現代の宗教戦争
イスラエルとハマス
現代の宗教戦争
イスラエルとハマス
何故、アメリカはイスラエルがパレスチナ人を、虐殺しているのに武器の供与を続けているのでしょうか?
何故、ユダヤ人はアラブ人を迫害し国際法に違反してまで、イスラエルの地を支配しようとしているのでしょうか?
2025年トランプ政権に替わり、この問題はどうなるのでしょう。
現代の宗教戦争である、パレスチナ問題をユダヤ教とキリスト教の視点から考えてみましょう。
パレスチナ問題を学ぶ
ユダヤ人の迫害の歴史
パレスチナ問題はユダヤ人とアラブ人の対立ですが、背景にキリスト教の思想が関わっています。まずは、その歴史を確認してみましょう。
両者の間で起こっている紛争の歴史的背景は、2000年以上前のパレスチナでローマ帝国の属州民だったユダヤ人が、1~2世紀に繰り返し解放戦争を行うが、いずれも鎮圧され、その結果パレスチナからユダヤ人が追い出されたことから始まります。
66年から70年、第一次ユダヤ戦争でユダヤはローマに敗北し、結果としてエルサレム神殿が崩壊、力の弱まったユダヤ教から原始キリスト教団が自立します。
その後、第2回ユダヤ戦争でエルサレムは再び破壊され、135年ローマの植民市として新しく建設された市街地にはユダヤ人はいっさいの立ち入りを禁止されたのです。
さらに聖地エルサレムはアエリア・カピトリナと名を変えられ、ヤハウェ神殿のあった丘にはローマ神のユピテル神殿とハドリアヌス騎馬像が建ち、なによりもユダヤ人の居住が許されなくなったため、ユダヤ人は当時のイスラエルから追い出されることとなり、ローマ帝国領内の地中海各地やメソポタミア地方に離散(ディアスポラ)していくこととなるのです。
2~4世紀、ローマ帝国内に離散したユダヤ人は、各地で集団を作り、信仰を守り、礼拝なども禁止されることもなく一定の自治を認められていました。それに対して初期キリスト教はネロ帝などによって弾圧の対象となって厳しく取り締まられていました。そのような中、使徒パウロらは弾圧を受けながらも、ユダヤ人のシナゴーク(礼拝所)にはいりこみ、形式的な戒律の遵守ではなく、悔い改めて神の愛を信じよ、とキリスト教への改宗を働きかけていました。
212年、カラカラ帝がアントニヌス勅令を出し、帝国内のすべての自由人にローマ市民権が与えられたとき、ユダヤ人もローマ市民とされ、エルサレムに帰ることが出来たのです。
その後、380年にテオドシウス帝はキリスト教をローマ帝国の国教と宣言します。
その頃より民族宗教であるユダヤ教はローマでは劣勢となり、むしろ異教として否定されるようになって行きます。特にキリスト教徒は、聖書(マタイによる福音書)にユダヤ教徒はイエスを殺した責任を永久に負うべきであると説かれていたので、ユダヤ教徒への反感を強めて行くのですが、11世紀頃まではキリスト教徒もユダヤ教徒もヨーロッパ各地で共存していたと言われています。
しかし11世紀末に当時エルサレムを統治していたイスラーム勢力から、聖地を奪回する名目で教皇の命を受けた十字軍が進軍しエルサレムを占領します。この時よりキリスト教徒によるユダヤ人の迫害が始まります。
エルサレムの城内に突入した十字軍兵士は街路に逃げまどう非戦闘員も含めて大虐殺を行い、略奪をほしいままにしました。虐殺・略奪は1週間に及び、7万人以上のイスラーム教徒が殺されただけでなく、ユダヤ人もシナゴーグに押し込められて火をつけられ殺されました。
さらに、聖地を奪回する十字軍兵士と同じように、ヨーロッパの内なるキリスト教の敵であるユダヤ人と戦うことが必要だとし、キリストの流した血は、キリストを殺したユダヤ人の血を流すことで仇討ちになるとされ、ヨーロッパ各地でユダヤ人への虐殺や迫害が行われました。
