serverなどと書いてありますが、これはベースURLを指します。Misskey Hubには"ベースURLはhttps://{サーバーのドメイン}/api"と書いてあります。よってノートを投稿するには、https://{サーバーのドメイン}/api/notes/createにPOSTすれば良いということです。ノートを削除するときにはnotes/deleteに、グローバルタイムラインを取得するときはnotes/global-timelineにPOSTします。さあ、盛り上がってきましたねえ！！！！！！

さて、では次に「パラメータ」を見ていきます。何やらよくわからない文字列が並んでいますが、大したことはないです。"text"というのをクリックしてみてください。"説明 ノートの本文。"と書かれています。

もうお気づきの方もいるでしょう。これは、ソースコード7行目のtext: textというのを表しています。パラメータに書かれているものを、'payload'の中に書けばいいということです！

例を上げます。visibilityパラメータを使用して、ノートの公開範囲をspecified(設定したユーザーのみ閲覧可)にするには、以下のように書きます。

function postToMisskey(text,options) {

 return UrlFetchApp.fetch(

   `https://${options.server}/api/notes/create`,

   {

     'method': 'POST',

     'headers' : {'Content-Type': 'application/json'},

     'payload': JSON.stringify({ i: options.token, text: text , visibility: "specified"})

   }

 );

}

function misskeytest() {

 postToMisskey('双葉湊音は可愛い。異論は認めない。',{server: 'voskey.icalo.net',taken: 'QAWSEDRFTGYHUJIKOLP'});

これで指定した人のみ閲覧することができるようになりました。Botのテストを行う時は、このように非公開でやりましょう！

という感じで、すごくなんとなくでざっくりでしたが、なんとなくを理解することはできたのではないかと思います。意外とこういう初心者向けの情報を書く記事少ないんだよなぁ。

プログラミングにおいて、なんとなくコピペに頼りがちですが、このように公式ドキュメントを読むとできることが一気に広がるのでぜひ読んでください。というかよく読んでください。

これで、みなさんはMisskey APIないしはAPI全般について、なんとなく理解できたと思いますので、ぜひいろんなことをやってみてください。

さて、Misskey APIについてはつい熱がこもってしまったので、だらだら話してしましたが、続いてYouTube APIについてです。

今回GASを使っていますが、GASとYouTube APIって非常に相性がよくて、Misskey APIみたいにめんどくさいことしなくても、もうYoutube.Search.listみたいにそれ専用の命令があるくらいです。もはやAPIじゃない

こちらも参考サイトがあるので、ソースコードをぱｋ参考にしていきましょう。

GASでYouTubeのデータを取得してスプレッドシートに表示する方法を解説！ マツキヨのブログ

※スプレッドシートは今回関係ないので、そこの部分は気にしないでください。

さて真ん中ぐらいにある「ラーメン」の検索結果を表示するプログラムはうまく動作したでしょうか。私は特に手こずることはなかったです。

さてこちらも先ほどと同じように、公式ドキュメントにアクセスしていきましょう。

https://developers.google.com/youtube/v3/docs/search/list?hl=ja

qというパラメータの説明を見てください。"q パラメータでは、検索するクエリ語句を指定します。"ということで、たしかにそうだなとおわかりいただけると思います。こちらもいろいろ試してみてください。

で、今回やりたいことは、YouTubeに今日公開された動画を取得するということです。これは、orderパラメータとpublishedAfterパラメータを使用することで実装できます。orderパラメータは、取得した動画を並び替えることができます。今回は新しい順に並び替えるようにします。publishedAfterは、指定した日時以降に公開された動画に絞り込むというものです。今回はこの日時を当日の0時0分0秒にすることで、今日公開された動画を取得するようにします。

publishedAfterの説明を見ると"RFC 3339 形式の date-time 値"とあります。なにこれおいしいの？

ここはggって調べます。ついでに当日の0時0分0秒の時間を取得するサイトも発見しました。

RFC3339形式の日付の取り扱いのコツ

【Javascript】今日の0時0分0秒の日付計算

とりあえず0時0分0秒の時間をとるものは関数にまとめます(だいぶひでぇ関数名ですが許して)。

function today_000() {

 var _d = new Date();

 var d = new Date(_d.getFullYear(), _d.getMonth(), _d.getDate(), 0, 0, 0);

 return d;

}

そして、これをRFC3339形式に変換するということなので

Utilities.formatDate(today_000(), 'JST', `yyyy-MM-dd'T'HH:mm:ssXXX`)

とすればいけますね。

最終的に「双葉湊音」の動画を取得するということで、以下のような関数に仕上げました。

function searchByKeyword() {

 const results = YouTube.Search.list('snippet', {

   q: '双葉 湊音',

   maxResults: 50,

   type: 'video',

   order: "date",

   publishedAfter: Utilities.formatDate(today_000(), 'JST', `yyyy-MM-dd'T'HH:mm:ssXXX`)

 });

 return results.items

}

いや〜非常に簡単ですね。ggればどうにかなりますし、それでも無理ならChatGPTという手もあります。素晴らしい世の中だ！

本当ならYouTubeだけにしようかなと思っていたのですが、ニコニコ動画にも「スナップショット検索API v2」というものがあるので、これも使ってみることにします。

