、
初明り筑波も加波も神の山 岩城 順子
事故地震竜の暴れる年始め 恵夢せとか
生まれたての光の中の福寿草 大西 惠
レトルトの七草粥手に被災地を思う 金子うさぎ
雑煮噛む白寿の母の大仕事 かわにし雄策
病室へ分け隔てなく初日差し 桑田 青三
初日ぴか富士山頂へ第一球 國分 三德
書初に九十の手習い半紙切る 小坪亭ゑん
ドローンの運びし賀状一軒家 小峰トミ子
初刷のあなたの決意声欄に 佐藤 花子
新年の光よ届け能登の海 佐藤 ポチ
法灯の闇美しき初比叡 島 さくら
元旦の朝刊ドサッ平和あれ 島田 啓子
人殺す国になるなと破魔矢買う 聖木 翔人
宿題の山いっぱいに年明ける 田 友作
元旦の地球一喝地震の島 濱本 寛
初旅や魚介ふんだんのっけ飯 原田 七惠
初春の一日一日を丁寧に 原田 洋子
初夢や月の模様に龍を見る 福島 雪雫
縁ありて絆結びし初昔 星野 戎吾
孫八人食う寝る遊ぶお正月 山下 宗翆
無事という声聞きたくて初電話 山戸 則江
2023年11月 浜風句会 句会報
浜風句会2023年4月会報
今月は、三木句会にいらした佐藤花子さんが初めて参加してくださいました! 「白俳句会・合同句集」のメンバンーでもあり、祝賀会でお目にかかっています。今後ともどうぞよろしくお願いします!
さらに嬉しいことに、今回、内藤ちよみ様から選句をいただきました。どうもありがとうございます!
さて、句会ですが、二句で大変な点数争奪戦?がありました! それぞれの句に点数が入るたびに「すごいねー」の声があちこちから。
最終的にはトップが青三さんの「全席が自由席です仏の座」で、なんと二十点。次いで三德さんの「種袋振れば未来の音がする」が十六点。そしてどちらの句も特選を四つずつ攫っています(私たちの分がない・・)。
もうひとつお知らせです。浜風句会の会員になっておられた太田酔子さんが、関西現代俳句協会主催の「第十回関西現代俳句大会」で一位の大会賞受賞と併せて秀逸賞も受賞されました! 同じ白の仲間として、うれしい限りです。
どなたに特選に選ばれたかは( )に示します。特選句の感想がまとまりましたら、後日ホームページに掲載しますので、そちらもご覧ください。
一 春光に「合同句集」地図の上 友作
二 一花落つ赤き椿の禍々し 花子
三 種袋振れば未来の音がする 三德
四 花冷えや覚えられない薬の名 啓子
五 物件は菜の花見頃空家有り 洋子
六 菜の花を摘み残しある老の畑 寛
七 地図にあるお伽の国の蜂の王 雄策
八 春霞日本の行末霞んでる 雪雫
九 行き行けど菜の花盛りゴッホの黄 トミ子
十 民主主義どこまでも菜の花畑 青三
十一 観覧車ひらり死角に鳥の恋 さくら
十二 さよならの代わり菜の花をひと抱え 則江
十三 菜の花も君に出会えて色を増す 博
十四 園長はピンクのリボン入園式 せとか
十五 ゆくゆくは桜二月に咲くのかも 翔人
十六 鳥雲に灰色の地図丸め持つ うさぎ
十七 初蝶を探して地図にない小径 順子
十八 菜の花やみんな帰って日は入りぬ ポチ
十九 春の陽を折り紙にして母待つ子 優
二十 色鉛筆菜の花一面描き出す ゑん
二一 菜の花や心乱るる齢かな 戎吾
二二 花菜畑空と口づけするところ 惠
二三 房総の鉄路歓迎の菜の花 宗翆
二四 春愁や覚えた名前ヌートバー 友作
二五 ぷつと吹く蒲公英の絮鼻の上 花子
二六 上げ底の厚化粧して四月馬鹿 三德
二七 菜の花はもっぱら食べます塩コショウ 啓子
二八 春の海挫折したバイエルをふと 洋子
二九 風光る練習船の帆が上がる 寛
三十 校庭の蛇口上向き卒業歌 雄策
三一 七度啼く雉の鳴き声今盛ん 雪雫
三二 陽炎の中行く夢二の黒い猫 トミ子
三三 春愁や側溝の蓋鉄格子 青三
三四 東京の地図の折り目にいそっぷ寓話 さくら
三五 菜の花が世間話に揺れている 則江
三六 嘘に嘘積み重ねてく4月馬鹿 博
三七 ひょいと上手い嘘をつけたよ四月馬鹿 せとか
三八 あいにくの雨の花時会いに行く 翔人
三九 鼓草自分の中に棲む少女 うさぎ
四十 愛犬を埋めたあたりに菜の花咲く 順子
四一 あの頃あの町へ行く地図がほしかった ポチ
四二 筍や掘る間もなくて育ちけり 優
四三 地図帳に埋もれる化石春嵐 ゑん
四四 山桜よれよれ兵士帰還せり 戎吾
四五 たけのこの炊いたん優しくなる吐息 惠
四六 亀鳴くや弁天池の甲羅干し 宗翆
四七 始まりはおなご先生泣かす春 友作
四八 行く春を烏が一羽空見上ぐ 花子
四九 地図で知る小さな町の桜散る 啓子
五十 卒業子「ママ」と「お袋」使い分け 洋子
五一 地図辿り桜の古刹逢瀬かな 寛
五二 春深しワインの寝息こもる蔵 雄策
五三 菜の花の今が盛りの河津岸 雪雫
五四 宇宙より文届きたる萬愚説 トミ子
五五 全席が自由席です仏の座 青三
五六 さみしくてもなくてもさあ菜の花パスタ さくら
五七 ふるさとは地図から消えて春惜しむ 則江
五八 複雑な地図を描いて布団干す 博
五九 遠足のどんじりついに泣きだして せとか
六十 忘れめや花浴びて乗る特攻機 翔人
六一 炎上し直ぐに虚ろうのか野火 うさぎ
六二 花冷や敏感になるぼんのくぼ 順子
六三 犬の背に桜ひとひら散歩道 ポチ
六四 風に授ける生命あり花ミズキ 優
六五 午後三時茅花食べつつ泥団子 ゑん
六六 葱坊主おおと手を挙げ男来る 戎吾
六七 ただ波を二人見ている復活祭 惠
六八 口角が明かす犯人鶯餅 宗翆
六九 菜の花に不良少女は帰らない 友作
七十 地図の上塗られし領土春ゆけり 花子
七一 花の宴ゴミ袋持ち耳鳴りも 啓子
七二 丸腰の首相の背黄砂降る 洋子
七三 姉妹して同じ制服門桜 寛
七四 春愁は瘡蓋絆創膏を貼る 雄策
七五 桜咲き外人客の富士絶景 雪雫
七六 花の雲背平にタワー増上寺 トミ子
七七 天国か地獄か暗渠花筏 青三
七八 山藤の絡まりやまぬDNA さくら
七九 国境を越えていきたい花筏 則江
八十 地図広げ君と夢みた春の奈良 博
八一 早々に投票済ませ花見酒 せとか
八二 冤罪といふ春陰の殺人者 翔人
八三 「ほな、いこか」赤い躑躅の投票所 うさぎ
八四 飛花落花人の棲まない一村に 順子
八五 ミモザ咲く今年は開かぬ館の窓 ポチ
八六 菜の花のお絵描き今はタブレット 優
八七 無人駅頬張る燕雨の下 ゑん
八八 職退きて雲遠ざかり月朧 戎吾
八九 体中すっかり染まる木の芽味噌 惠
九十 同じスーツ同じ出発新社員 宗翆
浜風句会203年5月のご案内
日時 5月20日(土)午後2時~
場所 神奈川県民センター 302号室
出句 四句
兼題 「青嵐」または「房」。提出句四句のうちの一句にどちら
かの題を入れて、惠宛てにお送りください。
締切 514日(日)厳守
3月句会の会報
PDFで閲覧、印刷はこちらをご覧下さい。
*********************************************** ***************************************
浜風句会二〇二三年三月会報
肌寒い雨のなか、十一人が集いました。
始めに、雄策さんから「白俳句会・合同句集」についてのみなさんの感想を送ってほしいというお願いがありました。句会に参加されなかった方からの感想もお待ちしています。よろしくお願いします。
さて、三月句会。トップは十一点の雄策さん(61番「望郷やキュンキュン剥がす春キャベツ」)でした。選んだ方は七人でしたが四人が特選にされました(四人とも女性!)。次いで九点が則江さんの5番「風船をいくつ失い青年期」と青三さの27番「踏青やされど戦車の轍かな」、八点はさくらさん(14番)と翔人さん(74番)でした。
今回の兼題(「風船」「輪」)では、たくさんの風船が登場しました。「風船」の方がいろいろな意味を込めやすかったのかもしれません。
一 絶ちきれぬ思いを空に紙風船 友作
二 ドーナツ盤聴こえる昭和の卒業式 ゑん
三 陽のめぐみ土のめぐみや蕗の薹 三德
四 紙ふうせん私を連れて大空へ 啓子
五 風船をロケットで撃つ馬鹿野郎 青三
六 風船をいくつ失い青年期 則江
七 雛を背にスマホ命の娘たち 洋子
八 風船を無理やり割って恋をなす 博
九 好きなのにプイと横向く黄水仙 トミ子
十 紙風船思いの丈を吹き込んで 翔人
十一 三月十一日海へと還る通過点 うさぎ
十二 雉の啼く浅川土手に春兆し 雪雫
十三 寿学級春の人気は『早春賦』 七惠
十四 野よ川よ街よ人よと花の雨 さくら
十五 行き先をスマホに委ね春惑う 優
十六 春日燦フォークダンスの輪の中に 順子
十七 春うらら脳腫瘍かとふと思う せとか
十八 赤風船空の割れ目を深くする 雄策
十九 友の輪を拡げて繋ぎ卒業す 宗翆
二十 風船よ一朶の雲と青い空 戎吾
二一 あやしげな風船浮かぶ青き宙 寛
二二 鳥帰る埴輪の巫女の物思い 惠
二三 彼岸まで渡れず帰る迷い道 友作
二四 風船にマシュマロ積めば横浜港 ゑん