その後もカトリック圏でのユダヤ人迫害は、イエスを殺した民族として19世紀中頃まで続いて行きます。
(カトリック圏のユダヤ人迫害や十字軍運動は、「キリストのケリュグマ」コーナ「信仰・続編」ページにも載っています。)
時代はかわり1789年、フランス革命が勃発すると、人々はカトリック教会の封建社会からの解放、キリスト教的世界観からの改革が始まり、ユダヤ人も一般市民と認められ、同等の権利を有すると見られるようになり、市民革命の時代を経て人権と平等の思想が一般化して行きます。
しかしその後もロシアでのユダヤ人迫害やフランスでの反ユダヤ主義の流行に対し、迫害され続けるユダヤ人達の中で故郷に帰り祖国を再建しようという思想が芽生え、祖国復帰運動「シオニズム運動」が起こります。
ところが、パレスチナの地は当時オスマン帝国の領土となっていたので、第一次世界大戦でオスマン帝国と戦っていたイギリスが、パレスチナにユダヤ人の国家を建設しようというシオニストを応援し、バルフォア宣言でユダヤ人に戦後の国家建設を約束しました。
これは、イギリスがユダヤ人達を利用し戦争を有利に進めようとする外交政策が理由だったのですが、その結果、多くのユダヤ人がヨーロッパからパレスチナの地に向かって行きます。
それはイギリスの西アジアへの勢力拡大と結びつき、移住したユダヤ人と現地のアラブ人との深刻な民族対立を生み出すこととなるのです。
そして1930年代、第二次世界大戦が始まるとナチスのヒトラーによって最も組織的、強圧的なユダヤ人排斥が行われます。
約600万人のユダヤ人が強制収容所に送られ、大量殺害(ホロコースト)が実行されました。ナチスによるホロコーストの犠牲者は、現在では560万から590万にのぼると考えられています。
そのため第二次大戦後は急速にユダヤ民族の国家建設への同情が集まり、国際連合のパレスチナ分割決議が決まり、パレスチナの地がユダヤ人とアラブ人の2国に分けられるのです。
そして1948年5月14日にアメリカ・イギリスの支援を受けてイスラエル国が成立し、シオニズムは目的を達します。
しかし国連の分割決議にアラブ諸国が反発しイスラエルに攻め込み第1次中東戦争が勃発します。
そのためイスラエルはアメリカ・イギリスの支援のもと、強力な軍事国家化をはかり応戦します。
その後、フランスまでもイスラエルを支援し、英、仏、アメリカの支援によってアラブ諸国に勝利し、国際法(分割決議)で認められていない土地(アラブ人の土地)まで占領してしまいます。
その後も占領を続け、事実上「パレスチナ」と呼ばれていた土地のほぼすべてを統治下にしていきました。
1993年、アメリカとノルウェーの仲介で、イスラエルとパレスチナの間にオスロ合意が交わされ、パレスチナに暫定自治区(ガザ地区等)を設置し、イスラエル、パレスチナの双方がいずれ共存することを目指したのですが、長くは続かず、その後も断続的に紛争が続いています。
2023年10月7日、ハマス(パレスチナ)がイスラエルへ大規模な攻撃を行い、イスラエルはそれに対して報復作戦を開始して現代に至るのです。
このように、パレスチナに元から居住していたアラブ民族は、領土を奪われパレスチナ難民となり、イスラエルに対する聖戦(ジハード)を掲げているハマス(イスラム原理主義)が経済封鎖状態のガザ地区(パレスチナ)の解放のために戦っているのです。故郷を追われ迫害されてきたユダヤ人の立場が逆転してしまったと言えるでしょう。
イギリスやフランス、アメリカなどが、何故イスラエルを支援しパレスチナ人の迫害を許しているのか?なぜイスラエルは国際法に違反してまでその領土を奪ったのでしょうか?
