2011年に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により、放射能汚染が問題となったが、10年以上経過したいまでも山林の除染は行われておらず、放置された状態にある。この事故により、原木シイタケ産業が衰退してしまい、東日本では深刻な状況にある。現在の検査方法として、Ge半導体検出器による検査や、据置型の大型非破壊検査装置での検査がある。しかし、木の伐採や粉砕、運搬などの手間やコストがかかることから、現場で測定を行えないかというニーズが高かった。そこで我々ガンマアイグループでは、可搬型で低レベル放射能汚染環境の屋外でも測定が可能な検査装置の開発を開始した。初号機はホダ木を測定する装置で 5 kg程度と軽量な検査装置の開発に成功した。その後、伐採前に検査することができないかという現場の声に応えるため、伐採前の立木を検査可能な装置の開発を現在行っている。周辺の汚染土壌による高いバックグラウンドの中で、木に含まれる微量の放射能濃度を検査するという難しさが課題であったが、様々なプロトタイプによるテストを経て、現場での実証試験を行えるまでに至っている。