本ページは浜風句会の会員のみご覧になれます。
浜風句会二〇二三年三月会報
肌寒い雨のなか、十一人が集いました。
始めに、雄策さんから「白俳句会・合同句集」についてのみなさんの感想を送ってほしいというお願いがありました。句会に参加されなかった方からの感想もお待ちしています。よろしくお願いします。
さて、三月句会。トップは十一点の雄策さんでした。選んだ方は七人でしたが四人が特選にされました(四人とも女性!)。次いで九点が則江さんと青三さん、八点はさくらさんと翔人さんでした。
今回の兼題(「風船」「輪」)では、たくさんの風船が登場しました。「風船」の方がいろいろな意味を込めやすかったのかもしれません。
どなたに特選に選ばれたかは( )に示します。特選句の感想がまとまりましたら、浜風句会のホームページに掲載しますので、そちらもご覧ください。
一 絶ちきれぬ思いを空に紙風船 友作 七点(啓子)
二 ドーナツ盤聴こえる昭和の卒業式 ゑん 四点(雪雫)
三 陽のめぐみ土のめぐみや蕗の薹 三德 二点
四 紙ふうせん私を連れて大空へ 啓子 一点
五 風船をロケットで撃つ馬鹿野郎 青三 二点
六 風船をいくつ失い青年期 則江 九点
七 雛を背にスマホ命の娘たち 洋子 二点
八 風船を無理やり割って恋をなす 博
九 好きなのにプイと横向く黄水仙 トミ子 五点(三德)
十 紙風船思いの丈を吹き込んで 翔人 四点
十一 三月十一日海へと還る通過点 うさぎ 一点
十二 雉の啼く浅川土手に春兆し 雪雫
十三 寿学級春の人気は『早春賦』 七惠 一点
十四 野よ川よ街よ人よと花の雨 さくら 八点
十五 行き先をスマホに委ね春惑う 優 二点
十六 春日燦フォークダンスの輪の中に 順子 一点
十七 春うらら脳腫瘍かとふと思う せとか 一点
十八 赤風船空の割れ目を深くする 雄策 四点
十九 友の輪を拡げて繋ぎ卒業す 宗翆 二点
二十 風船よ一朶の雲と青い空 戎吾 二点
二一 あやしげな風船浮かぶ青き宙 寛 三点
二二 鳥帰る埴輪の巫女の物思い 惠 五点
二三 彼岸まで渡れず帰る迷い道 友作 一点
二四 風船にマシュマロ積めば横浜港 ゑん 二点(うさぎ)
二五 電報がとび込んで来てサクラサク 三德 二点
二六 約束の三っつたまって待つ桜 啓子 三点(トミ子)
二七 踏青やされど戦車の轍かな 青三 九点(友作)
二八 春眠の底で輪ゴムが見つからぬ 則江 一点
二九 積りそうだね僕はコーヒー君は 洋子 四点(さくら)
三十 重ね着を剥がす楽しみ夢にみて 博
三一 風船に似顔絵描く風船売り トミ子 一点
三二 三・一一忘却の果て戦来る 翔人
三三 シンフォニー半音外すチューリップ うさぎ 六点(ゑん)
三四 八の字の山は静かに春を呼ぶ 雪雫 六点
三五 風船の膨らむを観る不思議顔 七惠 一点
三六 急げ急げ京急電車さくら満つ さくら 二点
三七 お浸しは恋に焦がれるつくしんぼ 優 一点
三八 ふと誤字に気づいてしまう春炬燵 順子 七点
三九 野遊びのスカートいつも短か過ぎ せとか 二点
四十 醒めきって男が帰る野焼き後 雄策 六点
四一 窓開けて光入れ替え春うらら 宗翆 二点
四二 一輪挿し暗き茶室の黄水仙 戎吾 二点
四三 対岸は露国華国や霾れり 寛 三点(戎吾)
四四 積み木くずれそうな予感沈丁花 惠 三点(寛)
四五 つくし摘む童のひとみ大宇宙 友作 六点(優)
四六 春疾風競争終えた犬橇軍 ゑん
四七 啓蟄の地鳴りゆっくり万歩計 啓子 二点
四八 一月でぺんぺん草になりました 青三 二点
四九 ふらここの揺れている間に上京す 則江 二点
五十 丑三つの三人官女聞こし召す 洋子
五一 春の海投げた石の輪外国に 博 一点
五二 バックミラーに写る風船さようなら トミ子 三点
五三 啓蟄やコンクリートと鉄の街 翔人 四点
五四 風船を抱いた俺らとハグをする うさぎ
五五 梅の花羽音吸い込み沈かなり 雪雫
五六 朧月爺はうとうと羽化最中 七惠 三点
五七 修二会いまメビウスの輪の廻りだす さくら 二点
五八 生卵ぽと~ん落ちた山笑う 優 二点
五九 夢大きすぎて風船低く飛ぶ 順子 三点
六十 新社員まず歯磨きと靴磨き せとか 五点
六一 望郷やキュンキュン剥がす春キャベツ 雄策 十一点(則江・
順子・せとか・
七惠)
六二 洗濯物部屋中に干し黄砂降る 宗翆 二点
六三 子の許へ路地の明るき春の雨 戎吾 二点
六四 ホワイトデー乗らなくなった一輪車 寛 一点
六五 壁超える少女束にした風船 惠 一点
六六 振り向かぬ春一番の無責任 友作 七点
六七 口ずさむフォークソングの名残(なごり)雪 ゑん
六八 春一番駐輪場の空き二台 啓子
六九 「春よ来い早く来い」英子極太 青三 四点
七十 初蝶の来歴にある浅き傷 則江 三点
七一 花衣そっと指輪を外しおく 洋子 二点
七二 桜咲き君と僕との愛も咲き 博 一点
七三 敵情視察する風船のらりくらり トミ子 四点
七四 蕗の薹真実といふ苦きもの 翔人 八点(宗翆)
七五 葱坊主一気に逆転大勝利 うさぎ 三点
七六 Jupiterの輪が奏でるや春調べ 雪雫
七七 竜昇る西税務署の春の空 七惠 六点(洋子・雄策)
七八 999発車ベル春星限りなく さくら 一点
七九 輪ゴムに束ねてひとつ陽春 優 一点
八十 蛇穴を出て世俗にまみれおり 順子 三点
八一 風光る登校の髪へソックスへ せとか
八二 それぞれに流刑地となり椿落つ 雄策 四点(青三)
八三 夜桜の下で三味弾く君若し 宗翆
八四 瑠璃越の濡るる匂いの黄水仙 戎吾
八五 啓蟄の空を震わす戦闘機 寛 一点
八六 恋すてふ大空に手を紫木蓮 惠 二点(G)
浜風句会二〇二三年四月のご案内
日時 四月十五日(土)午後三時~
場所 神奈川県民センター 三〇六号室
出句 四句
兼題 「菜の花」または「地図」。提出句四句のうちの一句に
どちらかの題を入れて、惠宛てにお送りください。
