「寝ている間に汗をかいている」と聞くと、夏の暑い時期や、たくさん汗をかいたときのことを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は私たちは季節を問わず、寝ている間にも身体から水分を放出しています。
快適な睡眠を考えるとき、室温や布団の暖かさに目が向きがちですが、もうひとつ大切なのが「湿度」です。
今回は、寝ている間に身体から出る水分と、寝具の湿気対策について考えてみましょう。
私たちは眠っている間にも、汗をかいたり、皮膚から水分を蒸発させたり、呼吸によって水分を外へ出したりしています。
一般的に、睡眠中に身体から放出される水分は、一晩でコップ1杯分(約200mL)程度といわれることがあります。
もちろん、実際の量は気温や湿度、体質、体調、寝具などによって変わります。
ここで大切なのは、目に見える汗をかいていなくても、私たちの身体からは常に水分が出ているということです。
その水分は、パジャマやシーツ、掛け布団、敷き寝具などに少しずつ移っていきます。
寝ている間に水分が出ること自体は、自然な身体の働きです。
気をつけたいのは、その水分が寝具の中にたまり、湿気がこもってしまうことです。
寝具の中に湿気が多くなると、蒸れを感じたり、寝苦しさにつながったりすることがあります。
また、湿気がたまった状態が続くと、寝具が乾きにくくなり、カビやダニが発生しやすい環境につながることもあります。
暖かくすることだけでなく、寝ている間に出る水分をどう処理するかも、快適な睡眠を考えるうえで大切なポイントなのです。
寝具の快適さを考えるときには、素材が持つ「吸湿性」「吸水性」「放湿性」にも目を向けてみましょう。
吸湿性:空気中の水蒸気を吸収する性質
吸水性:汗などの液体の水分を吸収する性質
放湿性:吸収した水分を外へ放出する性質
身体から出た水分を吸収し、寝具の中に湿気をため込まず、外へ逃がしていくことが大切です。
素材によって水分を吸収する性質には違いがあります。寝具を選ぶときには、暖かさや肌触りだけでなく、こうした水分への働きにも注目してみてください。
寝具の素材選びだけでなく、毎日の使い方も湿気対策につながります。
床に布団を敷いている場合は、起床後すぐに押し入れなどへしまわず、しばらく広げて湿気を逃がしましょう。
ベッドをお使いの場合は、掛け布団や毛布を畳んだり、めくったりして、敷き寝具の表面を空気に触れさせることが大切です。
寝ている間に敷き寝具にも水分が移っています。朝起きたら、掛け寝具を整える前に、まずは敷き寝具の湿気を逃がす時間をつくりましょう。
天気の良い日には布団を干したり、布団乾燥機を活用したりして、寝具にたまった湿気を取り除きましょう。
寝具の素材や製品表示に合わせた方法で行うことが大切です。
寝室そのものの湿度が高いと、寝具から湿気が逃げにくくなることがあります。窓を開けたり換気設備を使ったりして、室内の空気を入れ替えることも大切です。
特別なことをするよりも、毎日のちょっとした習慣を続けることが、寝具の湿気対策につながります。
これまでのコラムでは、気温に合わせて掛け寝具を調整することの大切さについてお話ししました。
寒い時期には暖かい布団を使いたくなりますし、暑い時期には涼しく感じる寝具を選びたくなります。
しかし、快適な寝床を考えるときには、温度だけでなく湿度にも目を向ける必要があります。
どれだけ暖かくても、布団の中に湿気がこもって蒸れてしまえば、気持ちよく眠れないことがあります。
暖かさと湿気のバランスを整えること。
それが、快適な睡眠環境づくりにつながります。
実は、布団の中の温度や湿度にも、快適に眠るための目安があります。
寝具と身体の間にできる空間は「寝床内気象(しんしょうないきしょう)」と呼ばれています。
寝床内気象とは、布団の中の温度や湿度など、睡眠中に身体の周囲にできる環境のことです。
快適な睡眠には、室温だけでなく、この布団の中の環境を整えることも大切です。
では、布団の中は何℃くらいがよいのでしょうか?
湿度はどのくらいが快適なのでしょうか?
次回のコラムでは、「寝床内気象」をテーマに、布団の中の理想的な温度と湿度について、もう少し詳しくお話しします。
寝ている間、私たちの身体からは汗や水蒸気などの形で水分が出ています。
その水分を寝具が吸収し、湿気をため込まずに外へ逃がしていくことが、快適な睡眠環境づくりにつながります。
寝具を選ぶときには、暖かさや肌触りだけでなく、**「水分を吸収して、外へ逃がす働き」**にも注目してみてください。
毎日使う寝具だからこそ、温度と湿度の両方を意識して、気持ちよく眠れる環境を整えていきましょう。