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このページは、メタバースプラットフォーム「cluster」でVR-TRPGやVR-マダミスを作りたい人向けのページです。
我々ぐだぐだぶとんがこれまでのVR-TRPG制作で学んできたノウハウなどを共有していきます。
◎clusterでVR-TRPGを作るためのdiscord情報共有コミュニティ「ぐだぐだ書房」を開設しました!
皆さんで便利な情報共有をしたり、新たなプロジェクトを立ち上げて一緒に制作していくコミュニティです。
詳しくは、ぐだぐだ書房とは のページをご覧ください!
スマホ・PC・VR機器で遊べるメタバースプラットフォーム「cluster」
VR-TRPGは一般にバーチャルSNS(メタバースプラットフォーム)と呼ばれるサービスを利用して制作します。
このサービスは自分のアバターでVR空間に入り、ユーザーが投稿したワールドに集まって他の人と一緒に遊ぶ・コミュニケーションを楽しむことのできるプラットフォームです。
基本的にはヘッドマウントディスプレイやPCを使って楽しむ事ができますが、「cluster」ではスマホ・タブレットのユーザーでも利用可能です。勿論クロスプレイ可能です。
STEP1:作りたい物を見定める
主観のVR-TRPG
主人公の視点でマップを探索する形式のVR-TRPGです。VR寄りのVR-TRPG、LARP寄りのVR-TRPGと呼ぶ事もあります。
普通のゲーム制作並みに制作コストが高い代わりに、通常のTRPGとは違った面白い体験になります。
弊サークルの制作物としては、2021年8月に公開したVR-エモクロアTRPG「ハローバーチャル」や、現在制作中の「地下壕の讃美歌」がこれに該当します。
俯瞰のVR-TRPG
オフラインセッションのように机を囲んで遊ぶ形式のVR-TRPGです。俯瞰かと言われるとそうでも無かったりするので、TRPG寄りのVR-TRPGと呼ぶこともあります。
弊サークルの制作物としては、2021年12月に公開したVR-TRPG「静寂に捧ぐ祝詞」がこれに該当します。
完全に二分化できる訳でもない
以上のVR寄り(主観)とTRPG寄り(俯瞰)の2つを明確に分ける事はできません。この2つを融合させた物も作れます。
弊サークルの制作物としては、2021年5月に公開したVR-TRPG「全て忘れてしまえたなら」がこれに該当します。
2枚目の画像は探偵事務所です。ソファに座った状態で進行し、部屋はあくまで背景となっているTRPG寄りの部屋です。
対して、3枚目の画像はプレイヤー視点で探索できるVR寄りの部屋です。
「全て忘れてしまえたなら」はこのように、探索が重要な場面では主観視点に、それ以外の部分ではTRPG寄りの構成にすることで、制作コストと新しいVR-TRPG体験を両立しています。
STEP2:作る物・必要なツールを整理する
シナリオ
VRでGMをする時にシナリオを見やすくする為に、シナリオPDFの作り方を少し変えてあげる必要があるので、それの話をしましょう。
VRでGMをする際ですが、シナリオPDFをclusterにアップロードしてから、clusterアプリ内のメニュー「ファイル」を開いてシナリオPDFを選択すると以下のような画面になります。
この時、表示されるPDFは横16:縦9が最適です。もちろんA4の横向きPDFでも大丈夫ですが、シナリオPDFはVR用に横長の物も作っておくと良いでしょう。
ダイスパネル
ワールド制作を始めたての方が突然自力で作るのは、難しいアイテムです。
弊サークルはclusterで使えるVR-TRPG用のダイスパネルを既に制作しています。できる機能としてはHP/MPの管理の他に、4, 6, 8, 10, 12, 100面ダイスを同時に10個まで振ることができます。
基本的にこのパネルを利用することで、大半のTRPGを遊ぶことが出来ると思います。
もし、こんな機能が欲しいんだけど・・・という相談があれば気軽に弊サークルまでご連絡ください!
ワールド
clusterでワールドを作るにはUnityとClusterCreatorKitが必要です。導入の方法はこの記事の通りにやれば大丈夫で、ワールドをアップロードする為の最低限まで習得できます。
ここまで理解したら、シナリオの舞台を一部屋だけ再現しましょう。記事の中でも紹介されていますが、ワールドに使う3DモデルはUnityAssetStoreの物を使うと良いでしょう。
boothでもワールドに使える3Dモデルが配布・販売されています。「cluster用アイテム」で検索すると、ギミックが既に組んであるアイテムを見つけることができます。
blenderを使えば無料で3Dモデリングもできますが、一気に色々始めると手が回らなくなるのでひとまずは放置しておきましょう。
また、プレイ終了時に集合写真を撮る為の写真映えスポットを用意しておくとclusterワールドらしい仕上がりになります。
制作コストやGMの操作難易度が上がるので、部屋の数は基本1つで大丈夫です。
もっと作りたい!となったら、ロールプレイに使えそうな掴めるアイテムを配置したり、クライマックスシーンを再現した部屋を追加したりする程度にしておきましょう。
情報を表示するギミック
シナリオの進行状況に合わせて情報を公開する為のパネルを用意しましょう。
「静寂に捧ぐ祝詞」で例を紹介します。
KP用の机にあるパネルを押すと水色になり、該当する情報が公開されます。情報が一括で纏めている場所があると、皆で考察するのに便利です。
また、横の灰色のボタンを押すと該当する情報がスクリーンに表示されます。新しく情報が出てきたときなどはこちらを使うといいでしょう。
これは自分でできるようになりましょう。ClusterCreatorKitにおいて学習すべきは「Interact Item Trigger」と「Set Game Object Active Gimmick」です。
ClusterCreatorKitの中でかなり簡単な方のコンポーネントとは言え、初心者は多分TargetとかValueの選択で詰まると思います。詰まってどうしようもなくなったらCreator Communityやぐだぐだ書房で聞くと誰かが教えてくれます。
BGM等を変更するギミック
雰囲気の共有の為に、BGM・パーティクル・ライト・ポストプロセッシング(視界エフェクト)を変更できるパネルを用意しましょう。これもClusterCreatorKitの「Interact Item Trigger」と「Set Game Object Active Gimmick」が使えれば作る事ができます。
「静寂に捧ぐ祝詞」プレイワールドに置かれている物であれば、言って貰えればお渡しします。
アバター(必要なら)
NPCのアバターも用意したい!と思ったらVroid Studioを使う事をおすすめします。
Vroid Studioは人間のモデル制作に特化したツールで、かなり簡単にアバターを作る事ができます。
STEP3:気軽に弊サークル・ぐだぐだ書房に相談する
弊サークル制作のアセットが必要だったり、VR-TRPG制作で詰まった・表現に悩んでいる場合は気軽に弊サークル、または弊サークル運営のVR-TRPG制作コミュニティ「ぐだぐだ書房」まで相談してみてください!