締切 四月九日(日)厳守
浜風句会二〇二三年二月会報
県民センターが全館休館のため、レストラン「だん家」での句会。このお店での句会はいつも六~七人なので八人の予約でしたが、なんと十一名の方が! 椅子やテーブルを増やしてもらったりで大わらわでしたが、うれしい悲鳴です。大勢参加での句会はやっぱり楽しい!のひとこと。
今月は十二点(三德さん)、十点(友作さん)、八点(三德さん)がトップスリー。お二人に総選句数の一割以上持って行かれました! なお、友作さんには七点句、五点句もあり、合わせたらさらに・・・。
どなたに特選に選ばれたかは( )に示します。特選句の感想がまとまりましたら、浜風句会のホームページに掲載しますので、そちらもご覧ください。
一 決別の口紅強く雪の朝 友作 十点(啓子・雪雫)
二 豆まきの鬼が素直に出てくれぬ 三德 八点
三 いさかいにやがて疲れて桜餅 啓子 一点
四 花菜畑駆け抜けとめどなき多感 雄策 二点
五 青春の味ほろ苦き蕗の薹 トミ子 一点
六 面見えぬ人ぞろぞろとピカソ展 翔人 五点
七 春の雪面接試験待合所 寛 三点(トミ子)
八 庭に鮫うむと兜太の面構 青三 三点(七惠)
九 大楠の枝葉を揺らし春疾風 七惠 三点
十 老猫の鼻水凛々し面構え せとか 一点
十一 冴え返る日をはね返す産声 洋子 四点
十二 鉄塔の先端は冬帝の御座 順子 六点
十三 耳すまし何処かで春が生まれてる 雪雫
十四 止める人なくて湯豆腐煮崩れる うさぎ 七点(青三)
十五 A面愉しげB面嬉しげ牡丹雪 さくら 五点
十六 流氷にロシアケーキを運び行く ゑん
十七 持ちすぎて面持てあまし朧月 ポチ
十八 夢にみた母を背負いて枯野行く 博 一点
十九 冴え返る出船入船宿の窓 戎吾 四点(ゑん)
二十 指圧に飛び散る宇宙冬花火 優
二一 節分や「痛い」「寒い」と鬼の面 宗翆 二点
二二 面倒なことなどないさ竈猫 惠 五点
二三 啓蟄に仮面の下から舌二枚 友作 二点
二四 つべこべと言うためマスク外しけり 三德 十二点(順子・ポチ)
二五 二ん月の空いっぱいに泰山木 啓子 一点
二六 じゃんけんの鋏が掴む春の虹 雄策 六点
二七 肉球も二の字の跡も雪明り トミ子 二点
二八 あやまちをまたくりかえす鯨かな 翔人 一点
二九 コハクチョウ群れを崩さず山越える 寛 二点
三十 着ぶくれの女日日是好き日 青三 一点
三一 瑠璃色の宙に三日月冴え返る 七惠 三点
三二 おいでんか食う寝る遊ぼ瀬戸の春 せとか 三点
三三 犬ふぐりリハビリの背に日のなごり 洋子 四点(寛)
三四 冴え返る半生を振り返りいて 順子
三五 闇の海吹雪の中の灯が命 雪雫
三六 白檀の香り残りて冴え返る うさぎ 三点
三七 哲学の道をほぐして山笑う さくら 五点
三八 獺祭へ御神酒一升子規と飲む ゑん 三点
三九 おまえもかふらふら町へ浮かれ猫 ポチ 三点
四十 冬帽を目深にかぶり君憂う 博 三点(優)
四一 剥落の余寒募るや仁王門 戎吾 四点
四二 冬兎迎え大地の母になる 優
四三 下萌えやヒグマは穴で出産中 宗翆 二点(雄策)
四四 縄飛びの輪に飛び込んで海越える 惠 三点
四五 月幾らふくらすずめの電気代 友作 七点(G・うさぎ)
四六 冴え返る阿弥陀如来堂の中 啓子 一点
四七 日脚伸ぶトーストパンの金の屑 雄策 三点(さくら)
四八 マスコミのフェイクニュースや冴返る トミ子 一点
四九 国道沿いよくぞよくぞや蕗の薹 翔人 一点
五十 読みさしの重ねてあるや春炬燵 寛 三点
五一 砲弾が足りないそうだ牡蠣割女 青三 七点(洋子・三德)
五二 おっとりの内は三角春気球 七惠
五三 霜柱高いレの音から溶ける せとか 四点(惠)
五四 福笑い俳句の中で長らえる 洋子 六点(戎吾)
五五 小面の目の奥にある春の闇 順子 五点
五六 峠越えホワイトアウト迷い路 雪雫 三点
五七 広島サミットしか見ていないクロッカス! うさぎ
五八 時刻表なぞる指先から吹雪 さくら 七点
五九 教会場未明にオルガン冴返る ゑん 一点
六十 春待つ君をそっと待つ者ここに ポチ
六一 雪女出で湯に出でて泣きとける 博
六二 春浅く峡のせせらぎモーツァルト 戎吾 三点
六三 冴え返るただ一匹のメダカなり 優 一点
六四 下萌えやマグマますます活発化 宗翆 一点
六五 青年の瞳の奥の冬木立 惠 五点
六六 顔出せば私の自由ふきのとう 友作 五点
六七 法面に小雀着いて会議中 啓子 三点
六八 朝練や面小手胴の息白し 雄策 四点(友作)
六九 空を斬り面を打つ音寒稽古 トミ子 四点
七十 ミャンマーの竪琴鳴り渡つてゲリラ 翔人 一点
七一 ミサイルの落とす気球やシャボン玉 寛
七二 福は内格差拡大鬼は外 青三 二点
七三 味噌仕込み後はゆるゆる時任せ 七惠 一点
七四 春風やおもろいぞなも伊予ことば せとか 一点
七五 それで日向ぼこの国になったとか 洋子 四点
七六 いにしえを焼きつくさんと野火走る 順子 二点
七七 冴え返る心音さえも吸い込まる 雪雫 四点(宗翆)
七八 宿借りの如あっけらかんと転居 うさぎ 一点
七九 春哀しひとつおぼえの漸近線 さくら 四点(せとか)
八十 牡丹雪編み上げブーツでチョコレート ゑん
八一 誘われてそぞろ宵闇の水仙 ポチ 一点
八二 この面が憎しと思う冬の恋 博 二点
八三 欠けたるや訃報つづきの冬の月 戎吾 一点
八四 硝子戸に皆待ちぼうけ雪予報 優 四点
八五 片栗の淡き紫慎ましく 宗翆 一点
八六 君の目があったよ冬の大三角 惠 四点
浜風句会二〇二三年三月のご案内
日時 三月十八日(土)午後二時~
場所 神奈川県民センター 一五〇二号室
出句 四句
兼題 「風船」または「輪」。提出句四句のうちの一句に
どちらかの題を入れて、惠宛てにお送りください。
締切 三月十二日(日)厳守
浜風句会二〇二三年一月会報
大寒の冷たい空気をものともせず、十二人の方が出席されました!