そこに旧約聖書の預言が関わっているからと言われています。次の項目クリスチャン・シオニズムでその考えを学んで行きましょう。
参考サイト─Wikipedia、世界史の窓、その他サイト、
クリスチャン・シオニズム
米国福音派・預言の成就
クリスチャン・シオニズムとは、文字通り、イスラエルによるパレスチナ地方の植民活動、国家建設を積極的に支持するキリスト教徒たちの運動です。現在クリスチャン・シオニストを主に構成するのは、聖書を文字通り信じる「福音派」というプロテスタントのグループだとされています。
最近日本のメディアでも報じられるように、白人福音派の大半はイエスラルのパレスチナへの植民を支持し、資金的、政治的に支援しています。
今日、“親イスラエルのキリスト教徒”(=クリスチャン・シオニスト)の数は少なくとも数千万人と推定されており、世界のユダヤ人人口をはるかに上回るほどの規模を持つのです。
アメリカ合衆国のキリスト教徒の割合は、人口の約8割と言われています。そのうち半数以上はプロテスタントです。
アメリカの人口は約3億3,650万人、日本が約1億2359万人なので3倍近くの差があり、
アメリカの人口3億3650万人-80 % (キリスト教徒)=26920万人
その半分がプロテスタントなので 26920÷2=13460万人
つまり日本の総人口よりも、プロテスタント人口が多いのがアメリカです。
総人口の約80%がキリスト教徒のアメリカ社会は、その影響は大きくトランプ大統領を含め政治家の殆どがキリスト教徒(プロテスタント)で、トランプ政権にカトリック信徒の政治家が2人就任したことが、ニュースになるほどプロテスタントの国政と言えるのです。
アメリカのプロテスタントの大半はクリスチャン・シオニストとして、イスラエルを擁護しています。
彼らは聖書に記されていると彼らが信じる信念、つまりイスラエルの地をユダヤ人が支配すれば、キリストの再臨と世界の終末がもたらされ、キリスト教徒は救済され、非キリスト教徒(イスラム教徒やユダヤ教徒を含む)は全滅するという信念に動機づけられています。
1948年のイスラエルの建国は、彼らにとって預言の成就の証であり、聖書に描かれた世界の終わり、つまりキリストの「再臨(Second Coming)」が近づいている兆候だったとされています。
実に米国の6割以上の福音派キリスト教徒が現在もイスラエル建国を預言の成就と捉えていると言われ、2010年の世論調査では、白人福音派の58%が、イエスが「おそらく」あるいは「間違いなく」2050年までに再臨すると答えるほどです。
「キリストが再びこの世にやってきて最後の審判が下される」という「再臨」や終末論を信じているということ自体、日本人の多くには異様なことに見えるかもしれませんが、「再臨」や終末論自体はキリスト教の正統教義なのです。
問題はそれを「文字通りに」、歴史上の具体的な日時にイエス・キリストが天から降りてくると信じているか、「比喩的」に信じているかの違いです。
今日では、カトリックや聖公会、リベラルなプロテスタント諸派は後者(比喩的)の立場を取っています。対して、文字通りの「再臨」が近々起こると信じる、前者の立場を取るのが、聖書を文字通りに信じる福音派であり、クリスチャン・シオニストです。
神学的には、最終戦争やキリストの「文字通り」の世界支配といった黙示録的な世界観を信じるディスペンセーション(千年王国)主義者と、キリスト教が現実の政治を支配すべきだと考えるドミニオン主義者によって構成され、後者で現在勢力を広げているのが最近トランプ支持層として注目されているキリスト教ナショナリスト(民族主義)たちや新使徒運動(NAR)に関わる人たちです。
現在、クリスチャン・シオニストたちは、昨年のハマスの奇襲から始まったイスラエルのパレスチナへの攻撃やヒズボラやフーシ派といった周辺諸国のイスラム原理主義者たちとの戦いに、聖書に記されていると彼らが信じる終末への兆候を読み取り、また暗殺事件を生き延びたトランプに「神の戦士」の姿を見出していると言われています。
現代の米国の福音派はもちろん、実は歴史を通じてアメリカ人の多くが、実在するユダヤ人ではなく、イメージの中の「イスラエル」に並々ならぬ関心と熱意を抱いてきたことについては、政治学者、ウォルター・ラッセル・ミードの著作に書かれています。
