宇宙空間を飛び交う高エネルギーの原子核を宇宙線と呼ぶが、宇宙線が宇宙のどこでどのように加速されているかという宇宙線起源の問題は、未だ完全には解決していない宇宙物理学上の重要な問題である。高エネルギーの原子核が静止した原子核に衝突して励起すると、原子核の脱励起の際にMeV程度のエネルギーのラインガンマ線を放射するため、もしこのようなガンマ線が観測できれば、宇宙線起源の研究に有用である。しかし、このエネルギー帯の感度の高い観測は技術的に困難であるため、未だ観測が進んでいない。ガンマアイグループのガンマ線検出器開発の知見をもとに、このようなエネルギー帯の高感度な観測の可能性を模索している。