「陥没事故1年・住民集会＆稲積先生講演会」

ご報告

2020年10月18日、住宅街に激震が走った道路陥没事故から1年を迎えるにあたり、連絡会では住民集会を開催し、地盤工学がご専門の芝浦工業大学・稲積真哉教授にご講演いただきました。

会場やZOOMで集まった合計100名の参加者からは、「事故から1年経った今でも、住宅街では被害が拡大し続け、問題は何ひとつ解決していない」という不安と怒りの声が上がりました。

今年9月、稲積先生のご協力のもと行われた独自の地盤調査結果からは、住民の不安を裏付ける衝撃的な事実が判明しました。事業者の言いなりになっていては、決して自らの命と財産を守りきれない危機に立たされていることに、住民同士が結束していくことの大切さを確認しあう大変貴重な時間となりました。その内容を下記にご報告いたします。

こ協力くださいました皆さまに心より御礼申し上げ、引き続きのご支援をお願いいたします。

■ 開催報告 ■

日時： 2021年 10月 16日 10:00〜12:00

場所：つつじヶ丘児童館ホール

参加人数：会場参加者 50名、ZOOM参加者 50名

主催：外環被害住民連絡会・調布

新たな事実に聞き入る住民たち

住民がどんな思いでこの1年間を過ごしてきたのか、冒頭のあいさつで語られました

「住宅街のリアル」（スライド）HP用.pdf

現在も住宅街で拡大している被害実態をスライドで報告し、危機を共有しました

＊右上窓をクリックすると拡大ページ（pdf）が開きます

芝浦工業大学・稲積真哉先生の地盤調査により、事業者が定めたトンネル直上の地盤補修範囲以外でも、複数の地盤のゆるみが確認され、振動の影響は広範囲に渡っている可能性があること等が報告された

【稲積先生講演資料（スライド）】

※専門家の記述には著作権があり、一部を切り取り引用するなどの転載は特に固く禁じます※無断掲載が止みませんので、一時掲載を休止いたします。ご希望の方は連絡会までご連絡ください。（2021/12/21）

【稲積先生の地盤調査報告で明らかになったこと】

（要旨抜粋）

■ 地盤の緩みはトンネル直上の住宅以外にも広範囲に及んでいる可能性がある

■ 本調査では、何かしらの原因に伴う “振動” がエリア全体の表層地層を緩めた可能性を指摘することができる

■ 「土砂の過剰取込みに伴う空洞形成のメカニズム」と、本調査から推測される「表層地層内での空隙形成のメカニズム」は異なると考えられる

■ Q & A ■

会場やZOOMで寄せられた数々のご質問に、稲積先生からご回答をいただきました

※無断掲載が止みませんので、一時掲載を休止いたします。ご希望の方は連絡会までご連絡ください。（2021/12/21）

■参考資料

・芝浦工業大学（地盤工学）稲積真哉教授との Q & A まとめ（2021年3月29日開催 ZOOM勉強会より）

※無断掲載が止みませんので、一時掲載を休止いたします。ご希望の方は連絡会までご連絡ください。（2021/12/21）

これらの新たな事実を踏まえ、連絡会より以下の要求とともに声明を公表しました。

20211016 声明文.pdf

【要求７項目】

1 「振動」が家屋だけでなく地盤に影響を与えた事実を認めること

2 追加ボーリング調査地点は、家屋被害、並びに振動被害のあった地点(少なくともトンネルから 40~50m)で行うこと(若葉町 1 丁目の北行きトンネルルートに沿った地点のみの調査で終わらせないこと)。補償対象地域に限らず、振動により家屋被害のある地域においてもボーリング調査を実施すること。またその結果を順次、速やかに公表すること

3 2のボーリング調査結果を基に、地域住民の安全を目的に地盤補修範囲を決定し、地権者並びに地盤補修工事により影響の出る地域住民に地盤補修工法の選択肢も含めて、住民の合意を得ること

4 2のボーリング調査結果を基に、地盤のゆるみ範囲内の住民には、希望すれば買取りを可能とし、住み続けたい住民には将来にわたる補償基準を明らかにすること。ゆるみ範囲外の住民においても同様の補償基準を適用すること

5 「振動・騒音・低周波音」が住民の健康に深刻な被害を与えたことを認め、原因究明し、防止策を提示すること

6 工事再開に当たっては、事前に住民に十分な説明を行い、住民の要望を反映させ、地域住民が納得する再発防止策を策定し、住民の合意を得た後に工事を再開すること

7 上記 6 つの目的のために、住民が主催して、住民に対しネクスコが説明する場を設けるので、出てきて、住民の質問に、誠実に回答、説明を行うこと

みんなの声で地盤調査の範囲を決めよう！

＜振動の体験をお寄せください＞

トンネル掘進時の「振動」は、地上の家屋を損傷させ、家の下の地盤をも緩ませた可能性がある事が、今回の稲積教授の調査で判明しました。

工事による振動が原因で地盤が緩んだことを事業者に認めさせ、振動被害があった地域すべてにおいて、まずは地震や豪雨に弱い表層地層内の地盤調査を強く求めていく必要があります。

昨年12月に連絡会が行った被害調査では、132軒中、102軒の方が、振動・騒音・低周波音の被害を訴えられました。皆さまから寄せられた「振動体験」の情報を基に、住民が求める地点での追加地盤調査を行い、地盤の緩み範囲を特定し、適切な地盤補修を行うことは、住民の安全確保のためには急務です。「振動体験」の情報や、また、最近の変化（地盤の亀裂や家屋被害の拡大など）の情報もお待ちしています。

記入する