二五 電報がとび込んで来てサクラサク 三德
二六 約束の三っつたまって待つ桜 啓子
二七 踏青やされど戦車の轍かな 青三
二八 春眠の底で輪ゴムが見つからぬ 則江
二九 積りそうだね僕はコーヒー君は 洋子
三十 重ね着を剥がす楽しみ夢にみて 博
三一 風船に似顔絵描く風船売り トミ子
三二 三・一一忘却の果て戦来る 翔人
三三 シンフォニー半音外すチューリップ うさぎ
三四 八の字の山は静かに春を呼ぶ 雪雫
三五 風船の膨らむを観る不思議顔 七惠
三六 急げ急げ京急電車さくら満つ さくら
三七 お浸しは恋に焦がれるつくしんぼ 優
三八 ふと誤字に気づいてしまう春炬燵 順子
三九 野遊びのスカートいつも短か過ぎ せとか
四十 醒めきって男が帰る野焼き後 雄策
四一 窓開けて光入れ替え春うらら 宗翆
四二 一輪挿し暗き茶室の黄水仙 戎吾
四三 対岸は露国華国や霾れり 寛
四四 積み木くずれそうな予感沈丁花 惠
四五 つくし摘む童のひとみ大宇宙 友作
四六 春疾風競争終えた犬橇軍 ゑん
四七 啓蟄の地鳴りゆっくり万歩計 啓子
四八 一月でぺんぺん草になりました 青三
四九 ふらここの揺れている間に上京す 則江
五十 丑三つの三人官女聞こし召す 洋子
五一 春の海投げた石の輪外国に 博
五二 バックミラーに写る風船さようなら トミ子
五三 啓蟄やコンクリートと鉄の街 翔人
五四 風船を抱いた俺らとハグをする うさぎ
五五 梅の花羽音吸い込み沈かなり 雪雫
五六 朧月爺はうとうと羽化最中 七惠
五七 修二会いまメビウスの輪の廻りだす さくら
五八 生卵ぽと~ん落ちた山笑う 優
五九 夢大きすぎて風船低く飛ぶ 順子
六十 新社員まず歯磨きと靴磨き せとか
六一 望郷やキュンキュン剥がす春キャベツ 雄策
六二 洗濯物部屋中に干し黄砂降る 宗翆
六三 子の許へ路地の明るき春の雨 戎吾
六四 ホワイトデー乗らなくなった一輪車 寛
六五 壁超える少女束にした風船 惠
六六 振り向かぬ春一番の無責任 友作
六七 口ずさむフォークソングの名残(なごり)雪
六八 春一番駐輪場の空き二台 啓子
六九 「春よ来い早く来い」英子極太 青三
七十 初蝶の来歴にある浅き傷 則江
七一 花衣そっと指輪を外しおく 洋子
七二 桜咲き君と僕との愛も咲き 博
七三 敵情視察する風船のらりくらり トミ子
七四 蕗の薹真実といふ苦きもの 翔人
七五 葱坊主一気に逆転大勝利 うさぎ
七六 Jupiterの輪が奏でるや春調べ 雪雫
七七 竜昇る西税務署の春の空 七惠
七八 999発車ベル春星限りなく さくら
七九 輪ゴムに束ねてひとつ陽春 優
八十 蛇穴を出て世俗にまみれおり 順子
八一 風光る登校の髪へソックスへ せとか
八二 それぞれに流刑地となり椿落つ 雄策
八三 夜桜の下で三味弾く君若し 宗翆
八四 瑠璃越の濡るる匂いの黄水仙 戎吾
八五 啓蟄の空を震わす戦闘機 寛
八六 恋すてふ大空に手を紫木蓮 惠
浜風句会二〇二三年四月のご案内
日時 四月十五日(土)午後三時~
場所 神奈川県民センター 三〇六号室
出句 四句
兼題 「菜の花」または「地図」。提出句四句のうちの一句に
どちらかの題を入れて、惠宛てにお送りください。
締切 四月九日(日)厳守
2023年2月 句会報 右の∨をクリックして下さい➡
オリジナル版(PDF)の閲覧・印刷は会員専用ページに掲載しました。
浜風句会2023年2月会報
県民センターが全館休館のため、レストラン「だん家」での句会。このお店での句会はいつも六~七人なので八人の予約でしたが、なんと十一名の方が! 椅子やテーブルを増やしてもらったりで大わらわでしたが、うれしい悲鳴です。大勢参加での句会はやっぱり楽しい!のひとこと。
今月は十二点(三德さん)、十点(友作さん)、八点(三德さん)がトップスリー。お二人に総選句数の一割以上持って行かれました! なお、友作さんには七点句、五点句もあり、合わせたらさらに・・・。
一 決別の口紅強く雪の朝 友作
二 豆まきの鬼が素直に出てくれぬ 三德
三 いさかいにやがて疲れて桜餅 啓子
四 花菜畑駆け抜けとめどなき多感 雄策
五 青春の味ほろ苦き蕗の薹 トミ子
七 春の雪面接試験待合所 寛
八 庭に鮫うむと兜太の面構 青三
九 大楠の枝葉を揺らし春疾風 七惠
十 老猫の鼻水凛々し面構え せとか
十一 冴え返る日をはね返す産声 洋子
十二 鉄塔の先端は冬帝の御座 順子
十三 耳すまし何処かで春が生まれてる 雪雫
十四 止める人なくて湯豆腐煮崩れる うさぎ
十五 A面愉しげB面嬉しげ牡丹雪 さくら
十六 流氷にロシアケーキを運び行く ゑん
十七 持ちすぎて面持てあまし朧月 ポチ
十八 夢にみた母を背負いて枯野行く 博
十九 冴え返る出船入船宿の窓 戎吾
二十 指圧に飛び散る宇宙冬花火 優
二一 節分や「痛い」「寒い」と鬼の面 宗翆
二二 面倒なことなどないさ竈猫 惠
二三 啓蟄に仮面の下から舌二枚 友作
二四 つべこべと言うためマスク外しけり 三德
二五 二ん月の空いっぱいに泰山木 啓子
二六 じゃんけんの鋏が掴む春の虹 雄策
二七 肉球も二の字の跡も雪明り トミ子
二八 あやまちをまたくりかえす鯨かな 翔人
二九 コハクチョウ群れを崩さず山越える 寛
三十 着ぶくれの女日日是好き日 青三
三一 瑠璃色の宙に三日月冴え返る 七惠
三二 おいでんか食う寝る遊ぼ瀬戸の春 せとか
三三 犬ふぐりリハビリの背に日のなごり 洋子
三四 冴え返る半生を振り返りいて 順子
三五 闇の海吹雪の中の灯が命 雪雫
三六 白檀の香り残りて冴え返る うさぎ
三七 哲学の道をほぐして山笑う さくら
三八 獺祭へ御神酒一升子規と飲む ゑん
三九 おまえもかふらふら町へ浮かれ猫 ポチ
四十 冬帽を目深にかぶり君憂う 博
四一 剥落の余寒募るや仁王門 戎吾
四二 冬兎迎え大地の母になる 優
四三 下萌えやヒグマは穴で出産中 宗翆
四四 縄飛びの輪に飛び込んで海越える 惠
四五 月幾らふくらすずめの電気代 友作
四六 冴え返る阿弥陀如来堂の中 啓子
四七 日脚伸ぶトーストパンの金の屑 雄策
四八 マスコミのフェイクニュースや冴返る トミ子
四九 国道沿いよくぞよくぞや蕗の薹 翔人
五十 読みさしの重ねてあるや春炬燵 寛
五一 砲弾が足りないそうだ牡蠣割女 青三
五二 おっとりの内は三角春気球 七惠
五三 霜柱高いレの音から溶ける せとか
五四 福笑い俳句の中で長らえる 洋子
五五 小面の目の奥にある春の闇 順子
五六 峠越えホワイトアウト迷い路 雪雫
五七 広島サミットしか見ていないクロッカス! うさぎ
五八 時刻表なぞる指先から吹雪 さくら
五九 教会場未明にオルガン冴返る ゑん
六十 春待つ君をそっと待つ者ここに ポチ
六一 雪女出で湯に出でて泣きとける 博
六二 春浅く峡のせせらぎモーツァルト 戎吾
六三 冴え返るただ一匹のメダカなり 優
六四 下萌えやマグマますます活発化 宗翆
六五 青年の瞳の奥の冬木立 惠
六六 顔出せば私の自由ふきのとう 友作
六七 法面に小雀着いて会議中 啓子
六八 朝練や面小手胴の息白し 雄策
六九 空を斬り面を打つ音寒稽古 トミ子
七十 ミャンマーの竪琴鳴り渡つてゲリラ 翔人
七一 ミサイルの落とす気球やシャボン玉 寛
七二 福は内格差拡大鬼は外 青三
七三 味噌仕込み後はゆるゆる時任せ 七惠
七四 春風やおもろいぞなも伊予ことば せとか
七五 それで日向ぼこの国になったとか 洋子
七六 いにしえを焼きつくさんと野火走る 順子
七七 冴え返る心音さえも吸い込まる 雪雫
七八 宿借りの如あっけらかんと転居 うさぎ
七九 春哀しひとつおぼえの漸近線 さくら
八十 牡丹雪編み上げブーツでチョコレート ゑん
八一 誘われてそぞろ宵闇の水仙 ポチ
八二 この面が憎しと思う冬の恋 博
八三 欠けたるや訃報つづきの冬の月 戎吾
八四 硝子戸に皆待ちぼうけ雪予報 優
八五 片栗の淡き紫慎ましく 宗翆
八六 君の目があったよ冬の大三角 惠
浜風句会二〇二三年三月のご案内
日時 三月十八日(土)午後二時~
場所 神奈川県民センター 一五〇二号室
出句 四句
兼題 「風船」または「輪」。提出句四句のうちの一句に
どちらかの題を入れて、惠宛てにお送りください。
締切 三月十二日(日)厳守
浜風句会2023年1月句会の句会報
オリジナルの形式(PDFファイル縦書き)で閲覧・印刷する場合はこちらをごらん下さい。
また、コンビニでオリジナル形式で印刷する場合はこちらをご覧下さい。
(⇑「こちら」の部分をクリック)
*********************************************************************************
浜風句会2023年1月句会会報
大寒の冷たい空気をものともせず、十二人の方が出席されました!久しぶりに雪雫さんが出席!