今回は参考サイトが見つからなかったので、自力で頑張ってみます。

まずは公式ドキュメントへ。

https://site.nicovideo.jp/search-api-docs/snapshot

まずはヘッダー、User-Agentにアプリケーション名を入れて、クエリパラメータ、とりあえずqとtargetsと_contextが必須だからここに値を入れて、ひとまず実行！！！！

あれ！！！データがない！！！！！！おかしい！！！！！dataにデータがあるはずなのに！！！！！

帰ってきたdataはなぜか { } 。 一体なぜ？

...と思ったら、fieldsという、ヒットしたコンテンツのフィールドが設定されてなかった。なんでこれが省略可能なんだよ(怒

そして、今日のデータを取得するというのはfiltersパラメータでYouTubeと同じようにいじれる。日時はISO 8601形式。なにそれおいしいの？

とそんなこんなで、完成したソースコードがこちら。

function searchByKeywordNiconico() {

 return UrlFetchApp.fetch(

   `https://api.search.nicovideo.jp/api/v2/snapshot/video/contents/search`,

   {

     'method': 'GET',

     'headers' : {'User-Agent': 'Minato-bot'},

     'payload': {

       'q': '双葉 湊音',

       'targets': 'title,description,tags',

       'fields': 'contentId,title,startTime',

       '_sort': '-startTime',

       '_limit': '50',

       '_context': 'Minato-bot',

       'filters[startTime][gte]':Utilities.formatDate(today_000(), 'JST', "yyyy-MM-dd'T'HH:mm:ssXXX")

     }

   }

 )

}

この記事では、書くのがめんどくさくなってきたのでかなり省略しましたが、実際これがかなり手こずりました。疲れた。

さてこれでようやっとデータを入手できたので、文字を装飾してMisskeyに流す関数を作ります。

ところで、GASの文字列において、改行するにはどうすればよいでしょうか？

答えはエスケープ文字\nを使用します。というわけで早速投稿する文章を生成する関数を制作していきます。

https://auto-worker.com/blog/?p=1111

またMisskeyに投稿する上では、文字の装飾を使うと非常に良いです。Misskey.designにMFM&文字装飾マトメというページがありますので、参考にしてみてください。

ということで完成したソースコードがコチラ

function misskeyYoutube() {

 var youtubeItems = searchByKeyword();

 var sentence = "今日投稿された「双葉 湊音」の動画(YouTube)\n";

 if (youtubeItems==""){

   sentence = sentence + "\n今日投稿された動画はありません。"

 } else {

   for(let i = 0; i < youtubeItems.length; i++){

     sentence += "\n[" + youtubeItems[i].snippet.title + "](https://www.youtube.com/watch?v=" + youtubeItems[i].id.videoId + ")";

   }

 }

 sentence += "\n\n<small>投稿された動画はYouTube APIから取得したものであり、公認されたものではありません。また、双葉湊音と直接関係のない動画が表示されている可能性もあります。このBotは双葉湊音好きが運営している趣味の範囲のBotです。双葉湊音公式ではございませんし、公認されているものでもありません。管理者:Hayapii_k</small>";

 return sentence;

}

function misskeyNiconico() {

 var niconicoItems = JSON.parse(searchByKeywordNiconico());

 niconicoItems = niconicoItems.data

 var sentence = "今日投稿された「双葉 湊音」の動画(Niconico動画)\n";

 if (niconicoItems==""){

   sentence = sentence + "\n今日投稿された動画はありません。"

 } else {

   for(let i = 0; i < niconicoItems.length; i++){

     sentence += "\n[" + niconicoItems[i].title + "](https://nico.ms/" + niconicoItems[i].contentId + ")";

   }

 }

 sentence += "\n\n<small>投稿された動画はニコニコ動画 スナップショット検索API v2から取得したものであり、公認されたものではありません。また、双葉湊音と直接関係のない動画が表示されている可能性もあります。このBotは双葉湊音好きが運営している趣味の範囲のBotです。双葉湊音公式ではございませんし、公認されているものでもありません。管理者:Hayapii_k</small>";

 return sentence;

}

YouTubeとニコニコ動画でわけているあたり、なんか改善できそうな気がしますが、とりあえずこれで勘弁してください。

ということで全体コードが完成しました。以下がソースコード全体です。

...よし、なんとか完成しました。このBotを「みなとぼっと」と名付けます。

今はYouTubeとニコニコ動画の内容を宣伝するだけですが、今後は双葉湊音に関するイベントまで何日かを知らせたり、双葉湊音に関する情報を定期的に発信したりなど、より機能を充実させていきたいと考えています。なにかいい案があれば私に教えてください。

ということでいかがだったでしょうか。なんかめちゃくちゃ情報量あったような気がしますが、実際難しいことはしていません。

APIを用いることで、このような新しいサービスを作ることができます。APIを本格的に使ったサービスを作るのはこれが初めてでしたが、非常に楽しかったです。

今後もAPIを用いた様々なサービスを作っていけたらいいなと思います。

本記事によって、Misskeyやぼすきー、APIやプログラミングについて少しでも興味を持ってくれたら非常に嬉しいです。

最後に、ぼすきーAdvent Calender 2023の3枠目を作ってくださったいぬいぬさん(@InuInuGames)に感謝いたします。ありがとうございます！！！！！！