友作さん手作りの「浜風」句集、毎年作ってくださっていますが、今年もご持参くださり、出席の皆さまに手渡されました。こちらは欠席された方にはご後日、郵送されますので、楽しみにお待ちください。
星野戎吾さんが「俳句修業とパーキンソン病」を上梓され、こちらも出
席の方に手渡されました。「白俳句会」「湯島句会」「浜風句会」につい
ても書いてくださっています。
さて、句会。外は寒くても中では熱い合評です。みなさんの感想、意見疑問等さまざまあり、三時間あっても足りないくらい。
最高点は十点が一句でしたが、続く九点句が五句、八点句が一句でした。
どなたに特選に選ばれたかは( )に示します。特選句の感想がまとまりましたら、浜風句会のホームページに掲載しますので、そちらもご覧ください。
一 松の内朝からゆったり檜風呂 友作 四点(雪雫)
二 妖精が持ち上げきれない霜柱 啓子 七点(G)
三 初明り生命線を透かし見る 洋子 九点
四 八十路来て今朝の達者や重ね屠蘇 寛 五点
五 ふるさとに手袋だけが残される 則江 五点
六 淀川にどうする鯨母を恋ふ トミ子 二点
七 空掴むままに手袋燃えるゴミ 青三 四点
八 どんと来い富士の一喝年明ける 三德 四点(せとか)
九 蜘蛛の糸九泉近く冬の雨 戎吾
十 革手袋かっきりとなんだか野生 さくら 二点
十一 赤と黒一双くずれの手袋楽し 七惠 一点
十二 初雀ポップコーンに集まれり せとか 四点
十三 獏枕プッツン切れる糸電話 ゑん 一点
十四 繋ぐ糸なく枯葎踏みにゆく うさぎ 四点(則江)
十五 よく笑う君っていつも毛糸玉 惠 九点
十六 手袋の片方落ちている日暮れ 順子 二点
十七 プラカード持たぬ行進初詣 翔人 五点
十八 すり減りし皮手袋の思い出も 博
十九 身の丈のゆるやかに伸び冬ぬくし 優
二十 孵卵器のふわっと灯る春隣 雄策 六点
二一 日向ぼこ猫と遊びし毛糸玉 宗翆 一点
二二 お正月兎に添え寝夢心地 雪雫 二点(七惠)
二三 手袋を一つずつした下校道 ポチ 五点(うさぎ)
二四 手袋のほつれ繕う母ありき 友作
二五 子の象も鼻突き上げて筆始 啓子 五点(ゑん・ポチ)
二六 ドクターの手袋の先細る脈 洋子 二点(優)
二七 太き糸燃え友は逝く雪の朝 寛 三点
二八 東京を唯我独尊初鴉 則江 九点
二九 帯締めてポンと叩いて初句会 トミ子 四点
三十 まだまだと八十路の爺冬の蠅 青三 三点
三一 見えない目にぬくもり見える初日の出 三德 三点
三二 宵(よい)戎(えびす)言い値で買ひし茶髪ママ 戎吾 二点
三三 恋語る星もあるべし枯木星 さくら 三点
三四 部屋も彼もサイトで探す炬燵の娘 七惠 五点(洋子)
三五 また少し背丈縮んで去年今年 せとか 八点(戎吾)
三六 初天神小三治師匠の飴と雨 ゑん 一点
三七 吹越や何が平和かわからない うさぎ 三点(青三)
三八 手袋の片方にだけある本音 惠 六点
三九 頼られて踏ん張っている凧の糸 順子 一点
四十 昭和の遺書渋谷スクランブル交差点 翔人 三点(宗翆)
四一 新しき年の始めの夢の夢 博
四二 糸ほぐし自由自在の冬籠り 優 三点
四三 足音を増やして大根太らせる 雄策 二点
四四 水仙の便り届いた南房から 宗翆
四五 北国の庇の氷柱天狗櫛 雪雫 五点(惠)
四六 絡まった赤い糸なら切っちゃえ切っちゃえ ポチ 五点
四七 咳一つ遠ざかる人睨む人 友作 三点
四八 糸屑を見ないふりして三が日 啓子 五点
四九 AIを人間にする寝正月 洋子
五十 手袋を脱ぎて淑女とハグをする 寛
五一 不器用も器用もおりぬ年男 則江 二点
五二 マスクより手袋多き落し物 トミ子
五三 寒鴉コンビニ袋二円也 青三 四点(雄策)
五四 床の間の一輪和む寒椿 戎吾 二点(博)
五五 九条は譲らぬ地軸冬ざくら さくら 四点(翔人)
五六 初売りの字体考察三が日 七惠 二点
五七 艶々と餡掛けかぶら蒸し上がる せとか 一点
五八 右左長靴脱げば雪達磨 ゑん
五九 鏡餅高くて小さくなりました うさぎ 二点
六十 一文字の斜め千切り泣く準備 惠 二点
六一 冬凪やゆっくり廻る観覧車 順子 一点
六二 ハゼがまだ跳ねて仙台雑煮かな 翔人 一点
六三 恋愛もめぐりめぐって年の暮れ 博
六四 遠い時間もここにあり凍み豆腐 優 三点
六五 王朝の裳裾に触れて歌留多取る 雄策 二点(さくら)
六六 日常が女正月夫が言う 宗翆 二点
六七 木枯や遠き邦から赤い糸 雪雫
六八 土の下春待つ命そこここに ポチ
六九 容赦なく無縁仏に雪積もる 友作 四点
七十 手袋のままの祈りやlove&peace 啓子 二点
七一 初日記妻と毒とを書き損じ 洋子 九点(トミ子)
七二 手袋をとりて細きや膝のゆび 寛 一点
七三 憂鬱を芯に巻き取る毛糸玉 則江 六点
七四 寒夕焼北の原野を焦がしつつ トミ子 一点
七五 枯野行くスーパー建設予定地 青三 一点
七六 ぐい呑みの備前窯変年酒酌む 戎吾 二点
七七 牡丹雪空の低さにはっとする さくら 六点
七八 余白の美赤い椿のひとり言 七惠 二点
七九 うたかたの早行き過ぎる冬の川 せとか
八十 寒鯉よ晴着を捨てて軍の庭 ゑん
八一 オンライン画面清めて初仕事 うさぎ 二点
八二 抱擁のうしろ砕氷船進む 惠 二点
八三 落葉踏む先人の声聞きながら 順子
八四 まったりと平和の威風鏡餅 翔人 九点(寛・啓子)
八五 手をこすり暖簾くぐっておでん屋に 博 二点
八六 太陽を貪りつくし切り干しの 優
八七 分別の揺らぐところへ足袋を脱ぐ 雄策 十点(順子・友作)
八八 こんなでも絵になるのよね冬木立 宗翆 一点
八九 東北や素肌伝える初の姫 雪雫
九十 犬猫と駅伝応援寝正月 ポチ 二点
浜風句会二〇二三年二月のご案内
日時 二月十八日(土)午後二時~
場所 当日は県民センターが全館休館のため使用できません。
場所の詳細は追ってお知らせします。