友作さん手作りの「浜風」句集、毎年作ってくださっていますが、今年もご持参くださり、出席の皆さまに手渡されました。こちらは欠席された方には後日、郵送されますので、楽しみにお待ちください。
星野戎吾さんが「俳句修業とパーキンソン病」を上梓され、こちらも出席の方に手渡されました。「白俳句会」「湯島句会」「浜風句会」についても書いてくださっています。
さて、句会。外は寒くても中では熱い合評です。みなさんの感想、意見疑問等さまざまあり、三時間あっても足りないくらい。
最高点は十点が一句(87番 雄策さんの句)でしたが、続く九点句が五句、八点句が一句でした。
一 松の内朝からゆったり檜風呂 友作
二 妖精が持ち上げきれない霜柱 啓子
三 初明り生命線を透かし見る 洋子
四 八十路来て今朝の達者や重ね屠蘇 寛
五 ふるさとに手袋だけが残される 則江
六 淀川にどうする鯨母を恋ふ トミ子
七 空掴むままに手袋燃えるゴミ 青三
八 どんと来い富士の一喝年明ける 三德
九 蜘蛛の糸九泉近く冬の雨 戎吾
十 革手袋かっきりとなんだか野生 さくら
十一 赤と黒一双くずれの手袋楽し 七惠
十二 初雀ポップコーンに集まれり せとか
十三 獏枕プッツン切れる糸電話 ゑん
十四 繋ぐ糸なく枯葎踏みにゆく うさぎ
十五 よく笑う君っていつも毛糸玉 惠
十六 手袋の片方落ちている日暮れ 順子
十七 プラカード持たぬ行進初詣 翔人
十八 すり減りし皮手袋の思い出も 博
十九 身の丈のゆるやかに伸び冬ぬくし 優
二十 孵卵器のふわっと灯る春隣 雄策
二一 日向ぼこ猫と遊びし毛糸玉 宗翆
二二 お正月兎に添え寝夢心地 雪雫
二三 手袋を一つずつした下校道 ポチ
二四 手袋のほつれ繕う母ありき 友作
二五 子の象も鼻突き上げて筆始 啓子
二六 ドクターの手袋の先細る脈 洋子
二七 太き糸燃え友は逝く雪の朝 寛
二八 東京を唯我独尊初鴉 則江
二九 帯締めてポンと叩いて初句会 トミ子
三十 まだまだと八十路の爺冬の蠅 青三
三一 見えない目にぬくもり見える初日の出 三德
三二 宵(よい)戎(えびす)言い値で買ひし茶髪ママ 戎吾
三三 恋語る星もあるべし枯木星 さくら
三四 部屋も彼もサイトで探す炬燵の娘 七惠
三五 また少し背丈縮んで去年今年 せとか
三六 初天神小三治師匠の飴と雨 ゑん
三七 吹越や何が平和かわからない うさぎ
三八 手袋の片方にだけある本音 惠
三九 頼られて踏ん張っている凧の糸 順子
四十 昭和の遺書渋谷スクランブル交差点 翔人
四一 新しき年の始めの夢の夢 博
四二 糸ほぐし自由自在の冬籠り 優
四三 足音を増やして大根太らせる 雄策
四四 水仙の便り届いた南房から 宗翆
四五 北国の庇の氷柱天狗櫛 雪雫
四六 絡まった赤い糸なら切っちゃえ切っちゃえ ポチ
四七 咳一つ遠ざかる人睨む人 友作
四八 糸屑を見ないふりして三が日 啓子
四九 AIを人間にする寝正月 洋子
五十 手袋を脱ぎて淑女とハグをする 寛
五一 不器用も器用もおりぬ年男 則江
五二 マスクより手袋多き落し物 トミ子
五三 寒鴉コンビニ袋二円也 青三
五四 床の間の一輪和む寒椿 戎吾
五五 九条は譲らぬ地軸冬ざくら さくら
五六 初売りの字体考察三が日 七惠
五七 艶々と餡掛けかぶら蒸し上がる せとか
五八 右左長靴脱げば雪達磨 ゑん
五九 鏡餅高くて小さくなりました うさぎ
六十 一文字の斜め千切り泣く準備 惠
六一 冬凪やゆっくり廻る観覧車 順子
六二 ハゼがまだ跳ねて仙台雑煮かな 翔人
六三 恋愛もめぐりめぐって年の暮れ 博
六四 遠い時間もここにあり凍み豆腐 優
六五 王朝の裳裾に触れて歌留多取る 雄策
六六 日常が女正月夫が言う 宗翆
六七 木枯や遠き邦から赤い糸 雪雫
六八 土の下春待つ命そこここに ポチ
六九 容赦なく無縁仏に雪積もる 友作
七十 手袋のままの祈りやlove&peace 啓子
七一 初日記妻と毒とを書き損じ 洋子
七二 手袋をとりて細きや膝のゆび 寛
七三 憂鬱を芯に巻き取る毛糸玉 則江
七四 寒夕焼北の原野を焦がしつつ トミ子
七五 枯野行くスーパー建設予定地 青三
七六 ぐい呑みの備前窯変年酒酌む 戎吾
七七 牡丹雪空の低さにはっとする さくら
七八 余白の美赤い椿のひとり言 七惠
七九 うたかたの早行き過ぎる冬の川 せとか
八十 寒鯉よ晴着を捨てて軍の庭 ゑん
八一 オンライン画面清めて初仕事 うさぎ
八二 抱擁のうしろ砕氷船進む 惠
八三 落葉踏む先人の声聞きながら 順子
八四 まったりと平和の威風鏡餅 翔人
八五 手をこすり暖簾くぐっておでん屋に 博
八六 太陽を貪りつくし切り干しの 優
八七 分別の揺らぐところへ足袋を脱ぐ 雄策
八八 こんなでも絵になるのよね冬木立 宗翆
八九 東北や素肌伝える初の姫 雪雫
九十 犬猫と駅伝応援寝正月 ポチ
浜風句会二〇二三年二月のご案内
日時 二月十八日(土)午後二時~
場所 当日は県民センターが全館休館のため使用できません。
場所の詳細は追ってお知らせします。
出句 四句
兼題 「冴え返る」または「面」。提出句四句のうちの一句に
どちらかの題を入れて、惠宛てにお送りください。
締切 二月十二日(日)厳守
新年の一句
PDFファイルです。右上の□と矢印のマークをクリックすると拡大されます。
スマホでご覧になる場合、画面をタップすると大きくして見えます。
浜風句会二〇二二年十二月会報
今年最後の句会には十二名が集いました。句会は午後一時から四時までですが、議論百出。時間制限がなければ、きっとさらに続いていたでしょう。ひとつの作品についてもさまざまな意見や感想があり、納得したり異論が出たり。あっという間の三時間でした。
みなさま、これからも切磋琢磨しつつ俳句を楽しんでまいりましょう! 来年もどうぞよろしくお願いいたします。
一 浜風や皆そっぽ向く歳の暮 三德
二 マスクして唇忘れラッシュアワー 友作
三 空色と水色の街クリスマス 啓子
四 濁世なる豊葦原に白鳥来 則江
五 蓑虫の明日は明日風任せ せとか
六 煩悩は獏に食わせて除夜の鐘 トミ子
七 唇のない顔ばかり冬椿 翔人
八 冬の薔薇かたくなに唇を噛む 青三
九 鯨啼く星座は廻るいっせいに さくら
十 唇の渇き落葉のモンマルトル 雄策
十一 肥後の守くるくる夫の柿すだれ 洋子
十二 お~い雲今日から師走の街を行く 惠
十三 鯨鍋熱きを啜りラプソディ 戎吾
十四 寒気団餃子の皮もやや固し 七惠
十五 堂々と馬走りゆく一茶の忌 博
十六 ぽろぽろぽろ口から零るる零余子飯 うさぎ
十七 唇の渇きを癒す冬の薔薇 順子
十八 太平洋戦艦大和と鯨泣く ゑん
十九 大海の鯨の見る夢なんの夢 ポチ
二十 海の秋ホバリングするヘリコプター 優
二一 クリスマスサンタは今年来るかしら 雪雫
二二 息白し犬の唇黒に映え 宗翆
二三 銀杏舞ふ上野の森のピカソ展 寛
二四 ドリブルの辿り着きたり大晦日 三德
二五 サッカーで隠す国会薄氷 友作
二六 競売の公告見入り年つまる 啓子
二七 命とは鯨の過ぎる間の輝き 則江
二八 海風を吸うた暖簾や河豚と汁 せとか
二九 カルメンの唇に咥えし紅き薔薇 トミ子
三十 冬のホームレス稼ぎの大半猫の餌 翔人
三一 葉の裏の淡き緑や冬椿 青三
三二 山の湯に雪積み文字積む私小説 さくら
三三 舞台暗転討ち入りの日の喉薬 雄策
三四 紅葉の山ふところに鯨幕 洋子
三五 凩の入口こちら側のドアー 惠
三六 チェンソー音のみ響き山眠る 戎吾
三七 飛び石に竦む足先暮れの秋 七惠
三八 ふぐ鍋をつつく一瞬幸せが 博
三九 昭和とは何だったのか開戦日 うさぎ
四十 残照を食べて熟れ行く木守柿 順子
四一 もう一枚代筆届け冬の虹 ゑん
四二 ウォーホルの唇連射する吐息 ポチ
四三 冷たさも一網打尽メダカ獲り 優
四四 コロナ禍で街は淋しく沈みゆく 雪雫
四五 鮟鱇や逆さに吊られ泣かないの? 宗翆
四六 駅中になじみ一軒おでん酒 寛
四七 血糖値高目の地球去年今年 三德
四八 永遠の愛だなんて嘘よ除夜の鐘 友作
四九 冬薔薇軒下低き旧街道 啓子
五十 泣き笑い全部まとめて根深汁 則江
五一 冬珊瑚覆い尽くすか東京湾 せとか
五二 稀に見る潮吹きくじら子を連れて トミ子
五三 返り花早めに遺言書けと言う 翔人
五四 凍て雲に火の見櫓のぽつねんと 青三
五五 冬の虹舐めて麒麟はらしくなる さくら
五六 雪起こし北の輓馬に火の匂い 雄策
五七 アボカドの種すくすくと風邪知らず 洋子
五八 言葉尻捕え損ねて勇魚の背 惠
五九 我が心うち見透かせり冬の月 戎吾
六十 健康軸の先にあるもの年新た 七惠
六一 今はもうちゃんちゃんこ着て家長なり 博
六二 「深海魚」残して逝った冬木の芽 うさぎ
六三 山茶花散ってしまってそれっきりの縁 順子
六四 冬薔薇を有馬記念に手向けたい ゑん
六五 もう君を待たぬと決めた冬の朝 ポチ
六六 逝く秋の車窓に惜しむ唱歌 優
六七 停電で苦しむ国の冬悲し 雪雫
六八 大掃除雲一つ無き冬の空 宗翆
六九 靴買ひて旅の雑誌の新年号 寛
七十 通販のCMうるさき歳の暮れ 友作
七一 唇を返し小銭を社会鍋 啓子
七二 唇を少し歪めて木枯し来 則江
七三 バナナ買う令和の冬の百均に せとか
七四 「ブラボー」と讃えし冬の八咫烏 トミ子
七五 四十三兆円ミサイルが撃つ寒鴉 翔人
七六 短日や余生いよいよ気忙しき 青三
七七 戦争に懲りない星に雪が降る さくら
七八 大いなる無口琵琶湖に雪しんしん 雄策
七九 「ここだけの話」も連れて忘年会 洋子
八十 唇を噛んだあの日は捨てました 惠
八一 八十路なる余生をあずけ根深汁 戎吾
八二 鯨ベーコン記憶を繰りて味思う 七惠
八三 冬の夜は唇重ね身も重ね 博
八四 週末は三浦に居ます竈猫 うさぎ
八五 寒灯や母の形見の鯨尺 順子
八六 割烹着大根おろして雪化粧 ゑん
八七 冬木立でたらめの歌道連れに ポチ
八八 鯨ほど貪欲な秋バーベキュー 優
八九 フットボールノンマスク客冬を蹴る 雪雫
九十 断捨離の効果覿面山眠る 宗翆
九一 大枯木月光暫しとどまれり 寛
浜風句会二〇二二年十一月会報
今回の句会では、うれしいニュースの報告から始まりました。十一月五日に開催された東京多摩地区現代俳句協会俳句大会で、浜風から三名の方が入選されました。詳細は浜風句会のホームページに掲載していますので、そちらをご覧ください。また、神奈川の大会では一名が入賞となっております。こちらは二十三日の開催なので、ホームページへの掲載は後日となりますので、楽しみにお待ちください。
兼題の「鍋」と「男」は、一読後、圧倒的に「鍋」が多いように感じましたが、数えてみれば十五対十二。「男」も健闘していました。
一 寒烏カンカンカーとアッケラカン 友作
二 草の実の飛んで飛んで太平洋 洋子
三 東京のネオンつれなし初しぐれ 三德
四 晩秋の友の無口にもう一軒 啓子
五 鍋奉行静かになりし女酒 戎吾
六 空気みず色男錆色初時雨 さくら
七 芋煮鍋盛った話の多きこと 七惠
八 わくわくと美男葛に添い寝する 雄策
九 幻の城に不偏の月紅き トミ子
十 秋晴や男が消える人類史 青三
十一 破れ蓮やってらんないこんな時 せとか
十二 大和菜もいれて仲良くキムチ鍋 寛
十三 熱燗であの世と契る夢の君 博
十四 鍋の中逃げる蒟蒻追う幼な 順子
十五 口中を豆がくすぐるずんだ餅 翔人
十六 鍋底の悔いこそげ取り芋煮会 則江
十七 茸狩り少々ドキドキ鍋囲む ポチ
十八 寄せ鍋だって同じよねLGBTキュ~ 優
十九 金木犀ジンジャエールとビスケット ゑん
二十 またたびの実が揺れ鍋島の末裔 惠
二一 保育所の男先生檸檬の香 うさぎ
二二 ETの返信を待つ野辺の秋 雪雫
二三 乗り遅れ焦る心に初時雨 宗翆
二四 湯冷めして止まらぬくしゃみメチャヤバイ 友作
二五 鍋奉行の前に鎮座す本しめじ 洋子
二六 おでん鍋突っつき合って合同句集 三德
二七 バーバリー男襟立て明日は冬 啓子
二八 我よりも長き影連れ冬の庭 戎吾
二九 満席です凍星荒星寒昴 さくら
三十 津軽路の林檎たわわに虹の内 七惠
三一 減塩の卓や紅葉は濃くなりぬ 雄策
三二 枯野行く足裏に明日の息吹あり トミ子
三三 小春日は庭に藁ゴザあの子いま 青三
三四 母ちゃんの背中はいつも小春の香 せとか
三五 猪鍋をつつく鞍馬の月明り 寛
三六 売り買いの掛け声高し酉の市 博
三七 山茶花の小道読経の声ひそか 順子
三八 マスクにスナク富裕な男の名は質素 翔人
三九 きざはしの一段ごとに冬に入る 則江
四十 軍鶏鍋を龍馬にあげたし京の冬 ポチ
四一 寝がえりを繰り返す海冬かもめ 優
四二 屋根裏で日記書き出す秋日和 ゑん
四三 カラフルな同居なんです冬珊瑚 惠
四四 小春日や少女の竹刀面一本 うさぎ
四五 秋風の逆さ富士消す小悪餓鬼 雪雫
四六 「鍋がいい」珍し望みその男 宗翆
四七 頼りない男の背中虎落笛 友作
四八 詫び状の乱筆うんぬん秋海棠 洋子
四九 レジの列あそこの家も今日は鍋 啓子
五十 冬の霧宙に浮きたる立石寺 戎吾
五一 ひとひらに昨日が滲む冬桜 さくら
五二 アラートや落葉にもぐる団子虫 七惠
五三 蜜柑よりまあるい陽射しおばあちゃん 雄策
五四 久に会う娘に誉められしこのコート トミ子
五五 茶の花を一輪挿さんウクライナ 青三
五六 林檎りんご丸齧りせよ勇気持て せとか
五七 夕日に泣くよに赤き残り柿 寛
五八 絵の具では出せない色の紅葉(もみじ)かな 博
五九 迂回して巡り合えたる男郎花 順子
六十 青年にマイナンバーは徴兵簿 翔人
六一 男女比は半々にして神無月 則江
六二 友と行く照葉眩しき高尾山 ポチ
六三 耳塞ぐ地球の悲鳴冬となり 優
六四 小春空あれは昭和の大道芸 ゑん
六五 走る男まっすぐで寡黙で冬麗 惠
六六 七五三やっと折り合いつける顔 うさぎ
六七 ほうとうの鍋を囲んでシメジ味 雪雫
六八 地震に犬部屋中駆ける冬の夕 宗翆
六九 栄誉賞拒んだ列聖オリオンに 友作
七十 別の顔の二つや三つ煙茸 洋子
七一 朝刊の連載終わり布団干す 啓子
七二 夢追ひて余生鎮まる冬日和 戎吾
七三 張り詰める空の哀しみ雪吊は さくら
七四 古希の秋月は球体と新発見 七惠
七五 大口を開けたあけびの虚言癖 雄策
七六 ジェンダーフリーの女郎花男郎花 トミ子
七七 故郷のことばかりかな石蕗の花 青三
七八 ねえ皆んないつか逝くのよ今年酒 せとか
七九 能登の鰤半身行き先決まりをり 寛
八十 その店のでかい熊手が歴史なり 博
八一 末枯野人厭いつつ深入りす 順子
八二 英子忌やたましい宇宙を駆け巡る 翔人
八三 真相を隠して茂る蔦紅葉 則江
八四 秋深しハッピーエンドが欲しいのさ ポチ
八五 この空はみんなのものよ皇帝ダリア 優
八六 酉の市そぞろ歩いた本因坊 ゑん
八七 麦の芽のつんつん空が近くなる 惠
八八 占いの今宵客あり寒葵 うさぎ
八九 秋迫りGO TO旅のほっかほか 雪雫
九十 富士眺む湖畔の宿や紅葉散る 宗翆
浜風句会二〇二二年十月会報
今回は、西見瑛子さんと高橋英巴(てるは)さんのお二人が、浜風句会に見学に来てくださいました! そして、選句もいただきました。ありがとうございます!
