地球システム・倫理学会の「研究例会」
地球システム・倫理学会の「研究例会」
■日 時:2026年10月24日(土)16時00分〜18時00分(開場:15時40分)
■会 場:麗澤大学新宿キャンパス(東京・西新宿「新宿アイランドタワー」4階)およびGoogle Meet
■講 師:福岡 伸一 生物学者・作家
■テーマ:「生命を捉えなおす~動的平衡の視点から~」
■要 旨:現代人が生命(いのち)の問題を考えるとき、当たり前のこととしている前提がある。それは、生命とは、手、足、胴体、頭、あるいは各臓器といった“部品”が組み合わさってできた、プラモデルみたいなものであるという見方である。機械論的生命観といってもいい。だから、壊れたところは取りかえればよいし、古いところは新しくすればよい。しかし、この考え方は、私たちの身体を考える上で、ほんとうに正しい生命の見方なのだろうか。
私は一人のユダヤ人科学者を思い出す。その名をルドルフ・シェーンハイマー(1898-1941)という。彼は、研究途上、謎の自殺を遂げたこともあって、今ではすっかり忘れ去られてしまったが、彼が示そうとした生命の姿は、機械論とは違う、もうひとつの画期的な生命観だった。彼は、生命が、流れの中にあることを明確なかたちで最初に示した科学者だった。私たちが食べた分子は、身体を構成する分子と絶え間なく交換されつづけている。つまり私たち生命とは、部品からなりたっている分子機械ではなく、部品自体のダイナミックな分解と合成の流れの中にたゆたう“分子の淀み”なのである。
自らを積極的に壊し続けることによって、系内にたまるエントロピーを捨てつづけ、またそれを作り直すことでなんとかバランスを保つ。 それが生命体の特性である。シェーンハイマーの思考を発展させ、私はこれを「動的平衡」と呼びたい。動的平衡の生命観は、私たちの身体が、時間の関数として絶えず変化しつつ、それでいて柔軟で、適応的で、相補的であり、同時に、リジリエントなものであることも説明してくれる。ポストコロナの生命哲学として、動的平衡論について考察してみたい。
■略 歴:福岡伸一(ふくおか しんいち)生物学者・作家。青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。大阪・関西万博(EXPO 2025)テーマ事業「いのちを知る」プロデューサー。サントリー学芸賞を受賞し、90万部を超えるベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)など、“生命とは何か”を動的平衡論から問い直した著作を数多く発表。
■「研究例会」には、当学会に未加入の方も、来場ないしはオンラインで参加頂けます。当学会に未加入の方が来場して参加される場合は、当日、会場受付にて資料代として1,000円お支払いください。(ただし学生・院生は無料です)
■「研究例会」に先立ち、14時30分から15時30分まで「理事・評議員会」を開催します。「理事・評議員会」は、当学会の理事・評議員のみの参加となります。
■「研究例会」および「理事・評議員会」への出欠を、こちらのフォームで、2026年10月20日(火)までにご回答下さい。10月21日(水)以降に参加を申し込まれる場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡ください。メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■オンライン(Google Meet)で参加希望の方には、開催前日までにGoogle MeetのURLをお届けします。前日までにURLが届かない場合は、学会事務局長(犬飼孝夫)宛にメールでご連絡下さい。メールアドレス:tinukai@reitaku-u.ac.jp
■来場に際しては感染症防止に十分ご留意下さいますようお願い申し上げます。
更新日:2026年10月04日