出句 四句
兼題 「冴え返る」または「面」。提出句四句のうちの一句に
どちらかの題を入れて、惠宛てにお送りください。
締切 二月十二日(日)厳守
浜風句会二〇二二年十二月会報
今年最後の句会には十二名が集いました。句会は午後一時から四時までですが、議論百出。時間制限がなければ、きっとさらに続いていたでしょう。ひとつの作品についてもさまざまな意見や感想があり、納得したり異論が出たり。あっという間の三時間でした。
みなさま、これからも切磋琢磨しつつ俳句を楽しんでまいりましょう! 来年もどうぞよろしくお願いいたします。
どなたに特選に選ばれたかは( )に示します。特選句の感想がまとまりましたら、浜風句会のホームページに掲載しますので、そちらもご覧ください。
一 浜風や皆そっぽ向く歳の暮 三德
二 マスクして唇忘れラッシュアワー 友作 二点
三 空色と水色の街クリスマス 啓子
四 濁世なる豊葦原に白鳥来 則江 一点
五 蓑虫の明日は明日風任せ せとか 四点
六 煩悩は獏に食わせて除夜の鐘 トミ子 七点
七 唇のない顔ばかり冬椿 翔人 三点
八 冬の薔薇かたくなに唇を噛む 青三 三点
九 鯨啼く星座は廻るいっせいに さくら 一点
十 唇の渇き落葉のモンマルトル 雄策 五点(雪雫)
十一 肥後の守くるくる夫の柿すだれ 洋子 一点
十二 お~い雲今日から師走の街を行く 惠 一点
十三 鯨鍋熱きを啜りラプソディ 戎吾
十四 寒気団餃子の皮もやや固し 七惠 五点(うさぎ)
十五 堂々と馬走りゆく一茶の忌 博
十六 ぽろぽろぽろ口から零るる零余子飯 うさぎ
十七 唇の渇きを癒す冬の薔薇 順子 四点(博)
十八 太平洋戦艦大和と鯨泣く ゑん 三点
十九 大海の鯨の見る夢なんの夢 ポチ 一点
二十 海の秋ホバリングするヘリコプター 優
二一 クリスマスサンタは今年来るかしら 雪雫 一点
二二 息白し犬の唇黒に映え 宗翆
二三 銀杏舞ふ上野の森のピカソ展 寛 三点
二四 ドリブルの辿り着きたり大晦日 三德
二五 サッカーで隠す国会薄氷 友作 五点
二六 競売の公告見入り年つまる 啓子 三点
二七 命とは鯨の過ぎる間の輝き 則江 三点(せとか)
二八 海風を吸うた暖簾や河豚と汁 せとか 一点
二九 カルメンの唇に咥えし紅き薔薇 トミ子 一点
三十 冬のホームレス稼ぎの大半猫の餌 翔人 一点
三一 葉の裏の淡き緑や冬椿 青三 一点
三二 山の湯に雪積み文字積む私小説 さくら 五点
三三 舞台暗転討ち入りの日の喉薬 雄策 三点
三四 紅葉の山ふところに鯨幕 洋子 四点(啓子)
三五 凩の入口こちら側のドアー 惠 三点
三六 チェンソー音のみ響き山眠る 戎吾 五点
三七 飛び石に竦む足先暮れの秋 七惠 三点
三八 ふぐ鍋をつつく一瞬幸せが 博
三九 昭和とは何だったのか開戦日 うさぎ 四点(青三)
四十 残照を食べて熟れ行く木守柿 順子 八点
四一 もう一枚代筆届け冬の虹 ゑん 一点
四二 ウォーホルの唇連射する吐息 ポチ 七点(さくら)
四三 冷たさも一網打尽メダカ獲り 優 一点
四四 コロナ禍で街は淋しく沈みゆく 雪雫
四五 鮟鱇や逆さに吊られ泣かないの? 宗翆
四六 駅中になじみ一軒おでん酒 寛 五点
四七 血糖値高目の地球去年今年 三德 四点
四八 永遠の愛だなんて嘘よ除夜の鐘 友作 二点
四九 冬薔薇軒下低き旧街道 啓子
五十 泣き笑い全部まとめて根深汁 則江 五点
五一 冬珊瑚覆い尽くすか東京湾 せとか 一点
五二 稀に見る潮吹きくじら子を連れて トミ子
五三 返り花早めに遺言書けと言う 翔人 七点(龍二)
五四 凍て雲に火の見櫓のぽつねんと 青三 三点
五五 冬の虹舐めて麒麟はらしくなる さくら 六点
五六 雪起こし北の輓馬に火の匂い 雄策 八点(せとか・寛
・ゑん)
五七 アボカドの種すくすくと風邪知らず 洋子 一点
五八 言葉尻捕え損ねて勇魚の背 惠 五点(優)
五九 我が心うち見透かせり冬の月 戎吾 四点(ポチ)
六十 健康軸の先にあるもの年新た 七惠
六一 今はもうちゃんちゃんこ着て家長なり 博 三点
六二 「深海魚」残して逝った冬木の芽 うさぎ 四点
六三 山茶花散ってしまってそれっきりの縁 順子 三点
六四 冬薔薇を有馬記念に手向けたい ゑん
六五 もう君を待たぬと決めた冬の朝 ポチ 三点
六六 逝く秋の車窓に惜しむ唱歌 優
六七 停電で苦しむ国の冬悲し 雪雫 二点
六八 大掃除雲一つ無き冬の空 宗翆 三点
六九 靴買ひて旅の雑誌の新年号 寛 二点
七十 通販のCMうるさき歳の暮れ 友作 二点(トミ子)
七一 唇を返し小銭を社会鍋 啓子 一点
七二 唇を少し歪めて木枯し来 則江 二点
七三 バナナ買う令和の冬の百均に せとか 一点
七四 「ブラボー」と讃えし冬の八咫烏 トミ子 二点
七五 四十三兆円ミサイルが撃つ寒鴉 翔人 二点
七六 短日や余生いよいよ気忙しき 青三 六点
七七 戦争に懲りない星に雪が降る さくら 五点
七八 大いなる無口琵琶湖に雪しんしん 雄策 十三点(順子・則江)
七九 「ここだけの話」も連れて忘年会 洋子 九点
八十 唇を噛んだあの日は捨てました 惠 三点(洋子)
八一 八十路なる余生をあずけ根深汁 戎吾 四点(七惠)
八二 鯨ベーコン記憶を繰りて味思う 七惠 三点(戎吾)
八三 冬の夜は唇重ね身も重ね 博 一点
八四 週末は三浦に居ます竈猫 うさぎ 四点
八五 寒灯や母の形見の鯨尺 順子 五点(友作)
八六 割烹着大根おろして雪化粧 ゑん 一点
八七 冬木立でたらめの歌道連れに ポチ 四点(三德)
八八 鯨ほど貪欲な秋バーベキュー 優
八九 フットボールノンマスク客冬を蹴る 雪雫
九十 断捨離の効果覿面山眠る 宗翆 六点(雄策・惠)
九一 大枯木月光暫しとどまれり 寛 二点
浜風句会二〇二二年十一月会報