そして、久々に、加藤光樹さんから出句いただきました。
句会の結果は珍しく十点を超えた句はなく、八点三人、七点四人、六点七人、さらに五点・四点・三点の句も多く、分散しました。
一 天高しきりんの首をよじ登る 三德
二 鰯雲盗んだ黒猫叱られた さくら
三 露時雨ライの「国葬」密かなり 友作
四 秋桜に事情のあって右左 啓子
五 その生涯を懸命に語る蝉 洋子
六 人体の解剖図形芸術祭 トミ子
七 大花野遥々と来て迷いけり せとか
八 ニッポンの良いとこ探せ栗ごはん うさぎ
九 秋小寒目尻の黒子はやされて 順子
十 暗黒のパルスなるかなちちろ鳴く 青三
十一 笑栗や頂点極めひつじ雲 戎吾
十二 栗ご飯今日は一点豪華主義 七惠
十三 酔いどれのおみやはいつも天津甘栗 ポチ
十四 もう一度マロングラッセ黒砂糖 ゑん
十五 丁寧に説明すれど毒茸 翔人
十六 君がいて同じ景色ね赤蜻蛉 優
十七 ボス猿は秋の天辺らしく座す 雄策
十八 漆黒の仁王の眼秋灯下 寛
十九 無駄話母と2人で栗を剥く 博
二十 遺影からつい手が伸びる栗ご飯 則江
二一 混沌を生きてふわっと金木犀 惠
二二 和も洋もスイーツ多き栗実る 宗翆
二三 満月を質入れされてしまいけり 三德
二四 秋の蝉黙禱せよと言はれても さくら
二五 終電の窓の彼方の稲光 友作
二六 空高し黒い富士にもある威厳 啓子
二七 手負いの地球に今年も稲実る 洋子
二八 漆黒の猫の目の中今日の月 トミ子
二九 新蕎麦や美味しいものは美しい せとか
三十 長き夜の祖母と応援コブラツイスト うさぎ
三一 栗ごはん濃厚接触者の友へ 順子
三二 乱世や電線月に絡みつく 青三
三三 左見右見秋は秋なり南禅寺 戎吾
三四 白秋や未だ忘れじ彼の吟声 七惠
三五 夜の道匂いたどれば金木犀 ポチ
三六 石段に銀杏零れ茶碗蒸し ゑん
三七 温暖化煙の出ない秋刀魚たち 翔人
三八 状況依存は黒よ白粉 優
三九 葬終えて胡座の母やチンチロリン 雄策
四十 段丘を黒きSL蕎麦の花 寛
四一 秋山の大和秋篠飽き飽きし 博
四二 やい息子ここにいるぞと栗の毬 則江
四三 黄昏の金木犀銀木犀 惠
四四 秋草や木の葉の色は変わりつつ 宗翆
四五 霧湧きて霧に国境立ち尽くす さくら
四六 陰口を聞いてしまった栗はぜる 友作
四七 この栗のこのカタカタは関西弁 啓子
四八 黒髪を金髪にする文化の日 洋子
四九 これからは一人で生きよと栗の毬 トミ子
五十 黒葡萄爪染まるまで飽きるまで せとか
五一 敵味方同じ月見る風の果て うさぎ
五二 花野道遊び心をふくらます 順子
五三 本性を枯れて露わに烏瓜 青三
五四 秋日和星曼荼羅の静心 戎吾
五五 夢抱き日ごと膨らむ青蜜柑 七惠
五六 芒原風に波打つ狐の尾 ポチ
五七 戦場の草地にサフラン七分咲く ゑん
五八 竿振りたし荒川に鯊上るころ 翔人
五九 同情の涙は傲慢木通 優
六十 耳掃除する秋風の生まれたて 雄策
六一 百歳へ五臓浄める新走り 寛
六二 もみぢ葉の降り注ぐ中風がゆく 博
六三 眷属の黒子に徹す烏瓜 則江
六四 後の月わたくしは東京の栗鼠 惠
六五 黒髪をピンクに染めて秋フェスタ 宗翆
六六 美男かづら出自正しき花園神社 さくら
六七 オデッサの階段の悲劇カンナ咲く 友作
六八 秋の暮れ感謝感謝と言っておく 啓子
六九 ままごとの子供をさがす赤まんま 洋子
七十 小説を抜けた現世の黒い霧 トミ子
七一 白木槿主人無き家を護りをり せとか
七二 あの街は嫌いではない胡桃割る うさぎ
七三 秋愁を吐き出す自動販売機 順子
七四 霊感の強そうな白彼岸花 青三
七五 柿熟るる萩堀内の武家屋敷 戎吾
七六 鵙の贄やりかけの事あちこちに 七惠
七七 ロシアから今年も白鳥初飛来 ポチ
七八 秋の夜マリオネットが紬着る ゑん
七九 金木犀匂い重なる処ばかり 翔人
八十 惣菜はあなた任せの唐辛子 優
八一 黒白をつけず飯食う残暑なり 雄策
八二 彼の人とふと出会す栗拾い 寛
八三 螻蛄鳴いて心はいつも夜の闇 博
八四 栗の子の一度行きたし御堀端 則江
八五 鰯雲一緒に流れて行きましょう 惠
八六 秋夜長一句の思案が朝になり 宗翆
八七 紅葉のトンネル疾駆の傘寿旅 雪雫
八八 青空に紙飛行機の夢が飛ぶ 雪雫
八九 アン・ドゥ・トゥワ娘と踊る京の秋 雪雫
九十 栗を焼きドカンと撥ねるロシア夢 雪雫
九一 木々の色様々あれど末は枯れ 光樹
九二 秋閑か平らな水よこれぞ幸 光樹
九三 栗の毬垣根を越えてご挨拶 光樹
九四 末生りかわが家の庭の黒葡萄 光樹
浜風句会2022年9月会報
今月は久々に県民センターでの句会でした。台風の影響がかなり懸念されていたなか、十二人が元気な顔で集いました。句の解釈の違いなどもあり侃々諤々。やっぱり顔を突き合わせての句会はいいなぁと改めて感じました。
今回は十四点獲得の雄策さんがトップ、次いで十点の洋子さん、八点の啓子さんと続きました。
一 鶏頭は四五本あればそれで良し 友作
二 振袖の消せない狂気葉鶏頭 ちよみ
三 雷鳴や富士のお山の臍隠せ 三德
四 バス停の自販機裏から秋の風 啓子
五 黒葡萄箱の中身は平和 うさぎ
六 あなた~ぁ人生の秋実りつつ 雪雫
七 夕顔のほのと箱入り娘です 雄策
八 あのチョコの空箱が空蝉となる 青三
九 吾亦紅整理下手の箱大尽 七惠
十 帰省子の寄り道したり資料館 トミ子
十一 コスモスの明日は別の風が好き さくら
十二 失敗は次へのチャンス色鳥来 洋子
十三 今日もまた秋風が吹く家庭内 博
十四 使途有りと集めし空箱捨てる秋 宗翆
十五 生きてたか三年振りに咲く朝顔 せとか
十六 アマゾンの箱に猫丸まる秋の昼 ポチ
十七 花時計今日も無花果花曇り ゑん
十八 宿題の最終ページ枯れ向日葵 惠
十九 秋の夜半おもちゃ箱から声がする 順子
二十 国辱を国葬とするや鳥兜 翔人
二一 プーチンは俳句を詠むか鰯雲 寛
二二 秋風を小箱に詰めてプレゼント 友作
二三 訳あって箱の封切る鵙の昼 ちよみ
二四 しゃかりきの地球とわれら秋出水 三德
二五 鶏頭の赤より赤い詐欺電話 啓子
二六 ゴキブリは更に艶やか政治闇 うさぎ
二七 うんうんと妻はどの秋さまよえり 雪雫
二八 少年は鋭利な切り口の林檎 雄策
二九 かなかなかな発車ベルかなあの世への 青三
三十 コスモスや花占いつも愛してる 七惠
三一 白球や白河の関越えし夏 トミ子
三二 残暑ごと窯入れをする白薩摩 さくら
三三 葉鶏頭群れて謀反の時を待つ 洋子
三四 露天風呂手ブラで隠す夏景色 博
三五 十五夜やテレビで愛でる時勢かな 宗翆
三六 鶏頭やちょいと殴ってみとうなる せとか
三七 満月を求めてひとり夜の道 ポチ
三八 真夜中に宝石箱からモーツァルト ゑん
三九 箱庭の真ん中あたり曼殊沙華 惠
四十 鶏頭燃ゆオフィス街に人気無く 順子
四一 絶滅の危惧種もあらん虫時雨 翔人
四二 別れしな本音零れる萩の宿 寛
四三 横顔がかぐや姫になる月明かり 友作
四四 揚羽追い小諸まわりでイーハトーブ ちよみ
四五 秋澄みてここぞとばかり箱買いす 啓子
四六 秋の蝶国境ふわり行き戻る うさぎ
四七 八十の年を超えても秋疾駆す 雪雫
四八 図書館の時間に潜り込むちちろ 雄策
四九 青褪めて何かあったか塩辛蜻蛉 青三
五十 彼岸花気配を消すや向こう側 七惠
五一 猫じゃらしたまたま猫と出合いけり トミ子
五二 花野へと靴箱の靴鳴りはじむ さくら
五三 蓑虫のどんちゃん騒ぎ午前二時 洋子
五四 秋風を箱に詰め込み持ち帰り 博
五五 肉球を焦がす秋日や散歩待つ 宗翆
五六 重箱を下げて母来る運動会 せとか
五七 二学期の君はなぜか大人びて ポチ
五八 ビスケット二十世紀も同級生 ゑん
五九 一年ぶりの饒舌に会う鶏頭花 惠
六十 友はみな遠くなりたり夏の海 順子
六一 ちちろ鳴く感情一筋にあらず 翔人
六二 病む友の長きメールや稲光 寛
六三 あれやこれそれぞれの夏終わりけり 友作
六四 いたずらが好きで元気で瓢の笛 ちよみ
六五 到来のカボスどうする秋刀魚かな 啓子
六六 蓼の花「aibo犬」偏差値アップとか うさぎ
六七 オルゴール箱の奏でる宵待草 雪雫
六八 陰干しの背広の芯にある残暑 雄策
六九 蜩や年金額は如何ほどに 青三
七十 咲き切りますと遅れ朝顔の細い声 七惠
七一 パンドラの箱に躓き虹立てり トミ子
七二 赤蜻蛉あなたと歩む空広く さくら
七三 箱舟を見たよ見たよと鵙叫ぶ 洋子
七四 夏草の原城跡にひざまづく 博
七五 泣き暮れて翌朝(あした)の屍(かばね)秋の虫 宗翆
七六 天高し去勢の猫はよく眠る せとか
七七 沈黙の二人をつつむ虫時雨 ポチ
七八 酒一升十五夜傾く犬吠える ゑん
七九 いのこずち大好きだって言ったから 惠
八十 炎昼やボールの行方見失う 順子
八一 霊感の此世覆いて野分立つ 翔人
八二 千代尼塚野の花供ふ旅の人 寛
2022年8月浜風句会報
今月の参加は七人。途中から久々に友作さんが参加してくださいました。ご多忙の中、ありがとうございます。今月の最高点の十二点(しかも特選を三つも獲得!)の作者のご登場ということで、大拍手!