「アメリカとイスラエルの関係は、アメリカの外交政策において最も重要な関係ではないし、これまで一度もそうであったことはない。 イスラエルはアメリカにとって最も重要な同盟国でもなく、最も価値ある貿易相手国でもない。 しかし、ユダヤ人が聖書の地に戻り、そこに国家を建設するという考えは、アメリカの宗教と文化における最も強力なテーマと大切な希望のいくつかに触れるものである。」(The Arc Of A Covenant - The United States, Israel, And The Fate Of The Jewish People, Knopf 2022, p.16)と分析されています。
これが白人福音派キリスト教徒のほとんどがトランプ氏に投票した理由とされ、トランプ大統領が神の戦士としてイスラム原理主義者を倒し、ユダヤ民族が預言のとおりにイスラエル国家を完成させ、神の国が到来することを待っているのです。
クリスチャン・シオニズムへの批判は、反ユダヤ主義と受け止められ兼ねないため特に欧米では表明することが難しく、欧米の主流派のキリスト教徒、つまり非福音派のキリスト教徒は、キリスト教の歴史的な反ユダヤ主義(前項で説明した迫害)を悔い改めるために、イスラエルによるパレスチナ人への虐待については沈黙してしまう傾向が強いと言われています。
クリスチャン・シオニズムを巡る問題は、福音派が多数のアメリカ社会では、マスメディアが表立ってこの問題を取り上げることはあまりないと言われています。日本もこれ以上に宗教関連の報道はしない傾向にあるのは皆さんも知っていることでしょう。
つまりアメリカではクリスチャン・シオニズムがナショナリズム(民族の統一思考)と結びつき、民主党はもちろん共和党の一部からさえ批判があるにもかかわらず勢力を増しているのが現状と言われ、先にも述べた「最終戦争(ハルマゲドン)」を信じるディスペンセーショナリズム(千年王国説)の思想が政策に反映してしまっている、それが今のアメリカ国なのです。
まとめると、アメリカの多くのクリスチャン・シオニストたちは、現在のイスラエルとアラブ諸国との戦争状態を、聖書の中の預言の成就とみなしています。このような理由が欧米(アメリカとヨーロッパの白人福音派)による戦争肯定、パレスチナ人の「見殺し」に繋がっているのです。
これが、イスラエルがパレスチナ人を屠殺しているのに、欧米が武器の供与を続けている理由であり、ユダヤ人はアラブ人(イスラム教徒)を迫害してでも本来の聖地イスラエルを取り戻し、契約を破った償いを終わらせ預言の成就を望んでいるのです。
そのため今後のトランプ政権(福音派)、それに続くヨーロッパの各国(キリスト教)がイスラエル(ユダヤ教)とハマス(イスラム教)の問題を、どのように解決するかが注目されているのです。
参考記事─現代ビジネス 2024.12.31コラム「“2050年までにキリスト再臨”を信じる人々がイスラエルを支持する理由とは」より一部引用
https://gendai.media/articles/-/144128?page=2
聖書の預言
ユダヤ人の悲願と主の成し遂げ
ユダヤ民族の迫害の歴史はレビ記26:14~15、31~33で預言されていると言われています。
❮14しかし、もしあなたがたがわたしに聞き従わず 、 これらの戒めをすべて守らないならば、
15もし、あなたがたが わたしの定めを軽んじ、わたしの定めを心に 忌み嫌い 、わたしの戒めをことごとく守らず、わたしの契約を破るならば、
31わたしは あなたたちの町々を 荒廃させ、あなたたちの聖所を荒廃させ 、あなたたちの甘い香りを嗅ぐこともない。
32わたしは その地 を荒廃させる。そこに住む敵は それに驚くであろう。
33わたしは あなたたちを諸国民の中に散らし、あなたたちを追って剣を抜く 。あなたたちの国は荒れ果て、あなたたちの町々は廃墟となる。❯
アブラハムとモーゼの時代(契約)から長い年月がたつにつれ、ユダヤ民族は本来の戒めを、人間に都合の良いように変え守らなくなります。そしてイエスが現れ、それを悔い改めるように諭しますが(※1)、ユダヤ人はイエスを十字架にかけ、その契約を破ります。
