皆さんは、布団の中の温度や湿度を意識したことがありますか?
寝るときには、部屋の温度やエアコンの設定温度を気にする方が多いと思います。
もちろん、寝室の環境を整えることは大切です。
しかし、快適な睡眠を考えるうえでもうひとつ注目したいのが、掛け布団と敷き寝具、そして身体の間にできる空間の温度と湿度です。
実は、布団の中にも快適に眠るための温度と湿度の目安があります。
今回は、あまり聞き慣れない「寝床内気象(しんしょうないきしょう)」という言葉を通して、快適な睡眠環境について考えてみましょう。
「寝床内気象」とは、掛け布団と敷き寝具、そして身体の間にできる空間の温度や湿度などの環境を表す言葉です。
例えば、パジャマを着たとき、肌と衣服の間には小さな空間ができますよね。
それと同じように、私たちが布団に入ると、身体と寝具の間にも小さな空間ができます。
その空間は、寝ている間に身体から出る熱や水分、寝具の保温性や吸湿性などによって、温度や湿度が変化しています。
つまり、寝室の温度だけでなく、布団の中がどのような環境になっているかも、快適な睡眠を考えるうえで大切なのです。
快適な寝床内環境の目安として、一般的に次のような数値が紹介されています。
温度:33℃±1℃(32~34℃)
湿度:50%±5%(相対湿度45~55%)
この温度と湿度が、快適な寝床内環境のひとつの目安とされています。
ここで注目したいのは、温度だけでなく湿度にも目安があるということです。
布団の中が暖かくても、湿気がこもって蒸れてしまえば、快適とはいえません。
反対に、湿気が少なくても寒すぎれば、気持ちよく眠ることは難しくなります。
大切なのは、暖かさと湿度のバランスを整えることなのです。
※この数値は快適な寝床内環境の目安であり、すべての人に当てはまる絶対的な条件ではありません。体質や寝室の環境、季節、寝具などによって感じ方は変わります。
ここで、もうひとつ知っておいていただきたいことがあります。
それは、寝室の温度と布団の中の温度は同じではないということです。
例えば、冬の寒い部屋で寝る場合でも、掛け布団や毛布などの保温性によって、布団の中は暖かく保たれます。
反対に、夏の暑い部屋では、掛け寝具を薄くしたり、通気性のよい寝具に変えたりすることで、布団の中に熱がこもりすぎないように工夫できます。
つまり、エアコンの設定温度だけで寝床内環境が決まるわけではありません。
寝室の温度に合わせて、掛け寝具や敷き寝具を上手に組み合わせることが大切です。
寝具を選ぶときには、その日の気温に合わせて掛け寝具を調整することもポイントです。
以前のコラムでは、最低気温を目安に掛け寝具を見直す方法についてご紹介しました。
こちらもぜひ参考にしてみてください。
私たちは眠っている間にも、汗や皮膚から蒸発する水分、呼吸に含まれる水分などを身体の外へ出しています。
このように、寝ている間にも身体から水分が出ていることや、寝具の湿気対策については、前回のコラムで詳しくご紹介しました。
今回の記事では、その続きとして、布団の中の温度と湿度について考えていきます。
身体から出た水分が寝具に吸収され、湿気がうまく外へ逃げていけば、寝床内の環境を快適に保ちやすくなります。
一方、湿気が寝具の中にこもってしまうと、蒸れや寝苦しさにつながることがあります。
寝具を選ぶときには、暖かさや肌触りだけでなく、次のような働きにも注目してみましょう。
身体から出る水分を吸収する働き
吸収した水分を外へ逃がす働き
必要以上に熱をこもらせない働き
暖かさを保ちながら、湿気をため込まないこと。
これも快適な寝床をつくるための大切なポイントです。
寝床内気象は、ひとつの寝具だけで決まるものではありません。
掛け布団、毛布、ケット、敷き寝具、シーツ、寝間着など、さまざまなものが関係しています。
例えば、同じ掛け布団を使っていても、合わせる毛布や敷き寝具が変われば、布団の中の温度や湿度も変わってきます。
また、季節によって室温や湿度は変化します。
そのため、いつも同じ寝具の組み合わせが最適とは限りません。
季節や室温に合わせて、寝具を組み合わせることが大切です。
寒い時期には保温性を考え、暑い時期には熱や湿気がこもりすぎないようにする。
そして、もうひとつおすすめしたいのが、ケット類を使った細かな調整です。
掛け布団そのものを頻繁に変えるのではなく、タオルケットや毛布などを足したり、外したりすることで、季節の変わり目やその日の体感に合わせて調整する方法もあります。
こうした寝具の「足し算・引き算」についても、今後のコラムで詳しくご紹介したいと思います。
寝具それぞれが持つ特徴を生かしながら、自分に合った寝床内環境をつくっていきましょう。
ここまで、快適な寝床内気象の目安として、温度33℃±1℃、湿度50%±5%という数値をご紹介しました。
ただし、毎晩この数値を測って、必ず合わせなければならないということではありません。
実際には、寝ている間の温度や湿度を正確に測ることは簡単ではありませんし、体質や季節によっても快適さは変わります。
大切なのは、数値だけにとらわれることではなく、自分が気持ちよく眠れる環境を整えることです。
寒くて目が覚めることはないか
暑くて布団を何度もはがしていないか
寝ている間に蒸れを感じていないか
朝起きたとき、寝具が湿っぽくなっていないか
こうした日々の小さな変化にも目を向けてみましょう。
寝具を選ぶときも、広告や素材の名前だけで決めるのではなく、実際に掛けてみたり、寝比べたりして、自分に合ったものを選ぶことが大切です。
快適な睡眠を考えるとき、寝室の温度やエアコンの設定だけに目が向きがちです。
しかし、私たちが実際に眠るのは、掛け布団と敷き寝具に包まれた空間です。
その空間の温度と湿度、つまり「寝床内気象」を整えることも、快適な睡眠につながります。
今回ご紹介した温度33℃±1℃、湿度50%±5%という数値は、ひとつの目安です。
大切なのは、暖かさだけでなく、湿気をため込まないこと。そして、季節や室温、自分の体質に合わせて寝具を組み合わせることです。
毎日使う寝具だからこそ、少し目線を変えて、布団の中の環境にも注目してみませんか?
(今後公開予定)
タオルケットや毛布、カバーなどを使って、暑さや寒さに合わせて寝心地を調整する方法をご紹介しています。