第2回(2024年3月18日)
京都市立芸術大学「団体交渉で根拠資料は公開しない、非公式な場であればハラスメント否認の根拠を提示してもよい」
第1回の団体交渉できょうとユニオンが要求した資料(京都市立芸術大学が本件を「ハラスメントとして認定できなかった」と判断するに当たって根拠とした調査資料)について、2月6日に京都市芸から、守秘義務の観点から根拠資料を提出できないとの返答があった。
3月1日にユニオンが京都市芸に再度連絡、「現時点で根拠資料を提示する責任があるのではないか」と指摘した。
第2回の団交冒頭、前回から引き続き争点になっている根拠資料の開示について意見が交わされた。京都市立芸術大学側の担当職員(以下、京都市芸職員)は守秘義務の観点から資料開示を行わないとする姿勢を崩さず、ハラスメント認定を巡る問題については、大学の制度に則った「不服申立て」だけがA氏/大学間における実効性のあるやりとりの方法であると、前回同様に主張した。また、一人の職員がハラスメント防止対策委員会からの公式説明ではなく、非公式な形であればA氏に対してのみハラスメント否認の根拠を説明できるとの新しい提案を持ち出した。
ユニオン側は当初から、A氏が申立を行った2件のハラスメント事案そのものに加えて、大学が申立に対し結論を出すのに2年もの歳月をかけ、その間、一度もA氏に進捗状況の報告がなかった点も問題視しており、どのようなスケジュールで調査、協議が行われたのかを示す資料は、大学のハラスメント対応が正当なものであったかどうかを知る上で重要な情報であることを指摘。
その上で、守秘義務や個人情報保護の観点で資料が出せないという論旨であれば、個人情報にあたらないであろう日付(各調査および各委員会の会合が行われた日付)やそれらの名目などを公開するよう要望した。
これに対し京都市芸職員は、本件に関わる記録資料を探すことからはじめることになるため、この場では日付なども含めて開示を約束することはできないと主張したが、ユニオンからの「会議録だったり聞き取りだったり(の日付と名目)、ということぐらいは出せるということ?」との問いには、京都市芸職員は「はい」と返答した。
京都市立芸術大学側が繰り返し要望している「不服申立」のプロセスへの移行については、ユニオン側から団体交渉と並行して「不服申立」を行う旨を伝えた。
非公式かつA氏本人のみになら、ハラスメント非認定の具体的な根拠を説明できるとの大学側の申し出に対し、ユニオンは、公式な立場と非公式な立場を恣意的に使い分ける京都市立芸術大学の体質そのものにガバナンス上の問題があり、申立書Bのハラスメントもそのような体質が主因の一つとなって発生したのではないかと指摘した。この点に関して京都市芸職員からは、A氏本人へのフィードバックがないという指摘を受けて提案したにすぎないと返答したが、ユニオン側が主張してきた申立人へのフィードバックの欠如を解決するためには、大学内の制度の是正によってフィードバックの実行を保証する必要がある。非公式な対応は、常に場当たり的で再現性が担保されず、事後的な検証も不可能な種類の活動であり、事態の改善に資するものではない。よってこの問題の解決には大学の内規に新たな条文を盛り込むことが必要であろうし、当然本件においても、大学からの公式なフィードバックが必要不可欠である旨を要望した。
またA氏は、京都市立芸術大学におけるハラスメント対応の窓口である相談員の執務実態についても大学側のガバナンス不足による問題が存在することを具体例をあげて指摘したが、京都市芸職員は「ハラスメント相談員としての研修はしているがスペシャリストではないので」と発言し、今後の対応については言及しなかった。
1回目の団交においてユニオン側が指摘していた「A氏に送付された労働条件通知書上の労働時間と本年度の勤務実態との齟齬」については、前回持ち帰って確認すると約束したにも関わらず京都市芸職員からの説明はなかった。