今回の句会では、うれしいニュースの報告から始まりました。十一月五日に開催された東京多摩地区現代俳句協会俳句大会で、浜風から三名の方が入選されました。詳細は浜風句会のホームページに掲載していますので、そちらをご覧ください。また、神奈川の大会では一名が入賞となっております。こちらは二十三日の開催なので、ホームページへの掲載は後日となりますので、楽しみにお待ちください。
兼題の「鍋」と「男」は、一読後、圧倒的に「鍋」が多いように感じましたが、数えてみれば十五対十二。「男」も健闘していました。
どなたに特選に選ばれたかは( )に示します。特選句の感想がまとまりましたら、浜風句会のホームページに掲載しますので、そちらもご覧ください。
一 寒烏カンカンカーとアッケラカン 友作
二 草の実の飛んで飛んで太平洋 洋子 一点
三 東京のネオンつれなし初しぐれ 三德
四 晩秋の友の無口にもう一軒 啓子 十二点(うさぎ)
五 鍋奉行静かになりし女酒 戎吾 一点
六 空気みず色男錆色初時雨 さくら 一点
七 芋煮鍋盛った話の多きこと 七惠 七点(G)
八 わくわくと美男葛に添い寝する 雄策 六点
九 幻の城に不偏の月紅き トミ子 八点(七惠・啓子・ポチ)
十 秋晴や男が消える人類史 青三 三点
十一 破れ蓮やってらんないこんな時 せとか 三点
十二 大和菜もいれて仲良くキムチ鍋 寛 一点
十三 熱燗であの世と契る夢の君 博 三点
十四 鍋の中逃げる蒟蒻追う幼な 順子
十五 口中を豆がくすぐるずんだ餅 翔人 二点
十六 鍋底の悔いこそげ取り芋煮会 則江 四点
十七 茸狩り少々ドキドキ鍋囲む ポチ 一点
十八 寄せ鍋だって同じよねLGBTキュ~ 優 一点
十九 金木犀ジンジャエールとビスケット ゑん 一点
二十 またたびの実が揺れ鍋島の末裔 惠 二点
二一 保育所の男先生檸檬の香 うさぎ 六点(洋子・青三)
二二 ETの返信を待つ野辺の秋 雪雫 二点
二三 乗り遅れ焦る心に初時雨 宗翆 二点
二四 湯冷めして止まらぬくしゃみメチャヤバイ 友作
二五 鍋奉行の前に鎮座す本しめじ 洋子
二六 おでん鍋突っつき合って合同句集 三德 五点(惠)
二七 バーバリー男襟立て明日は冬 啓子 三点(雪雫)
二八 我よりも長き影連れ冬の庭 戎吾 四点(博)
二九 満席です凍星荒星寒昴 さくら 八点(順子・宗翆)
三十 津軽路の林檎たわわに虹の内 七惠
三一 減塩の卓や紅葉は濃くなりぬ 雄策 二点
三二 枯野行く足裏に明日の息吹あり トミ子 四点
三三 小春日は庭に藁ゴザあの子いま 青三
三四 母ちゃんの背中はいつも小春の香 せとか 六点
三五 猪鍋をつつく鞍馬の月明り 寛 二点
三六 売り買いの掛け声高し酉の市 博 二点
三七 山茶花の小道読経の声ひそか 順子 四点
三八 マスクにスナク富裕な男の名は質素 翔人 一点
三九 きざはしの一段ごとに冬に入る 則江 一点
四十 軍鶏鍋を龍馬にあげたし京の冬 ポチ 四点
四一 寝がえりを繰り返す海冬かもめ 優 三点
四二 屋根裏で日記書き出す秋日和 ゑん 二点
四三 カラフルな同居なんです冬珊瑚 惠 三点
四四 小春日や少女の竹刀面一本 うさぎ 四点
四五 秋風の逆さ富士消す小悪餓鬼 雪雫 一点
四六 「鍋がいい」珍し望みその男 宗翆 一点
四七 頼りない男の背中虎落笛 友作 二点
四八 詫び状の乱筆うんぬん秋海棠 洋子 三点
四九 レジの列あそこの家も今日は鍋 啓子 七点
五十 冬の霧宙に浮きたる立石寺 戎吾 三点
五一 ひとひらに昨日が滲む冬桜 さくら 三点(優)
五二 アラートや落葉にもぐる団子虫 七惠 八点
五三 蜜柑よりまあるい陽射しおばあちゃん 雄策 五点
五四 久に会う娘に誉められしこのコート トミ子 一点
五五 茶の花を一輪挿さんウクライナ 青三 三点(寛)
五六 林檎りんご丸齧りせよ勇気持て せとか 二点
五七 夕日に泣くよに赤き残り柿 寛 一点
五八 絵の具では出せない色の紅葉(もみじ)かな 博 二点(トミ子)
五九 迂回して巡り合えたる男郎花 順子 二点
六十 青年にマイナンバーは徴兵簿 翔人 四点(せとか)
六一 男女比は半々にして神無月 則江
六二 友と行く照葉眩しき高尾山 ポチ 一点
六三 耳塞ぐ地球の悲鳴冬となり 優 一点
六四 小春空あれは昭和の大道芸 ゑん 二点
六五 走る男まっすぐで寡黙で冬麗 惠 二点
六六 七五三やっと折り合いつける顔 うさぎ 五点(則江)
六七 ほうとうの鍋を囲んでシメジ味 雪雫
六八 地震に犬部屋中駆ける冬の夕 宗翆
六九 栄誉賞拒んだ列聖オリオンに 友作
七十 別の顔の二つや三つ煙茸 洋子 七点(友作)
七一 朝刊の連載終わり布団干す 啓子 三点
七二 夢追ひて余生鎮まる冬日和 戎吾 三点
七三 張り詰める空の哀しみ雪吊は さくら 二点
七四 古希の秋月は球体と新発見 七惠 一点
七五 大口を開けたあけびの虚言癖 雄策 十点(龍二)
七六 ジェンダーフリーの女郎花男郎花 トミ子 二点
七七 故郷のことばかりかな石蕗の花 青三 四点
七八 ねえ皆んないつか逝くのよ今年酒 せとか 四点
七九 能登の鰤半身行き先決まりをり 寛 六点
八十 その店のでかい熊手が歴史なり 博 四点
八一 末枯野人厭いつつ深入りす 順子 四点
八二 英子忌やたましい宇宙を駆け巡る 翔人 七点(戎吾)
八三 真相を隠して茂る蔦紅葉 則江 八点
八四 秋深しハッピーエンドが欲しいのさ ポチ 二点
八五 この空はみんなのものよ皇帝ダリア 優 五点(雄策・さくら)
八六 酉の市そぞろ歩いた本因坊 ゑん
八七 麦の芽のつんつん空が近くなる 惠 五点
八八 占いの今宵客あり寒葵 うさぎ 六点(ゑん・三德)
八九 秋迫りGO TO旅のほっかほか 雪雫
九十 富士眺む湖畔の宿や紅葉散る 宗翆 一点
浜風句会二〇二二年十月会報
今回は、西見瑛子さんと高橋英巴(てるは)さんのお二人が、浜風句会に見学に来てくださいました! そして、選句もいただきました。ありがとうございます!