※1 マルコ7:9 ❮そこで イエスは 彼らに言われた、 「あなた方は自分たちの言い伝えを守るために、神の戒めを完全に無視している。」❯
そのためレビ記の預言どおりに、ユダヤ人の聖所(エルサレム神殿)は破壊され国は崩壊します。そしてユダヤ人は故郷から追われ、諸国に散らばり、抜かれた剣に追われます(迫害)。
また、ユダヤ人の約束の地への帰還を語った預言には、申命記4:29~31、30:1~10、イザヤ27:12~13、43:5~7、エレミヤ31:7~10、エゼキエル11:14~21、エゼキエル37:1~14、ゼカリヤ10:8~12などがあります。
申命記4:26~31では、
❮26 わたしは今日、天 と地をあなたたちに対する 証人として 呼びます。あなたたちは、ヨルダンを渡って行って所有するその地から、まもなく完全に滅ぼされるでしょう。あなたたちはその地に長く留まることはなく、完全に滅ぼされるでしょう。
27主は あなたたちを諸国の民の中に散らされるであろう 。あなたたちは主があなたたちを導く異邦人の中で少数の者となろう。
28 そして、あなたたちはそこで、木や石でできた、人の手で造られた、見ることも聞くことも食べることも嗅ぐこともできない神々に仕えることになる。
29 しかし、もしあなたがそこからあなたの神、主を尋ね求める なら、心を尽くし、魂を尽くして尋ね求めるなら、あなたは主を見つけるであろう。
30あなたが苦難に遭い、これらのすべての事が 終わりの日にあなたに臨むとき 、あなたがあなたの神、主に立ち返り、その声に聞き従うならば、
31(あなたの神、主は慈悲深い 神である。)主はあなたを見捨てず、あなたを滅ぼさず、またあなたの先祖に誓われた契約を忘れないであろう❯
と書かれており、少数民族となったユダヤ民族は、そこから悔い改めるなら、終わりの日に主を見つけると預言されています。
申命記30章3.5.7では、諸国に散らばり迫害されていたユダヤ人が故郷に帰り、その土地を所有する時には、最後の審判(すべての呪い)が起こるとされています。
❮3そうすれば、あなたの神 、主は あなたの捕囚を解き 、あなたをあわれみ、あなたの神、主があなたを散らしたすべての国々から、あなたを集めて帰って来られるであろう。❯
❮5 あなたの 神、主は、あなたの先祖が所有していた地にあなたを導き入れ 、あなたはそれを所有するであろう。主はあなたに恵みを施し、あなたの数をあなたの先祖以上に増やされるであろう。❯
❮7 あなたの神、主は、 これらのすべての呪いを、あなたの敵、あなたを憎み、あなたを迫害する者たちに下されるであろう❯
エゼキエルの37:9~14では
❮9すると 彼はわたしに言った、 「風に預言して、人の子よ、預言して、風に言いなさい。主なる神はこう言われる。息よ、四方の風から来て、これらの殺された者たちに息を吹きかけ、彼らを生き返らせよ。」
10そこで私は 彼が命じたとおりに預言した 。すると息が彼らの中に 入って 、彼らは生き返り、非常に大きな軍隊となって立ち上がった 。
11すると彼は わたしに言った、「 人の子よ、これらの骨は イスラエルの全家である 。見よ、彼らは言う、『われわれの骨は枯れ、われわれの望みは絶え、われわれは絶え絶えだ』」。
12それゆえ、預言し て 彼らに言いなさい。 主なる神は こう言われる。 「見よ、わが民よ、わたしはあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓から引き上げ、イスラエルの地に導き入れる。」
13わたしの民よ、わたしがあなたたちの墓をあけ、あなたたちを墓から引き上げたとき、あなたたちはわたしが主である ことを知ろう。
14 わたしはわたしの霊をあなたたちの中に 置く。そうすれば、あなたたちは生き、わたしはあなたたちをあなたたちの土地に住まわせる 。そのとき、あなたたちは主なるわたしがこれを語り、これを成し遂げたのを知るようになる、と主は言われる。❯と書かれています。
これは迫害され放浪の民(墓の中)であるユダヤ人が、生き返り軍隊となって立ち上がる。そしてイスラエルの地に導き戻り、その土地に住むとき主が現れると言われています。