以下九点(一人)、八点(二人)、七点(三人)と続きます。点数は伸びなかった佳句、格調高い句、楽しい句、ちょっとわかりづらい句(言葉の選択の問題?)もありましたが、意見や質問など飛び交い、ときに脱線しながらも、賑やかな楽しい句会となりました。
※今月より原田えつ子さんが俳号を「原田七惠」と改められました。
一 ため息の秘密を隠す冷蔵庫 友作
二 ビキニ来て男全員目が点に 翔人
三 ぼくちゃんの水着天下の紙おむつ 三德
四 天の川薄墨で書く筆の跡 雪雫
五 盂蘭盆にバナナボートまっしぐら ゑん
六 色褪せた風鈴語る事多し 啓子
七 もう少し話がしたい七日目の蝉 トミ子
八 水着着て死の行軍や海遠し 青三
九 ヒロシマ忌セーラー服の眩し白 せとか
十 戦没の刻字を追ひつ墓洗ふ 寛
十一 大昼寝東京いつしか空っぽに 洋子
十二 大磯の派手派手水着よ老夫妻 戎吾
十三 新盆や客人の目で掃く座敷 七惠
十四 若き君水着コスプレ僕酔わす 博
十五 ギュウギュウにお肉押し込む水着かな ポチ
十六 代筆の便り届きぬ夏の果 順子
十七 プラカード右手は携帯扇風機 うさぎ
十八 絵付師のふわと筆擱く蝉時雨 さくら
十九 迷彩服の口紅にだって夏 優
二十 雲梯を渡る背中に夜の蝉 惠
二一 八月の空を掴んだままの影 雄策
二二 水着つけ大人の証ウフフふふ 友作
二三 灼熱もて厚化粧する百日紅 翔人
二四 籤運のいろいろあって糸みみず 三德
二五 待つ宵のずーっと昔の一人酒 雪雫
二六 甘い水キャラメル色の海水着 ゑん
二七 引き出しの値札の付いた水着かな 啓子
二八 啞蝉や沈思黙考日の暮るる トミ子
二九 干乾びた蚯蚓にだってあの世あり 青三
三十 梅干して声に張りあるひと逝けり せとか
三一 万緑を従え高し大野城 寛
三二 悪がきの筆頭はやつ水鉄砲 洋子
三三 月に打つ鬼太鼓響く佐渡の浜 戎吾
三四 天井の蝉箒で外へご案内 七惠
三五 汗と土ユニフォームから一途さを 博
三六 逆光にレースのスカートひるがえし ポチ
三七 炎天下無言で人とすれ違う 順子
三八 目も耳も口も達者よ水着干す うさぎ
三九 チャタレイを紙魚の完読したる跡 さくら
四十 黄昏のプールすべてを滑らかに 優
四一 夏空をすっと切り取り一筆箋 惠
四二 出来たての男前だよ天花粉 雄策
四三 決めてやる今年はこれで初水着 友作
四四 茄子の花意の伝わりて茄子の艶 翔人
四五 LINEにて横浜花火AR 雪雫
四六 名木に跨がる庭師花火待つ ゑん
四七 夏セールこっそり出かけ靴とパン 啓子
四八 瀬戸内の残照を浴び水着干す トミ子
四九 墓石にジュラ紀の気配青蜥蜴 青三
五十 睡蓮やあなたの朝の声が好き せとか
五一 一筆の五七五や滝飛沫 寛
五二 夏休み大人観察してごらん 洋子
五三 終演や花火師ぬっと浮かぶ闇 戎吾
五四 ハワイでと見栄を張りたる水着痕 七惠
五五 孑孑の如くに群れてコンサート 博
五六 炎昼や犬腹出して死んだふり ポチ
五七 蝉時雨くぐり抜ければ海がある 順子
五八 マラソンのゴールは見えず長崎忌 うさぎ
五九 かごめかごめ目を閉じないで敗戦日 さくら
六十 一筆の流れに涼を託そうか 優
六一 炎天や鉄鎖食い込む象の足 雄策
六二 蜘蛛の囲に明るい色の愚痴こぼす 惠
六三 幼子も尊厳まもる水着かな 友作
六四 終戦忌全員がマスク恐ろしき 翔人
六五 夜に咲き朝には帰るキスゲかな 雪雫
六六 群衆よマンボで踊る夏の果 ゑん
六七 猛暑日や一つ位は他人の為 啓子
六八 深山幽谷一匹の蝉ひろう トミ子
六九 徒長枝のスキャンダラスな真夏かな 青三
七十 笹の路蜘蛛に盗られて廻りみち せとか
七一 青柿やぐうばかり出す男の子 寛
七二 八月特集ずたずたにコマーシャル 洋子
七三 傘寿なり盧生の夢の夏の霧 戎吾
七四 蚊遣り香や年寄りに聴く養生訓 七惠
七五 鈴蘭と響く言葉で耳に音 博
七六 蓮の花次々と開く朝六時 ポチ
七七 有耶無耶をもてあそびいて明け易し 順子
七八 盆休み過去だけ眺め惚けたい うさぎ
七九 咲きながら白夜になっていく夕顔 さくら
八十 空の人柱だなんて敗戦忌 優
八一 天道虫父祖より継ぎし蒙古斑 雄策
八二 炎帝の笑顔にそっと目をそらす 惠
八三 捨てられぬ箪笥の肥やし古水着 宗翆
八四 「そんなもの」「うまい」に変わる冷し中華 宗翆
八五 制限無くとも晩夏のマスク 宗翆
八六 秋立ちて犬の食欲増してきて 宗翆
浜風句会2022年7月会報
今回は、星野戎吾(じゅうご)さんから出句と選句をいただきました。ありがとうございます。来月以降もよろしくお願いいたします。
さて、句会参加は八人。披講の後はいつものように鑑賞タイムです。好きな句について、またよく意味がとれない句・言葉についての質問など、それぞれ思い思いに発言。ときに脱線もしましたが、楽しい時を過ごしました。
ご多忙でご参加いただけなかった龍二さんからは事前に「助詞の使い方が間違っている句が多い」とのご指摘をいただきました。助詞一つ違っただけで意味合いが変わってしまいます。泥縄で出句する私など、注意せねば、と思った次第です。みなさまもお心に留めておいてくださいませ。
各作品の得点は会員専用ページでご覧いただけます。会員専用ページを閲覧する方法は「通信欄」ページで友作に問い合わせねがいます。
一 ライオンもビールに酔えば銀ブラに 友作
二 ミサイルの眼下ひまわり畑かな 翔人
三 前頭八つ切り西瓜贔屓とす 三德
四 キンキンの完熟トマト塩少々 啓子
五 願かけた七夕の竹乾きけり 博
六 愛おしき子を抱くように西瓜抱く トミ子
七 サングラス秘すべきものはなけれども 青三
八 平凡な形の昼寝戦ある 雄策
九 西瓜割思いのほかに溢るる黄 せとか
十 片陰を出て仕切り直しの一歩 洋子
十一 七夕に祈りを込めるウクライナ 雪雫
十二 S.М.L重なる向日葵届けたい ゑん
十三 西瓜泥闇に光る目ハクビシン ポチ
十四 118頁目で終わった命合歓の花 うさぎ
十五 縞をなお見極めて買う西瓜かな えつ子
十六 正しさなんてありゃしない西瓜割り 優
十七 君の背にロールシャッハ咲く夏片恋 さくら
十八 西瓜切る子等の視線の真ん中で 順子
十九 老二人愚痴聞き合ふや西瓜割り 戎吾
二十 緩急自在噴水の恋もよう 惠
二一 あめつちに絶えぬ争い天の河 寛
二二 焼き尽くすあの日の銀座いま酷暑 友作
二三 背に腹に子を抱き炎天ひたすらに 翔人
二四 恋しぐれ千々に乱れて熱帯夜 三德
二五 やわらかに傷む蝶番夏嵐 啓子
二六 夏草に抱かれ頰寄せ道祖神 博
二七 西瓜割り水平線も真っ二つ トミ子
二八 遠雷や思わせぶりに遠ざかり 青三
二九 海風が鈴生り伊予の早生蜜柑 雄策
三十 桐一葉父の掌からからと せとか
三一 髭面を少年にする大西瓜 洋子
三二 ロシアとは涼しい国と真逆なり 雪雫
三三 飛ぶ雲へ祇園祭の迷う道 ゑん
三四 川床涼み風に遊ばれ杯重ね ポチ
三五 「負けんばい」揺れて育った大西瓜 うさぎ
三六 必殺仕事人網が下りればビール時 えつ子
三七 炎帝や取説書の指南求む 優
三八 孤独という肩書あるらし網硝子 さくら
三九 平凡な生活に句読点の薔薇 順子
四十 夕立やバリトンの声伴ひて 戎吾
四一 大の字になって部屋中に風鈴 惠
四二 葉の陰に確かに一つ縞西瓜 寛
四三 空襲の記憶メラメラ炎天に 友作
四四 水着にてハグする媼少女めく 翔人
四五 網かつぎ寝ぐせ親子の夏休み 啓子
四六 二人してがぶりと西瓜種飛ばし 博
四七 今行くよ西瓜切ったと母の声 トミ子
四八 炎昼の「考える人」すっからかん 青三
四九 5Hで描くと幽霊らしくなる 雄策
五十 警備の網薄すぎる褥暑かな せとか
五一 アメリカを選んだ翔平八月来 洋子
五二 西瓜喰う喉の痛みやBA5 雪雫
五三 都合にて入道雲は休航中 ゑん
五四 我が犬は庭に穴掘り夕涼み ポチ
五五 アスパラ異母兄弟ぎゅっとテープに縛られて うさぎ
五六 熱砂にて地引網繕う老漁師 えつ子
五七 家庭的だなんて死滅語炎暑 優
五八 シャッフルしてシャッフルして夏明ける さくら
五九 ワンツースリー風を捕らえし捕虫網 順子
六十 藍暖簾守宮逆しま吉となり 戎吾
六一 一心に駆け抜け妹と西瓜 惠
六二 真昼間に銃撃の音旱梅雨 寛
六三 国境のない西瓜って美味しいね 友作
六四 ひと夜漬け皮しゃきしゃきと西瓜かな 翔人
六五 髪洗い鏡に母が月命日 啓子
六六 紫陽花の色さまざまに人もよう 博
六七 水泳を子に教わりし手の記憶 トミ子
六八 白紫陽花離れ座敷は薄明り 青三
六九 背伸びして港が見たい立葵 雄策
七十 梅花藻は触れてはならぬ清い花 せとか
七一 青蜥蜴たまにはゆっくり話そうよ 洋子
七二 五月雨や唄い終えたり雉の歌 雪雫
七三 作務衣着て照る照る坊主西瓜割 ゑん
七四 政治家も死ねば聖人夏の怪 ポチ
七五 背後から歳時記覗くアガパンサス うさぎ
七六 黄泉を知っているのか夏の蝶 えつ子
七七 炎昼の呆然自失平和ボケ! 優
七八 炎ゆる天「巨木伐採」次は何 さくら
七九 籐寝椅子うかうかとして小半時 順子