そして、久々に、加藤光樹さんから出句いただきました。
句会の結果は珍しく十点を超えた句はなく、八点三人、七点四人、六点七人、さらに五点・四点・三点の句も多く、分散しました。
一 天高しきりんの首をよじ登る 三德 八点
二 鰯雲盗んだ黒猫叱られた さくら 三点(雪雫)
三 露時雨ライの「国葬」密かなり 友作
四 秋桜に事情のあって右左 啓子 四点
五 その生涯を懸命に語る蝉 洋子 五点(順子・ポチ)
六 人体の解剖図形芸術祭 トミ子 四点
七 大花野遥々と来て迷いけり せとか 三点
八 ニッポンの良いとこ探せ栗ごはん うさぎ 六点(青三)
九 秋小寒目尻の黒子はやされて 順子 一点
十 暗黒のパルスなるかなちちろ鳴く 青三 三点(七惠)
十一 笑栗や頂点極めひつじ雲 戎吾
十二 栗ご飯今日は一点豪華主義 七惠 五点(博)
十三 酔いどれのおみやはいつも天津甘栗 ポチ 二点
十四 もう一度マロングラッセ黒砂糖 ゑん 一点
十五 丁寧に説明すれど毒茸 翔人 八点(うさぎ)
十六 君がいて同じ景色ね赤蜻蛉 優
十七 ボス猿は秋の天辺らしく座す 雄策 四点
十八 漆黒の仁王の眼秋灯下 寛 四点
十九 無駄話母と2人で栗を剥く 博 二点
二十 遺影からつい手が伸びる栗ご飯 則江 三点(宗翆)
二一 混沌を生きてふわっと金木犀 惠 四点
二二 和も洋もスイーツ多き栗実る 宗翆 三点(トミ子)
二三 満月を質入れされてしまいけり 三德 三点
二四 秋の蝉黙禱せよと言はれても さくら 三点
二五 終電の窓の彼方の稲光 友作 一点
二六 空高し黒い富士にもある威厳 啓子
二七 手負いの地球に今年も稲実る 洋子 六点
二八 漆黒の猫の目の中今日の月 トミ子 五点(瑛子)
二九 新蕎麦や美味しいものは美しい せとか 三点
三十 長き夜の祖母と応援コブラツイスト うさぎ
三一 栗ごはん濃厚接触者の友へ 順子 一点
三二 乱世や電線月に絡みつく 青三 六点
三三 左見右見秋は秋なり南禅寺 戎吾 一点
三四 白秋や未だ忘れじ彼の吟声 七惠 一点
三五 夜の道匂いたどれば金木犀 ポチ
三六 石段に銀杏零れ茶碗蒸し ゑん 一点
三七 温暖化煙の出ない秋刀魚たち 翔人 二点
三八 状況依存は黒よ白粉 優 一点
三九 葬終えて胡座の母やチンチロリン 雄策 一点
四十 段丘を黒きSL蕎麦の花 寛 六点(ゑん)
四一 秋山の大和秋篠飽き飽きし 博
四二 やい息子ここにいるぞと栗の毬 則江 二点
四三 黄昏の金木犀銀木犀 惠
四四 秋草や木の葉の色は変わりつつ 宗翆
四五 霧湧きて霧に国境立ち尽くす さくら 一点
四六 陰口を聞いてしまった栗はぜる 友作 七点
四七 この栗のこのカタカタは関西弁 啓子 一点
四八 黒髪を金髪にする文化の日 洋子 三点
四九 これからは一人で生きよと栗の毬 トミ子 四点
五十 黒葡萄爪染まるまで飽きるまで せとか 四点
五一 敵味方同じ月見る風の果て うさぎ 四点
五二 花野道遊び心をふくらます 順子
五三 本性を枯れて露わに烏瓜 青三 七点(寛)
五四 秋日和星曼荼羅の静心 戎吾 二点
五五 夢抱き日ごと膨らむ青蜜柑 七惠 四点
五六 芒原風に波打つ狐の尾 ポチ 三点
五七 戦場の草地にサフラン七分咲く ゑん 三点
五八 竿振りたし荒川に鯊上るころ 翔人
五九 同情の涙は傲慢木通 優
六十 耳掃除する秋風の生まれたて 雄策 五点(英巴)
六一 百歳へ五臓浄める新走り 寛 六点(せとか・
雄策)
六二 もみぢ葉の降り注ぐ中風がゆく 博 二点
六三 眷属の黒子に徹す烏瓜 則江 三点
六四 後の月わたくしは東京の栗鼠 惠 一点
六五 黒髪をピンクに染めて秋フェスタ 宗翆 二点
六六 美男かづら出自正しき花園神社 さくら 一点
六七 オデッサの階段の悲劇カンナ咲く 友作 一点
六八 秋の暮れ感謝感謝と言っておく 啓子 三点
六九 ままごとの子供をさがす赤まんま 洋子 七点(友作・則江・
三德)
七十 小説を抜けた現世の黒い霧 トミ子 四点
七一 白木槿主人無き家を護りをり せとか
七二 あの街は嫌いではない胡桃割る うさぎ 七点(惠)
七三 秋愁を吐き出す自動販売機 順子 六点(優)
七四 霊感の強そうな白彼岸花 青三 三点
七五 柿熟るる萩堀内の武家屋敷 戎吾
七六 鵙の贄やりかけの事あちこちに 七惠 八点
七七 ロシアから今年も白鳥初飛来 ポチ 一点
七八 秋の夜マリオネットが紬着る ゑん 三点(洋子)
七九 金木犀匂い重なる処ばかり 翔人
八十 惣菜はあなた任せの唐辛子 優 二点
八一 黒白をつけず飯食う残暑なり 雄策 二点
八二 彼の人とふと出会す栗拾い 寛
八三 螻蛄鳴いて心はいつも夜の闇 博
八四 栗の子の一度行きたし御堀端 則江
八五 鰯雲一緒に流れて行きましょう 惠 三点
八六 秋夜長一句の思案が朝になり 宗翆 二点
八七 紅葉のトンネル疾駆の傘寿旅 雪雫 六点(翔人)
八八 青空に紙飛行機の夢が飛ぶ 雪雫 二点
八九 アン・ドゥ・トゥワ娘と踊る京の秋 雪雫
九十 栗を焼きドカンと撥ねるロシア夢 雪雫
九一 木々の色様々あれど末は枯れ 光樹 二点
九二 秋閑か平らな水よこれぞ幸 光樹 五点(啓子)
九三 栗の毬垣根を越えてご挨拶 光樹 二点
九四 末生りかわが家の庭の黒葡萄 光樹 一点
浜風句会二〇二二年九月会報
今月は久々に県民センターでの句会でした。台風の影響がかなり懸念されていたなか、十二人が元気な顔で集いました。句の解釈の違いなどもあり侃々諤々。やっぱり顔を突き合わせての句会はいいなぁと改めて感じました。
今回は十四点獲得の雄策さんがトップ、次いで十点の洋子さん、八点の啓子さんと続きました。
どなたに特選に選ばれたかは( )に示します。特選句の感想がまとまりましたら、浜風句会のホームページに掲載しますので、そちらもご覧ください。
一 鶏頭は四五本あればそれで良し 友作 一点
二 振袖の消せない狂気葉鶏頭 ちよみ 一点
三 雷鳴や富士のお山の臍隠せ 三德 三点
四 バス停の自販機裏から秋の風 啓子 三点
五 黒葡萄箱の中身は平和 うさぎ
六 あなた~ぁ人生の秋実りつつ 雪雫 二点
七 夕顔のほのと箱入り娘です 雄策 一点
八 あのチョコの空箱が空蝉となる 青三 二点
九 吾亦紅整理下手の箱大尽 七惠 一点
十 帰省子の寄り道したり資料館 トミ子 一点
十一 コスモスの明日は別の風が好き さくら 五点(順子)
十二 失敗は次へのチャンス色鳥来 洋子 二点
十三 今日もまた秋風が吹く家庭内 博 一点
十四 使途有りと集めし空箱捨てる秋 宗翆 二点
十五 生きてたか三年振りに咲く朝顔 せとか 二点
十六 アマゾンの箱に猫丸まる秋の昼 ポチ 三点