つまりユダヤ人(イスラエル)が、パレスチナ(故郷)を完全に支配した時にキリストが現れ、携挙(二人が一人になる)が始まるとクリスチャンシオニスト達は信じているのです。
イスラエルの多くの政治家も、イスラエルの建国はエゼキエルの「枯れ骨の谷」の預言の成就と考えています。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相 は2010年1月27日にアウシュビッツ強制収容所跡を訪れ、ホロコースト記念日の演説のときにエゼキエルの37章11~12を語りました。
イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領 も、2022年4月27日のホロコースト記念日に演説でエゼキエル37章11~14を語りました。
ユダヤ民族は、これらの預言を信じて、預言の成就のためにパレスチナを掌握しようとしているのです。
本来のセム的一神教では、キリスト教とユダヤ教やイスラム教は同じ宗派になり、基本教理も学んでみるとほぼ同じです。
しかしイエスがマルコ7章で❮イエスは言われた。「イザヤは、あなたたちのような偽善者のことを見事に預言したものだ。彼はこう書いている。『この民は口先ではわたしを敬うが、その心はわたしから遠く離れている。人間の戒めを教えとしておしえ、むなしくわたしをあがめている。』あなたたちは神の掟を捨てて、人間の言い伝えを固く守っている。」
更に、イエスは言われた。「あなたたちは自分の言い伝えを大事にして、よくも神の掟をないがしろにしたものである。❯
と言われたように、人間の都合に合わせて教義が替えられているだけなのです。
その人間の都合(欲望)のために、ユダヤ教徒とイスラム教徒達に罪を犯させ(殺し合い)、キリスト教徒だけは罪を犯さず救いを受けたいと考え、現代の宗教戦争が行われているのです。(イスラム教の聖地もエルサレムなので、パレスチナをイスラムに取り戻すために争い続けているのです。)
つまり、白人福音派(キリスト教)の人々は自ら罪を犯さないように、ユダヤ人(ユダヤ教)の信仰を上手く利用し、パレスチナ人(イスラム教)と争わせ、白人福音派の望み(携挙)を叶えようとしているのです。
このような、他者に罪を犯させ自分の手を汚さない行為や思いが、全知全能の神に隠すことなどできません。
マタイ23章13で、❮ しかし、偽善なる律法学者、パリサイ人よ。あなたたちは災いである。人々に対して天の御国を閉ざしている。あなたたち自身は中に入ろうとせず、また、入ろうとする者たちも中に入れない。❯とイエスが言われたことを、都合良く忘れているのでしょう。
イエスが心から悪が出ると言われたように、その思い、その狡猾な考え、悪意は隠しても、「隠されていたもので表にでないものはない」と聖書に書かれており、さらにマタイ5:28で「しかし、わたしはあなたがたに言います。情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫を犯したのです。」と主は言われた通り、その狡猾な考えや利己的な思いは、罪となり、主は全てを御存じです。
主の教えでは、意図的に罪をおかした者、罪を分かったうえで他人に罪を犯させる者が、最も罪が重いカテゴリーに入ってしまいます。悔い改めましょう。
心の中の悪意など、主にはお見通しですね。マザーテレサが言われたように、愛の反対は無関心です。そしてヤコブの手紙4:17に「だから 、なすべき善を知りながらそれを行わない人にとっては 、それは罪なのです。」と言われたことを思い出しましょう。
欧米諸国が他人事として、武器の供与をイスラエルに続けていることや、敵国パレスチナ人に人道的支援を行わないことも、主から見れば同罪ですよね。
当然ながら、日本に住む私たちも他人事として、心痛めないのは罪となるのでしょう。
私たちに出きることは限られていますが、今現在行われていることを、目をそらさずに受け止め祈りましょう。それが無力な私たちに出来る最大の愛なのかもしれません。
そしてこれから起こることを知り、その時がいつなのか悟りましょう。
※引用聖書はkjvaです。