八十 余生なほ七転八起雲の峰 戎吾
八一 夏色を素肌に覚えさせており 惠
八二 あら荒と仕上げ構へる女郎蜘蛛 寛
今月は九人が集いました! 千葉組四人と神奈川組四人、ケンカしないように?東京からお一人。にぎやかな句会となりました。
今回の高点句は、さくらさんと惠が十一点、次いで翔人さんの十点でした。兼題では「皮」よりも「飛魚」の句の方が多く登場。元気に跳ねたり、恋をしたり。味が良いとのことでフライや刺身、お出汁にもなっています。
なお最高点の作者には有馬英子さんの直筆の色紙が贈呈されました。
一 エレミアの哀歌に覆われ梅雨に入る 友作
二 マスクとり笑えば別人顔佳草 翔人
三 明日のこと決めないと決めた夏帽子 さくら
四 魚屋に猫が賑わう梅雨晴間 三德
五 飛魚は一族郎党雑居好き 啓子
六 覚えてるスカート捲り子どもの日 博
七 飛魚や兄と飛ばした紙飛行機 トミ子
八 箸すっと皮なきごとし鰻重松 青三
九 立ち漕ぎの自転車虹になる少女 雄策
十 飛魚の兄も妹もスピード狂 洋子
十一 一斉に今日を追い越す燕魚 則江
十二 枇杷の皮ゆっくりと剥く紅い爪 うさぎ
十三 飛魚のフライ美味なり屋久島は ポチ
十四 南風吹いて益々空は丸うなる せとか
十五 郭公や友の見舞いを今日こそ 寛
十六 ソーダ水昔シロップ今焼酎 宗翆
十七 鹿皮の愚痴の聞こえるついりかな 順子
十八 阿を核に吽へ至りて大雹に えつ子
十九 ランランと歌え鈴蘭合唱団 ゑん
二十 海の星砕き遠泳の行跡 優
二一 雁皮紙の墨の濃淡虎が雨 惠
二二 飛魚の還らぬ浜に潜水艦 友作
二三 ダリアとともに弟生まれ家族定まる 翔人
二四 梅雨滂沱コーヒーはお代わり自由 さくら
二五 蟬しぐれ耳を澄ませば人しぐれ 三德
二六 いざこざはまっぴらごめんさくらんぼ 啓子
二七 飛魚が飛べなくなって後刺し身 博
二八 古疵のひとつやふたつ梅雨滂沱 トミ子
二九 昼顔の無用の用の並びたる 青三
三十 父の日やちびた消しゴムの感触 雄策
三一 酷暑への序奏静かにそぞろ雨 洋子
三二 だんまりの上手側から梅雨の入り 則江
三三 ¥$€¢㎞宇宙人より麦届く うさぎ
三四 月下美人家族集まり咲くを待つ ポチ
三五 六月の正座して聴く酒の唄 せとか
三六 飛魚や愛の刹那の波止場まで 寛
三七 偏食犬貪り食べる飛魚(あご)の出汁 宗翆
三八 スキップす茅花流しに逆らわず 順子
三九 飛魚や真っ青な海割り宙へ えつ子
四十 巻尺で計る飛魚水平線 ゑん
四一 お臍はいつ頃かしらデコポンの実 優
四二 黒ビール忘れた過去を呼び戻す 惠
四三 飛魚も恋人も超低空飛行 友作
四四 未婚の次女付けたき子の名はヘイワ 翔人
四五 紫陽花の角まで続く喪服列 啓子
四六 春の日をぐうたらに生き飯食らう 博
四七 ロボットの配膳よろし生ビール トミ子
四八 どくだみの薄闇淡く白十字 青三
四九 あめんぼうこの世に薄く繋がって 雄策
五十 蛍に誘われてふと手を繋ぐ 洋子
五一 舌の根の乾かぬうちの七変化 則江
五二 太陽の喝采浴びてつばめ魚 さくら
五三 マスコミの罪図書館の自由 うさぎ
五四 白子干ご飯にたっぷり三浦の昼 ポチ
五五 濃紫陽花清らに咲いてしどけなし せとか
五六 鐘一つ竹皮を脱ぐ山の寺 寛
五七 柴又の鯉の洗いや今一度 宗翆
五八 飛魚の飛翔あざやかなる夜明け 順子
五九 実梅の荷ほどいて捜す妖精たち えつ子
六十 フランス語初めて習うゼラニウム ゑん
六一 みんなして隠れているよ雲の峰 優
六二 飛魚の眼の奥に人の街 惠
六三 噴水の音の絶え間に本音聴く 友作
六四 水槽を国家と思う金魚かな 翔人
六五 玉ねぎの皮の輝き【深い河】 啓子
六六 母死すとメールの文字の寒き声 博
六七 青芝に忘れし句集風が読む トミ子
六八 微睡みの時空スライス閑古鳥 青三
六九 飛び魚の恋は四秒有頂天 雄策
七十 梅漬ける鳩寿のゴールドフィンガー 洋子
七一 千年の竹の皮脱ぐ御影堂 則江
七二 大空へ飛魚一直線の恋 さくら
七三 五月闇報じる人も富裕層 うさぎ
七四 廃屋の庭に紫陽花青く咲き ポチ
七五 飛魚の鋸山を飛び越せり せとか )
七六 緑陰やつい盗みたるほほにキス 寛
七七 ベランダが今日はリビング梅雨晴れ間 宗翆
七八 梅雨籠りひたすら回す万華鏡 順子
七九 迅雷に手早に作る夕餉かな えつ子
八十 一瞬に蛍火消えて幕降りる ゑん
八一 全ての履歴消去し飛魚 優
八二 手短にお願いします蛇の衣 惠
八三 白い花ドクダミなれど十薬なり 雪雫
八四 紫陽花のスカイラインの並木道 雪雫
八五 飛魚の追われる身にも技が出る 雪雫
八六 高級車革を使わず知恵遣う 雪雫
今月は、佐藤ポチさんが二年半ぶりに参加してくださいました。数カ月ぶりにせとかさん、先月に引き続き三德さんも来てくださり、男三人、女四人の句会となりました。
最高点は、九点を獲得した友作さん、雄策さん、さくらさんの三人。兼題は「キャベツ」「横」でしたが、大半の方が「キャベツ」を選ばれました。いろいろなキャベツの句を味わってください。
特選句の感想がまとまりましたら、後日ホームページに掲載しますので、そちらもご覧ください。
一 刻まれて山盛りキャベツ無抵抗 友作
二 春の虹天空いくさなく美しき 翔人
三 天空の裸快なり鯉のぼり 三德
四 五月晴れロールキャベツと決めて逢う 啓子
五 跳び箱を跳び薫風に乗り移る 雄策
六 軽トラにキャベツ積み上ぐ空青し トミ子
七 アスパラガスほきと手折れば初夏 さくら
八 葉一枚剥きてキャベツの素肌かな 青三
九 新妻はくきくき剥くよ新キャベツ せとか
十 涙は共通の言葉春よ来い 洋子
十一 黒猫や紫蘭かすめて五尺塀 えつ子
十二 春キャベツ重さ確かめカゴごろり うさぎ
十三 焼き鳥にザク切りキャベツ浜の午後 ポチ
十四 柴犬の胸焼け予防キャベツ飯 宗翆
十五 キャベツ刻みいて平和の音つくる 順子
十六 ハート型木工薔薇で愛燦燦 雪雫
十七 丸キャベツ単身赴任長引ける 寛
十八 始まりはビールでなけりゃ俺理論 優
十九 絨毯のキャベツ畑を右左 ゑん
二十 にじむ汗うなじに色気つい口を 博
二一 百円のキャベツも今朝は主役なり 友作
二二 皮むいて竹の子茹でおる平和かな 翔人
二三 おたまじゃくし俺もお前も似てるなあ 三德
二四 五月闇規矩の正しき人であれ 啓子
二五 緑陰やお点前の手に横恋慕 雄策
二六 乳吞み子の飲みっぷりよし若葉光 トミ子
二七 押さないで離陸を急かす春キャベツ さくら
二八 伽羅蕗やなんだか暗きことばかり 青三
二九 沖縄忌知らぬふりすな海は識る せとか
三十 潮干がり太平洋を五メートル 洋子
三一 大鍋の伽羅蕗とくと横揺すり えつ子
三二 蒲公英の書き出しじっくりゆっくりと うさぎ
三三 知らぬまに紫蘭咲く咲く庭の隅 ポチ
三四 海風がキャベツ育てる利根の端 宗翆
三五 横道にそれて卯の花腐しかな 順子
三六 耳すまし芽の出る音を感じ盗る 雪雫
三七 栗の花黙って過ぎる初デイト 寛
三八 さもありなんキャベツ畑の真実 優
三九 トンネルを抜けて夏場所酒祝い ゑん
四十 五月雨が過去を流してよみがえり 博
四一 ロールキャベツくびれ無くとも人気者 友作
四二 誰かと喋りたくて猫と喋る立夏 翔人
四三 かけがえのない時つかめ羽抜け鳥 啓子
四四 捕食後の静けさに消ゆ蟻地獄 雄策
四五 まだ歩くまだまだ歩く麦の秋 トミ子
四六 だいじょうぶおよいでいるよこいのぼり さくら
四七 枇杷の実や諸行無常のぼんやりと 青三
四八 カーネーションきゅっと家族を纏めけり せとか
四九 塾ピアノ塾塾部活こどもの日 洋子
五十 梔子や山高帽と出会いそう えつ子
五一 撃つな!君 たんぽぽに化けました うさぎ
五二 今日はずっと守宮居すわるウッドデッキ ポチ
五三 空の巣を見上ぐる軒下燕来ぬ 宗翆
五四 黙祷のそびらを過る青嵐 順子
五五 芍薬の優しき色に横になる 雪雫
五六 退院の早まる知らせ柿若葉 寛
五七 そんなはずじゃなかったの向日葵は 優
五八 今朝の夏一人ぼっちの鼓笛隊 ゑん
五九 コロナ禍も今年こそはと夏祭り 博
六十 帆船を眺めスクリュー・ドライバー 惠
六一 新緑に命を託す喜寿の朝 友作
六二 乳首の母となる日へ山桜桃(ゆすらうめ)
六三 目に青葉ひたひた走る横須賀線 啓子
六四 土筆坊敵も味方もすかんぴん 雄策
六五 母の日の夫は厨に長時間 トミ子
六六 なんじゃもんじゃ風の呪文が効いている さくら
六七 夏野原戦車すっきり焼け焦げて 青三
六八 山うどの体幹熾す苦さかな せとか
六九 息子の髪自由気ままや春キャベツ 洋子
七十 みそ汁の新キャベツに笑みの朝 えつ子
七一 デイゴ咲き高いフェンスのアメリカ うさぎ
七二 デイゴ咲きたりこの五月あの五月 ポチ
七三 御柱コロナで変化クレーン曳き 宗翆
七四 更衣して鬱屈を振り払う 順子
七五 山茶花の若葉の力気が弾く 雪雫
七六 句碑のかげ二人静や昼のキス 寛
七七 地球のうす皮を剥く潮干狩り 優
七八 路線バス岬めぐりの甘藍群 ゑん
七九 横のもの縦にもせずに春過ぎる 博
八十 希望って命って玉巻く芭蕉 惠