十七 花時計今日も無花果花曇り ゑん
十八 宿題の最終ページ枯れ向日葵 惠 二点
十九 秋の夜半おもちゃ箱から声がする 順子 四点
二十 国辱を国葬とするや鳥兜 翔人 五点(雪雫)
二一 プーチンは俳句を詠むか鰯雲 寛 四点(青三)
二二 秋風を小箱に詰めてプレゼント 友作 一点
二三 訳あって箱の封切る鵙の昼 ちよみ 二点(龍二)
二四 しゃかりきの地球とわれら秋出水 三德 一点
二五 鶏頭の赤より赤い詐欺電話 啓子 八点(博)
二六 ゴキブリは更に艶やか政治闇 うさぎ 四点
二七 うんうんと妻はどの秋さまよえり 雪雫 四点(寛)
二八 少年は鋭利な切り口の林檎 雄策 三点
二九 かなかなかな発車ベルかなあの世への 青三 五点
三十 コスモスや花占いつも愛してる 七惠 二点(せとか)
三一 白球や白河の関越えし夏 トミ子 二点
三二 残暑ごと窯入れをする白薩摩 さくら 二点
三三 葉鶏頭群れて謀反の時を待つ 洋子 十点(友作)
三四 露天風呂手ブラで隠す夏景色 博 二点
三五 十五夜やテレビで愛でる時勢かな 宗翆 一点
三六 鶏頭やちょいと殴ってみとうなる せとか 三点
三七 満月を求めてひとり夜の道 ポチ 一点
三八 真夜中に宝石箱からモーツァルト ゑん 二点
三九 箱庭の真ん中あたり曼殊沙華 惠 二点
四十 鶏頭燃ゆオフィス街に人気無く 順子 二点
四一 絶滅の危惧種もあらん虫時雨 翔人 三点
四二 別れしな本音零れる萩の宿 寛 四点
四三 横顔がかぐや姫になる月明かり 友作 二点
四四 揚羽追い小諸まわりでイーハトーブ ちよみ 一点
四五 秋澄みてここぞとばかり箱買いす 啓子 一点
四六 秋の蝶国境ふわり行き戻る うさぎ 四点
四七 八十の年を超えても秋疾駆す 雪雫 二点
四八 図書館の時間に潜り込むちちろ 雄策 九点(啓子)
四九 青褪めて何かあったか塩辛蜻蛉 青三 三点
五十 彼岸花気配を消すや向こう側 七惠 二点
五一 猫じゃらしたまたま猫と出合いけり トミ子 五点
五二 花野へと靴箱の靴鳴りはじむ さくら 三点(うさぎ)
五三 蓑虫のどんちゃん騒ぎ午前二時 洋子 一点
五四 秋風を箱に詰め込み持ち帰り 博 二点
五五 肉球を焦がす秋日や散歩待つ 宗翆
五六 重箱を下げて母来る運動会 せとか 七点
五七 二学期の君はなぜか大人びて ポチ 五点(洋子)
五八 ビスケット二十世紀も同級生 ゑん
五九 一年ぶりの饒舌に会う鶏頭花 惠 二点
六十 友はみな遠くなりたり夏の海 順子 一点
六一 ちちろ鳴く感情一筋にあらず 翔人 一点
六二 病む友の長きメールや稲光 寛 五点
六三 あれやこれそれぞれの夏終わりけり 友作 二点
六四 いたずらが好きで元気で瓢の笛 ちよみ 六点(惠)
六五 到来のカボスどうする秋刀魚かな 啓子 一点
六六 蓼の花「aibo犬」偏差値アップとか うさぎ 一点
六七 オルゴール箱の奏でる宵待草 雪雫 二点(ゑん)
六八 陰干しの背広の芯にある残暑 雄策 十四点(宗翆
・七惠)
六九 蜩や年金額は如何ほどに 青三 一点
七十 咲き切りますと遅れ朝顔の細い声 七惠 二点
七一 パンドラの箱に躓き虹立てり トミ子 三点
七二 赤蜻蛉あなたと歩む空広く さくら 二点
七三 箱舟を見たよ見たよと鵙叫ぶ 洋子 六点(ちよみ
・ポチ)
七四 夏草の原城跡にひざまづく 博 一点
七五 泣き暮れて翌朝(あした)の屍(かばね)秋の虫 宗翆 一点
七六 天高し去勢の猫はよく眠る せとか 六点(三德・雄策)
七七 沈黙の二人をつつむ虫時雨 ポチ 七点
七八 酒一升十五夜傾く犬吠える ゑん 一点
七九 いのこずち大好きだって言ったから 惠 七点(トミ子
・さくら)
八十 炎昼やボールの行方見失う 順子
八一 霊感の此世覆いて野分立つ 翔人 一点
八二 千代尼塚野の花供ふ旅の人 寛 二点
一 ため息の秘密を隠す冷蔵庫 友作 十二点(G・博・トミ子)
二 ビキニ来て男全員目が点に 翔人
三 ぼくちゃんの水着天下の紙おむつ 三德 四点
四 天の川薄墨で書く筆の跡 雪雫 四点
五 盂蘭盆にバナナボートまっしぐら ゑん
六 色褪せた風鈴語る事多し 啓子 六点
七 もう少し話がしたい七日目の蝉 トミ子 八点(雪雫)
八 水着着て死の行軍や海遠し 青三
九 ヒロシマ忌セーラー服の眩し白 せとか 二点
十 戦没の刻字を追ひつ墓洗ふ 寛 五点(友作)
十一 大昼寝東京いつしか空っぽに 洋子 一点
十二 大磯の派手派手水着よ老夫妻 戎吾 三点
十三 新盆や客人の目で掃く座敷 七惠 一点
十四 若き君水着コスプレ僕酔わす 博
十五 ギュウギュウにお肉押し込む水着かな ポチ 三点
十六 代筆の便り届きぬ夏の果 順子 六点
十七 プラカード右手は携帯扇風機 うさぎ 三点
十八 絵付師のふわと筆擱く蝉時雨 さくら 三点
十九 迷彩服の口紅にだって夏 優
二十 雲梯を渡る背中に夜の蝉 惠 二点(ゑん)
二一 八月の空を掴んだままの影 雄策 六点(優・ポチ)
二二 水着つけ大人の証ウフフふふ 友作 一点
二三 灼熱もて厚化粧する百日紅 翔人 一点
二四 籤運のいろいろあって糸みみず 三德 四点
二五 待つ宵のずーっと昔の一人酒 雪雫
二六 甘い水キャラメル色の海水着 ゑん
二七 引き出しの値札の付いた水着かな 啓子 六点
二八 啞蝉や沈思黙考日の暮るる トミ子 二点
二九 干乾びた蚯蚓にだってあの世あり 青三 二点
三十 梅干して声に張りあるひと逝けり せとか 五点(三德)
三一 万緑を従え高し大野城 寛 三点(戎吾)
三二 悪がきの筆頭はやつ水鉄砲 洋子
三三 月に打つ鬼太鼓(おんでこ)響く佐渡の浜 戎吾 四点(さくら)
三四 天井の蝉箒で外へご案内 七惠
三五 汗と土ユニフォームから一途さを 博 一点
三六 逆光にレースのスカートひるがえし ポチ 一点
三七 炎天下無言で人とすれ違う 順子 三点
三八 目も耳も口も達者よ水着干す うさぎ 七点
三九 チャタレイを紙魚の完読したる跡 さくら 九点(青三)
四十 黄昏のプールすべてを滑らかに 優 一点
四一 夏空をすっと切り取り一筆箋 惠 四点
四二 出来たての男前だよ天花粉 雄策 七点(せとか)
四三 決めてやる今年はこれで初水着 友作 二点
四四 茄子の花意の伝わりて茄子の艶 翔人 二点
四五 LINEにて横浜花火AR 雪雫
四六 名木に跨がる庭師花火待つ ゑん 一点
四七 夏セールこっそり出かけ靴とパン 啓子 二点
四八 瀬戸内の残照を浴び水着干す トミ子 二点(うさぎ)
四九 墓石にジュラ紀の気配青蜥蜴 青三 七点
五十 睡蓮やあなたの朝の声が好き せとか 五点
