本シンポジウムは二部構成である。
第一部「カントとヘーゲルにおける歴史と方法」では、18世紀の哲学者カントとヘーゲルによる「歴史」理解の実像に迫る。両哲学者の歴史哲学は連続的に捉えられるのか?という問題はこれまでにもしばしば議論の俎上に載せられてきた。今回はカントとヘーゲルの歴史哲学の立場を再検討し、両者の対話を試みる。八木氏は、カントの歴史哲学における「個」の実践の問題を取り上げ、真田氏は、ヘーゲル歴史哲学における自己知と自己実現の問題を論じる。両氏が各々の専門領域から「歴史」についてのカントとヘーゲルの既存の解釈を批判的に検討し、両者を比較・架橋することを試みる。
第二部「19世紀ドイツ哲学における歴史と方法」では、第一部で扱われるカント、ヘーゲルをはじめとした18世紀の歴史哲学に対する19世紀思想家による応答に焦点が当てられる。谷山氏は、中期ニーチェにおける方法論としての歴史を取り上げ、従来の形而上学を批判し、新たな価値の創造を標榜した中期ニーチェに迫る。岩本氏は、ヘルダーやフンボルトの存在感も強い18世紀の歴史哲学を『シンボル形式の哲学』におけるカッシーラーがいかに受容したかを見る。踏襲と反発という二通りの仕方で18世紀を継承した19世紀の歴史哲学の全体像を浮かび上がらせたい。
プログラム
13:00-13:10 趣旨説明
川瀬和也(横浜市立大学)
13:10-15:10 カントとヘーゲルにおける歴史と方法
提題1: カントの歴史哲学における「個」の実践
提題者: 八木緑(関西学院大学)
提題2: ヘーゲル歴史哲学における自己知と自己実現
提題者: 真田美沙(日本学術振興会 特別研究員RPD)
特定質問者: 小原優吉(東京大学)
司会: 八幡さくら(一橋大学)
15:10-15:40 コーヒーブレイク/ネットワーキング
15:40-17:40 19世紀ドイツ哲学における歴史と方法
提題1: ニーチェの歴史的哲学と概念工学
提題者: 谷山弘太(大阪大学)
提題2: カッシーラーによる19世紀ドイツ歴史哲学の受容——『シンボル形式の哲学』の歴史叙述——
提題者: 岩本智孝(大阪大学)
特定質問者: 木本周平(法政大学)
司会: 辻麻衣子(京都大学)