八一 大き轍を正当化して走り梅雨 則江
八二 風薫る横糸一本すっと抜く 惠
八三 蛇衣を脱ぐ人権が軽すぎる 則江
八四 心中を呼びそうな余花水曜日 惠
八五 グローバルなんて見せかけ麦の秋 則江
八六 母の日の特等席に眠り猫 則江
浜風句会二〇二二年四月会報
今月は久々に三德さんが出席してくださいました! 三德さんの解釈や添削等もうかがうことができ、また、みんなで意見も言い合って、一句の良さが改めて見えてきたり、改良点なども見えてきたりして、有意義な句会となりました。ちなみに、三德さんは、来月五日のお誕生日には卒寿になられるそうです。
今回の最高点は十点入った三句。青三さんの二句とせとかさんの一句。次いで三德さんの八点句となりました。
一 ウクライナ我等と共に春を待つ 雪雫
二 ご飯だよ呼ぶ声のする春夕焼 翔人
三 真っ新の頭揃って入学す 三德
四 空の空空一切に四月来た 啓子
五 春闘を知らぬ世代の異星人 友作
六 オデーサの階段100万本のひまわりを さくら
七 亀鳴くか鳴かぬか啜るたぬき蕎麦 雄策
八 寂庵の「寂」の丸石朧めく 青三
九 風光るオスカー高くまた高く 洋子
十 蛙鳴き周り見渡す見張り番 博
十一 いつも一緒蛙解剖した事も せとか
十二 雨上がる沈丁の香の茶席まで 寛
十三 漱石の三四郎来る白袴 トミ子
十四 春浅しやさしい色に心溶け えつ子
十五 手放して観覧車から石鹸玉 ゑん
十六 不動の石のごと昼蛙唖然 うさぎ
十七 石臼下野して蹲に飛び石 宗翆
十八 雨あがり犬大ジャンプ蛙のオシッコ ポチ
十九 おぼろの夜石垣が過去語りだす 順子
二十 やわらかな日差し菜飯のおにぎりと 惠
二一 締め切りはさておきパン焼き上げる 優
二二 КИЕВ街春風何処?露の無謀 雪雫
二三 値上げラッシュ年金航路の春嵐 翔人
二四 神様よなんでわたしは蟇やねん 三德
二五 復活祭いつもと同じBランチ 啓子
二六 すすり泣く調停室に月おぼろ 友作
二七 今日のこの浅蜊的嬉しさは何 さくら
二八 すみれ野に電車ごっこをして日暮れ 雄策
二九 都合よくフェイクになりぬ四月馬鹿 青三
三十 体内に潜む小石よ豆ご飯 洋子
三一 荷風忌や真似て安居で濡れに濡れ 博
三二 春風や先に行くねと友の声 せとか
三三 飛花落花白寿の恩師石仏 寛
三四 君という字にコロナの潜む春遠し トミ子
三五 牛蛙鳴きて一層遠い家 えつ子
三六 ぶらんことヨーヨー引き合う過去未来 ゑん
三七 本日キーウ3℃と聞けば春嵐 うさぎ
三八 凄惨なる情報日本は春雷 宗翆
三九 紅色や桃の花は十五の少女 ポチ
四十 遠蛙関東平野一望に 順子
四一 今日少し泣いております四月馬鹿 惠
四二 あんパンはしっとりが良い春霞み 優
四三 花咲かぬ瓦礫の石の黒い煤 雪雫
四四 亡き父の来て春愁を分かち合う 翔人
四五 留守がちの軒に無口な夕蛙 啓子
四六 つまずいた石ころ蹴飛ばす目借時 友作
四七 カエルはずるいやさしさのじわりプロ さくら
四八 ぶらんこの沖船長の憂愁よ 雄策
四九 憂き世にも隙間隙間に仏の座 青三
五十 斥候の目の片隅にクロッカス 洋子
五一 土筆出で頭に土の帽子かな 博
五二 花ふぶき望みの通り石手寺へ せとか
五三 邂逅に名前出てこぬ飛花落花 寛
五四 校門の桜満開散り急ぐなよ トミ子
五五 御下がりの茶色スカートでげんげ摘み えつ子
五六 石を持ち独活立ち上がる乱層雲 ゑん
五七 ポンポンポン白花タンポポを知る うさぎ
五八 柴犬の腹出す昼寝春暑し 宗翆
五九 吉高の大桜屹然と一本 ポチ
六十 春愁のひしめいている湖の底 順子
六一 さくらさくらまた一年の辛抱 優
六二 このごろは寂しさ募らせている缶切り 惠
六三 ロシアにも桜の花環贈ろうぜ 雪雫
六四 戦の夜キラキラキラキラ桜散る 翔人
六五 やっと春怖々うめる予定表 啓子
六六 ミサイルに怯える街の母子草 友作
六七 飛火落火ひまわり大群腕を組む さくら
六八 万葉の地に堕つひばり石舞台 雄策
六九 春愁の吐息は仏空也像 青三
七十 散るなんて思いもせずに咲く桜 洋子
七一 飛び石を義経の如蛙行 博
七二 花は葉に共に学びし東山 せとか
七三 洞抱へなほ咲きつなぐ桜かな 寛
七四 囀りの中見つけたり詩の欠片 トミ子
七五 野草図鑑見飽くことなし春日かな えつ子
七六 天国へ蛙は跳ねる草野心平 ゑん
七七 朝鮮「民主主義」人民共和国の亀鳴く うさぎ
七八 洗濯が1日で済む日永かな 宗翆
七九 三度目の静かな花見また今年 ポチ
八十 亀の看経濃厚な闇の中 順子
八一 九腸寸断蛙がいない 優
八二 違います違うの蛍烏賊の身投げ 惠
2022年3月の句会報 右のⅤをクリック➡➡
今月は五人参加の句会でした。特選を五つ集めた金子うさぎさんが十五点でトップです。友作さんも十点と健闘。
披講の後は「ゲルニカ」と「戦艦ポチョムキン」から話が始まり、好きな句、気になる句、表現が素敵な句、意味が取りづらかった句などなど、さまざま語り合いました。やはり句会は顔が見えて声が聞こえる方がいいね、早く皆さんと句会ができる日が来るといいね、と言い合いました。
一 侵す国あらがう国や鳥雲に 翔人
二 床に臥し千の家事のない男時間 えつ子
三 三月のどこかこちらへちんどん屋 三德
四 アクリルが絆さえぎる寒戻り 友作
五 なんとなく日脚に歩調合わせ春 啓子
六 バイクをも梅の香りに白く染む 雪雫
七 戦なきとよあしはらや菫草 青三
八 探梅や妣と座りし椅子探す トミ子
九 どの紙もひそとさざめく大試験 雄策
十 大仏のくちびるなぞる日永かな せとか
十一 「ゲルニカ」を眺める為の椅子ふたつ うさぎ
十二 もう待てぬ反戦ビラを春一番 さくら
十三 払っても払ってもきな臭いコート 洋子
十四 消費税0パーセント四月馬鹿 博
十五 君の椅子そっと座った卒業の日 ポチ
十六 梅に鼻くっつけ心身更新 優
十七 菫組タンゴ舞踊の卒業式 ゑん
十八 春愁や椅子の背もたれ頼りおり 順子
十九 いつか来し堤に一人菫草 寛
二十 春休みの公園老人は椅子 宗翆
二一 友だちか恋人なのか目刺し焼く 惠
二二 この日だけマスク外せよ三・一一 翔人
二三 菜の花や術後の白い二十時間 えつ子
二四 ちやほやのやがてお蔵やお雛様 三德
二五 今日限り椅子も泣いてる卒業式 友作
二六 口堅いベンチ二人で蓬餅 啓子
二七 そよ風に高尾の山の気が流る 雪雫
二八 陽炎やきつと戦艦ポチョムキン 青三
二九 風船が誘う新築即売会 トミ子
三十 爪切りの刃との相性日脚伸ぶ 雄策
三一 三月や忘れえぬ事忘れまじ せとか
三二 青麦に紛れ倅の戻りけり うさぎ
三三 青空よ寂しくないか桜満開 さくら
三四 うつらつら春愁を置くオットマン 洋子
三五 菫摘む幼児(おさなご)の瞳(め)も輝きて 博
三六 本日は雛壇でネコ身づくろい ポチ
三七 それであなた方はと瀕死の菫 優
三八 燕飛ぶ回転するのはブーメラン ゑん
三九 菫咲くあたり安全地域とす 順子
四十 川浚え帽子に摘める蕗の薹 寛
四一 春来る窓辺の犬の大あくび 宗翆
四二 猫足の椅子春眠のヒストリー 惠
四三 万作や選句に迷うお前もか 翔人
四四 たんぽぽや重湯の甘さしみじみと えつ子
四五 送料は無料です春一番 友作
四六 また今年置かれたとこに咲くすみれ 啓子
四七 霊山の日本遺産に春一番 雪雫
四八 梅饅頭死守するごとく堅き実が 青三
四九 子と蒔きし花種もはや十一年 トミ子
五十 花ほころぶ街に素顔の人を見ず 雄策
五一 蓬摘む摘むたび君を想いけり せとか
五二 放射能あの日のままのランドセル うさぎ
五三 海を詩に椅子にもたれる花ミモザ さくら
五四 レトルトに卵の踊るミモザサラダ 洋子
五五 せめてもの菫で造る金メダル 博
五六 ぶらぶらと頼朝桜保田の里 ポチ
五七 桜の群れに甦る目差しが 優
五八 春場所にでんぐり返すパンケーキ ゑん
五九 足湯してほぐるる心山笑う 順子
六十 バックミラー直し湘南うららけし 寛
六一 菓子屋の子里山遊びで蓬摘む 宗翆
六二 ゴロゴロと燕来る日の喉仏 惠
六三 待ちかねてスマホ群がる早桜 翔人
六四 あやかしの春の今宵は人間椅子を読み返す えつ子
六五 春一番ロシアの鬼はどうするの 友作
六六 やっと来た春だけど人は泣く泣く 啓子
六七 菫咲く草原背負い嗚紺碧 雪雫
六八 つるし雛おなごの願ひ数多かな 青三
六九 誠実といふ教壇に咲く白すみれ トミ子
七十 コトリとも受験の椅子は声挙げず 雄策
七一 椅子に余る手足伸ばして卒業す せとか
七二 ゆきずりの猫と花見てあと一句 うさぎ
七三 好奇心の針びゅんと桜鯛 さくら
七四 耳二つマスクするのは定めかも 洋子
七五 揺り椅子に春を感じて身を任す 博
七六 春いずこコロナコロナにウクライナ ポチ
七七 モノレール眺めベンチに春うらら 優
七八 隣国の白酒交わす歌声喫茶 ゑん
七九 春昼やそっと注ぎ足す薬草茶 順子
八十 彼もまた達者と聞けり青き踏む 寛
八一 桜鯛明石を慕う友在りし 宗翆
八二 春眠し点検中のエレベーター 惠