五一 一筆の五七五や滝飛沫 寛 一点
五二 夏休み大人観察してごらん 洋子 六点
五三 終演や花火師ぬっと浮かぶ闇 戎吾 一点
五四 ハワイでと見栄を張りたる水着痕 七惠 三点
五五 孑孑の如くに群れてコンサート 博 一点
五六 炎昼や犬腹出して死んだふり ポチ 一点
五七 蝉時雨くぐり抜ければ海がある 順子 五点(七惠)
五八 マラソンのゴールは見えず長崎忌 うさぎ 五点
五九 かごめかごめ目を閉じないで敗戦日 さくら 四点
六十 一筆の流れに涼を託そうか 優 二点
六一 炎天や鉄鎖食い込む象の足 雄策 八点(宗翆)
六二 蜘蛛の囲に明るい色の愚痴こぼす 惠 三点
六三 幼子も尊厳まもる水着かな 友作 一点
六四 終戦忌全員がマスク恐ろしき 翔人 二点
六五 夜に咲き朝には帰るキスゲかな 雪雫 四点(洋子)
六六 群衆よマンボで踊る夏の果 ゑん 一点
六七 猛暑日や一つ位は他人の為 啓子
六八 深山幽谷一匹の蝉ひろう トミ子 四点
六九 徒長枝のスキャンダラスな真夏かな 青三 六点(龍二・順子)
七十 笹の路蜘蛛に盗られて廻りみち せとか 二点
七一 青柿やぐうばかり出す男の子 寛 四点(啓子)
七二 八月特集ずたずたにコマーシャル 洋子 四点
七三 傘寿なり盧生の夢の夏の霧 戎吾 四点(雄策)
七四 蚊遣り香や年寄りに聴く養生訓 七惠 五点(寛)
七五 鈴蘭と響く言葉で耳に音 博 二点
七六 蓮の花次々と開く朝六時 ポチ 一点
七七 有耶無耶をもてあそびいて明け易し 順子 四点
七八 盆休み過去だけ眺め惚けたい うさぎ 一点
七九 咲きながら白夜になっていく夕顔 さくら 四点
八十 空の人柱だなんて敗戦忌 優 三点(惠)
八一 天道虫父祖より継ぎし蒙古斑 雄策 一点
八二 炎帝の笑顔にそっと目をそらす 惠 二点
八三 捨てられぬ箪笥の肥やし古水着 宗翆
八四 「そんなもの」「うまい」に変わる冷し中華 宗翆 二点
八五 制限無くとも晩夏のマスク 宗翆
八六 秋立ちて犬の食欲増してきて 宗翆
( )内が特選の選者です。
一 ライオンもビールに酔えば銀ブラに 友作 四点(博)
二 ミサイルの眼下ひまわり畑かな 翔人 一点
三 前頭八つ切り西瓜贔屓とす 三德 一点
四 キンキンの完熟トマト塩少々 啓子 一点
五 願かけた七夕の竹乾きけり 博 六点
六 愛おしき子を抱くように西瓜抱く トミ子 四点
七 サングラス秘すべきものはなけれども 青三 五点(順子)
八 平凡な形の昼寝戦ある 雄策 四点(三德)
九 西瓜割思いのほかに溢るる黄 せとか
十 片陰を出て仕切り直しの一歩 洋子 七点
十一 七夕に祈りを込めるウクライナ 雪雫 二点
十二 S.М.L重なる向日葵届けたい ゑん
十三 西瓜泥闇に光る目ハクビシン ポチ 四点
十四 118頁目で終わった命合歓の花 うさぎ 一点
十五 縞をなお見極めて買う西瓜かな えつ子 二点
十六 正しさなんてありゃしない西瓜割り 優 八点(うさぎ)
十七 君の背にロールシャッハ咲く夏片恋 さくら 三点
十八 西瓜切る子等の視線の真ん中で 順子 八点(宗翆)
十九 老二人愚痴聞き合ふや西瓜割り 戎吾
二十 緩急自在噴水の恋もよう 惠 一点
二一 あめつちに絶えぬ争い天の河 寛 六点
二二 焼き尽くすあの日の銀座いま酷暑 友作 二点
二三 背に腹に子を抱き炎天ひたすらに 翔人 四点
二四 恋しぐれ千々に乱れて熱帯夜 三德
二五 やわらかに傷む蝶番夏嵐 啓子 三点
二六 夏草に抱かれ頰寄せ道祖神 博 四点
二七 西瓜割り水平線も真っ二つ トミ子 九点(龍二・ゑん)
二八 遠雷や思わせぶりに遠ざかり 青三 六点
二九 海風が鈴生り伊予の早生蜜柑 雄策 三点
三十 桐一葉父の掌からからと せとか 一点
三一 髭面を少年にする大西瓜 洋子 四点
三二 ロシアとは涼しい国と真逆なり 雪雫
三三 飛ぶ雲へ祇園祭の迷う道 ゑん
三四 川床涼み風に遊ばれ杯重ね ポチ 五点
三五 「負けんばい」揺れて育った大西瓜 うさぎ 一点
三六 必殺仕事人網が下りればビール時 えつ子
三七 炎帝や取説書の指南求む 優 二点
三八 孤独という肩書あるらし網硝子 さくら 六点
三九 平凡な生活に句読点の薔薇 順子 四点
四十 夕立やバリトンの声伴ひて 戎吾 五点
四一 大の字になって部屋中に風鈴 惠 十点(優・ポチ)
四二 葉の陰に確かに一つ縞西瓜 寛
四三 空襲の記憶メラメラ炎天に 友作 三点(えつ子)
四四 水着にてハグする媼少女めく 翔人 二点
四五 網かつぎ寝ぐせ親子の夏休み 啓子 一点
四六 二人してがぶりと西瓜種飛ばし 博 一点
四七 今行くよ西瓜切ったと母の声 トミ子 五点(友作)
四八 炎昼の「考える人」すっからかん 青三 七点
四九 5Hで描くと幽霊らしくなる 雄策 六点(さくら)
五十 警備の網薄すぎる褥暑かな せとか 三点
五一 アメリカを選んだ翔平八月来 洋子 二点
五二 西瓜喰う喉の痛みやBA5 雪雫
五三 都合にて入道雲は休航中 ゑん 三点
五四 我が犬は庭に穴掘り夕涼み ポチ 四点
五五 アスパラ異母兄弟ぎゅっとテープに縛られて うさぎ
五六 熱砂にて地引網繕う老漁師 えつ子
五七 家庭的だなんて死滅語炎暑 優 三点
五八 シャッフルしてシャッフルして夏明ける さくら 四点
五九 ワンツースリー風を捕らえし捕虫網 順子 一点
六十 藍暖簾守宮逆しま吉となり 戎吾 二点(雄策)
六一 一心に駆け抜け妹と西瓜 惠 一点
六二 真昼間に銃撃の音旱梅雨 寛 一点
六三 国境のない西瓜って美味しいね 友作 九点(洋子・青三)
六四 ひと夜漬け皮しゃきしゃきと西瓜かな 翔人
六五 髪洗い鏡に母が月命日 啓子
六六 紫陽花の色さまざまに人もよう 博 一点
六七 水泳を子に教わりし手の記憶 トミ子 二点
六八 白紫陽花離れ座敷は薄明り 青三 七点(雪雫)
六九 背伸びして港が見たい立葵 雄策 十二点(G)
七十 梅花藻は触れてはならぬ清い花 せとか 四点
七一 青蜥蜴たまにはゆっくり話そうよ 洋子 六点(寛・せとか)
七二 五月雨や唄い終えたり雉の歌 雪雫
七三 作務衣着て照る照る坊主西瓜割 ゑん
七四 政治家も死ねば聖人夏の怪 ポチ 五点(惠)
七五 背後から歳時記覗くアガパンサス うさぎ
七六 黄泉を知っているのか夏の蝶 えつ子 二点
七七 炎昼の呆然自失平和ボケ! 優 四点(戎吾)
七八 炎ゆる天「巨木伐採」次は何 さくら
七九 籐寝椅子うかうかとして小半時 順子 一点
八十 余生なほ七転八起雲の峰 戎吾 九点(トミ子・
翔人・啓子)
八一 夏色を素肌に覚えさせており 惠 五点
八二 あら荒と仕上げ構へる女郎蜘蛛 寛 三点