弊サークルとしては、clusterでVR-TRPGを作る人が増えるのは大歓迎ですし、ある程度の助力はさせて頂きます。
イベント・配信について
clusterには「イベント」という機能があり、ユーザーが最大4時間の枠でイベントを行う事ができます。イベントを立てるとclusterの公式HPに情報が掲載されるので、多くの人に知って貰う良い機会になります。
ワールドと違って、イベントはスタッフのみがボイスチャットを使えるようになるのでTRPGを遊んでいる様子を見せる事もできます。
Youtube配信をする際はclusterのプロカメラマンモードを使うのが一般的です。弊サークルメンバーはこれを使える人が多いので、もしカメラマンが不足していたり、よく分からない事があれば呼んで頂ければと思います。
VR-TRPGワールドポータルについて
弊サークルでは、「ぐだぐだ書房」というワールドに、過去制作したVR-TRPGワールドへのワープポータルを設置しています。
VR-TRPGワールドを作った際はこちらで紹介させて頂ければと思います。
STEP4:コストカット
①部屋の数を絞る・ギミックを単純にする・プレイ時間を短くする
「ハローバーチャル」は全く性質の異なる部屋が15ほどある為に、制作の労力はかなり大きい物になっていました。
また、「全て忘れてしまえたなら」では屋外のマップも用意しましたが、労力に対して仕上がりは微妙ですね。
なので、部屋の数が少なく屋内を探索するようなシナリオが制作を始めるには向いています。目が覚めたら謎の部屋系のシナリオとかですね。
2021年の10月に公開した動画ですが、これは結構楽に作れた良い例です。(主観での探索といった感じではありませんが)
倍速で見れば30分で見終わりますので是非ご覧ください。
他にもギミックやプレイ時間を短くする事で調整しても良いでしょう。
プレイ時間は2時間以下がおすすめです。VR機器を被って遊んでいると疲れてしまうのもそうですし、変わり映えしない画面になりがちなので。
②重要なシーンだけ主観のVR-TRPGにする
主観のVR-TRPGはコストが高くかかる分演出効果も高いので、重要なシーンだけ主観のVR-TRPGにする方法もあります。
主観のシーンは重要な情報が出るんだ、とプレイヤーがメタ的に考えるのを問題視する人もいますが、むしろメリハリがついて良いかもしれません。
③NPCは女の子にして、数は少なく
NPCのアバターを作る際に使うVroidStudioではプリセットで様々な髪型が用意されていますが、女の子のアバターを作るのに使うプリセットが多く、男性アバターを作ろうとすると時間がかかります。なので、特に拘りが無ければNPCは女の子にして、登場するNPCの数は少なくしておいた方が良いです。
また、装飾を凝ると更に労力が増えるので、装飾は服の模様程度にしておきましょう。
「ハローバーチャル」に登場するNPC、未来予測AI"REAL"
clusterでVR-TRPGを作る情報共有コミュニティ「ぐだぐだ書房」
このページは、clusterでVR-TRPG・VR-マダミスを作りたいと思っている方へ、まず読んでもらうために作ったページです。
もしこれを読んでもっと興味がある!実際に作り始めたい!という方は「ぐだぐだ書房」への参加をお勧めします!
全く話したことが無くてもやる気さえあれば大丈夫です。ぜひ一緒にアイデア出しから制作まで、モノづくりしてみませんか?
終わりに -弊サークルの理念-
弊サークルがVR-TRPGを作る上で重視している事はこんな感じです。
・初心者が楽しめるVR-TRPGを作る
・作品は公開し、閉じたコミュニティにしない(文化作り)
・安定した創作活動ができる(赤字にならない・グレーにならない)
・(一応)スマホ・PCでも遊べるように作る
こんな感じでやっていますが、先行者(?)としてやる必要がある事をやってるだけだったりするので、ヤバい事(規約関連)さえしなければ方針が違ってても大丈夫です。身内で遊ぶ用の制作でも完全玄人向けでも自由に作っちゃってください。