立春をとうに過ぎたとはいえ、空気がまだまだ冷たいなか、句会に参加したのは男女二人ずつの四人。披講のあとは各句に対してのご意見タイム。「ここがいい!」「こうしたほうがいいのでは?」「これはどういう意味?」などなど。続いての反省会も含め、あっという間の五時間でした。
一 靴底に踏まれた霜の鼓動きく 友作
二 深海魚すっくと立って天狼(シリウス)へ 翔人
三 夫の身を案じたこ焼きバレンタインの日 トミ子
四 豆まきやわたし鬼なのどっちなの 三德
五 いつもより強めに多く撒いた豆 啓子
六 よろしければ二人でお茶を雪女郎 さくら
七 抜け出たる嗣治の裸婦や小白鳥 青三
八 探梅や竹林抜けて和紙の里 寛
九 受験前にダンクシュートを決めておく 洋子
十 パステルの箱から春のこんにちは えつ子
十一 粉雪や舞いて眼に入るさった峠 ポチ
十二 コハクチョウのペア高得点を叩き出す うさぎ
十三 大都会頭抱える春の雪 宗翆
十四 白鳥の思案の首の長さかな 順子
十五 冬の首マスク代わりの真知子巻 雪雫
十六 春吹雪国旗を捨てて一歩ずつ ゑん
十七 白鳥は首をたてて見張り番 博
十八 耳澄ます眠りのなかに雪景色 優
十九 爪切りの刃と仲違い戻り寒 雄策
二十 牡丹雪こころをどこに飛ばそうか 惠
二一 公園に真白きマスクのホームレス 友作
二二 富士は雪トンガ海底火山大爆発 翔人
二三 我先に青天を突く冬木の芽 トミ子
二四 啓蟄だ出てこい不要不急たち 三德
二五 白鳥の自由ないのかもしれぬ 啓子
二六 静電気わたし伝いに冬のひまはり さくら
二七 下萌やうずたかきかな汚染残土 青三
二八 醬屋に柄杓置かるる寒の水 寛
二九 首長竜の眠る大地に雪起し 洋子
三十 瘦せ狐マッチの擦り香残し過ぐ えつ子
三一 猫と我フトン取り合い夜しんしん ポチ
三二 「ふぇッくしょーん」あれこれ纏め鬼やらい うさぎ
三三 受験生テスト済むまで聖職者 宗翆
三四 難解なパズルにアタック寒明ける 順子
三五 パシュートの大太腿にチカラ観る 雪雫
三六 シャボン玉残る写真と首輪だけ ゑん
三七 寝所を洋間に移し雛飾る 博
三八 卵ふわふわ朝食に春を呼ぶ 優
三九 白鳥の鼓動クロイツェル・ソナタ 惠
四十 生と死のコロナのひかり春氷柱 雄策
四一 「お母さん」里子の呼ぶ声吹雪く夜に 友作
四二 鯛焼を待つ人の目が鯛になる 翔人
四三 モジリアニ首にふわりと春ショール トミ子
四四 二ん月のスケジュール表【仮】ばかり 啓子
四五 ひとつ覚えの漸近線春哀し さくら
四六 憎しみをさらりと消しぬ春の雪 青三
四七 こうこうと白鳥の群帰り行く 寛
四八 啓蟄やウイルスに渡す袖の下 洋子
四九 街灯下白を極めて雪の舞 えつ子
五十 めずらしくショールの君は伏し目がち ポチ
五一 阪神淡路震災忌ヤカンを火に掛ける うさぎ
五二 首すくむ朝の散歩や春浅し 宗翆
五三 春立つや固き思考をもみほぐす 順子
五四 半管に宙舞う人の冬景色 雪雫
五五 白鳥と孤高のケミスト立ち昇る ゑん
五六 目覚めれば雪の白さが眼にしみて 博
五七 白鳥の密なる群れにある安堵 優
五八 枕絵の線の擦れも春驟雨 惠
五九 寒梅や離婚届に要る朱肉 雄策
六十 啓蟄やコロナ去ったか首を出し 友作
六一 晩酌が生きがいの友酒断ちぬ 翔人
六二 白鳥の容疑掛かるも身の白き トミ子
六三 玄関で水仙だけのおもてなし 啓子
六四 国境超えリンク一面舞う白鳥 さくら
六五 昭和へと玉砂利踏みぬ建国記念の日 青三
六六 F15海に墜落波の花 寛
六七 百均はプラの御殿ぞ冬薔薇 洋子
六八 布一枚首に巻きつけ鰤大根 えつ子
六九 白鳥に追われて知ったよアレは鳥 ポチ
七十 Gパンの穴から覗く春隣 うさぎ
七一 白鳥の離陸訓練あと何日 宗翆
七二 湖沈々白鳥瞑想して寝落つ 順子
七三 ラージヒル空飛ぶ選手鷲になる 雪雫
七四 前線のシベリア気団に寒戻る ゑん
七五 白鳥の白さの如く我も舞う 博
七六 空と境界線消したスケボー 優
七七 啓蟄やヒヒーンと馬の乳歯かな 雄策
七八 嘘ほんと混ぜこぜバレンタインデー 惠
2022年新年句会報 右のⅤをクリック➡➡
浜風新年句会は参加者五人(雄策さん、惠さん、さくらさん、うさぎさん、友作)でスタートしました。人数的には寂しいのですが、みなさんの声が聞き取りやすく、話も伝わりやすいという点では、良かったのかなと思います。ともあれ句会は楽しいので、早くみなさんと顔を突き合わせての句会ができる日が来るといいなと思っています。
今月は特に高得点という句は無く、最高点でも11点(惠さんの「幾晩も空と語りし凍み豆腐 」)でした。次に9点句が2句(洋子さんの「コロナ禍の証人となる寝正月」と友作の「マスクから内緒の話感染す」)で、8点句が1句(順子さんの「葱雑炊吹いて話の腰を折る」)でした。
一 答えなき夜をつないで年明ける 友作
二 去年今年母のオメガをそっと巻く 啓子
三 金箔へふっと息かけ女正月 さくら
四 白葱や鍋治めたり斜め切り 青三
五 雪女次の頁は溶けてをり トミ子
六 白髪葱水に放たれ遊びおり 洋子
七 脚線美見てよとばかり葱太し 翔人
八 待て待てと軍配のごと除夜の鐘 うさぎ
九 のっけからドスンと受け身初稽古 雄策
十 炬燵だし久に睦ぶや古時計 寛
十一 南極の氷原にある冬菫 ゑん
十二 外は雪君はまだ来ず時計見る 博
十三 薄皮をむけば真白や葱の姫 えつ子
十四 沈黙の時間を増やす雪月夜 惠
十五 今年来る何だかんだの果てに来る 順子
十六 ひびとひび繋ぎ幸い鏡餅 則江
十七 鍋の具の八方美人長葱や 宗翆
十八 たかが葱されど葱なり意思強固 友作
十九 初富士や中村哲のひげ笑う 啓子
二十 寒月光ソーラー時計の胸騒ぎ さくら
二一 寒椿白き花芽をひた隠し 青三
二二 断捨離の向こうに待つは春の夢 トミ子
二三 いつの間に人生の午後石蕗の花 洋子
二四 刹那とは0・1秒という句をメモす 翔人
二五 つゝましや論語唱えて深谷葱 うさぎ
二六 海の色かすれかすれて枯芭蕉 雄策
二七 大振りののママの袢纏町出初め 寛
二八 寒稽古七色振りつつ太うどん ゑん
二九 忙しくワイパー動き年の暮れ 博
三十 年寄りの路地と変わりて雪凍る えつ子
三一 毛糸編むボンボン時計を伴侶とし 惠
三二 愛おしきアナログ時計冬ごもり 順子
三三 手術着の水色薄き初氷 則江
三四 チクタクの音は何処に雪の朝 宗翆
三五 青きネギ離れ離れに売られ行く 友作
三六 自転車のカゴ突き出てる葱の青 啓子
三七 葱を剥くまだ捨てられぬ性善説 さくら
三八 落ちている手袋なぜか片手かな 青三
三九 鳩時計鳴くを忘れて寝正月 トミ子
四十 初ちょんぼ人のカートを押している 洋子
四一 寒夕焼突如乱雲天劫火 翔人
四二 宇宙から国境見えず浮寝鳥 うさぎ
四三 内海へオール漕ぎゆく姫はじめ 雄策
四四 数珠なりに寄り添い静か寒雀 寛
四五 漱石も見上げた寒月ハーモニカ ゑん
四六 こうやくを剥がし変えては秋の選 博
四七 初詣バイト巫女らの神籤売り えつ子
四八 今だからプラス思考の冬木の芽 惠
四九 葱雑炊吹いて話の腰を折る 順子
五十 薄氷を避けて源平古戦場 則江
五一 不変らし犬の喜ぶ雪こんこん 宗翆
五二 マスクから内緒の話感染す 友作
五三 初日の出善人のみの路線バス 啓子
五四 クイーンの塔寒月光へ気を許す さくら
五五 小気味よくざくざくざくと霜柱 青三
五六 雪搔きの子等におはよう歩道橋 トミ子
五七 コロナ禍の証人となる寝正月 洋子
五八 身の黒きつゆほど知らぬ猫に雪 翔人
五九 ベランダのすずなすずしろ七日粥 うさぎ
六十 初雀チュンチュンあたたかい憲法 雄策
六一 触れたいと想ふ人あり葱洗ふ 寛
六二 長崎へ歌留多届いて新幹線 ゑん
六三 古里の炬燵の中の夢は今 博
六四 一瞬の日差しに緩む冬木立 えつ子
六五 幾晩も空と語りし凍み豆腐 惠
六六 園小春笑顔の似合う人と居る 順子
六七 待ち人の不在そのまま年新た 則江
六八 神棚の孫に貰いしお年玉 宗翆
今年も会員のみなさまから新年の一句がよせられましたので、掲載します。右のⅤをクリック右のⅤをクリック
おおどかに胸のとんがり初筑波 今野 龍二
初春や明るき方へ歩を運ぶ 岩城 順子
福寿草お寺に嫁ご来るそうな 恵夢せとか
初凧に地球の色を聞いてみる 大西 惠
初夢や赤い靴履きどこまでも 金子うさぎ
初山河牛舎に息は濃く甘く かわにし雄策
酔い覚めの頭カラッポ初湯かな 桑田 青三
薬研堀掛けて山盛り大晦日 小坪亭ゑん
コロナ禍を綱渡りして年新た 小峰トミ子
年ごとに美意識薄れ鏡餅 澤村あざみ
人体に満ちる天体初日の出 島 さくら
いつか逢うそれまで続け年賀状 島田 啓子
初晴や一点翳りもなけれども 聖木 翔人
この星の涙で光る初日かな 田 友作
去年(こぞ)の暮れ悲し嬉し妻入院す 長谷川 博
正月や東西一緒に露天風呂 濱本 寛
ウイルスよさらばさらばと初詣 原田 洋子
於正月第二人生初仕事 福島 雪雫
孫指差し「ばあばのお顔」福笑い 山下 宗翆
窓細く開けて待ちます初便り 山戸 則江
去年今年100まで生きて何がめでたい U3