ラボの土肥君が筆頭著者を務めたプロトコール論文が、Bio-protocol誌に掲載されました!Transplantation of Cultured Myoblasts Into Intact Skeletal Muscle and Analysis of Muscle Contraction Force in Mice ModelKitora Dohi, Yasuro FuruichiBio-protocol, Vol.15, Issue 16, August 20, 2025DOI: 10.21769/BioProtoc.5413 本プロトコールは、培養した筋芽細胞をマウスの下肢筋に移植する手法と、その後の筋収縮力の解析法について、丁寧にまとめた内容となっています。土肥君が研究の中で構築してきた技術を、世界中の研究者に広く共有することを目的に、執筆に取り組みました。もともとはBio-protocolの編集者からの執筆依頼を受けたことがきっかけでしたが、執筆にあたっては予想以上に厳しい査読を経ることとなり、決して簡単な道のりではありませんでした。それだけに、今回の採択は非常に意義深い成果となりました。 このプロトコールが多くの研究者の手に渡り、再現性ある研究の推進や分野全体の発展につながることを願っています。土肥君、おめでとうございます!
先日の移植の論文をEurekAlertで紹介していただきました! Cellular “scaffold” key to first successful implant of myoblasts onto healthy muscleBig leap for regenerative medicine to treat ageing but intact skeletal muscle https://www.eurekalert.org/news-releases/1073427 EurekAlert!は、AAAS(American Association for the Advancement of Science)が提供する、世界最大規模のオンラインニュースサービスです。大学、政府機関、企業など、さまざまな研究機関からの科学ニュースをメディアに配信しています。是非ご覧下さい!
2025年 1月 15日
研究室最初の論文が公開されました!(Frontiers in Cell and Development Biology)
記念すべき研究室の最初の論文が公開されました!Dohi K, Manabe Y, Fujii N, Furuichi Y.Achieving myoblast engraftment into intact skeletal muscle via extracellular matrixFront. Cell Dev. Biol. 2025. DOI:10.3389/fcell.2024.1502332 従来困難とされていた筋芽細胞の移植に、細胞外基質(ECM)を活用することでその課題を克服し、筋量の増加を実証しました。人への応用にはまだまだ解決すべき課題がありますが、無理だと言われていたことにチャレンジし、なんとかその可能性を拓いたと思っています。 大学およびJSTからプレスリリースして頂きましたので、ぜひご覧ください!【研究発表】骨格筋の再生医療に新展開! ―培養筋芽細胞の移植による筋量増加を実証―筋芽細胞の移植実験を開始した当初、1個の細胞も生着していない(GFPの光が全く見えない)ことばかりでした。何が問題なのか分からない、いや、そもそも絶対に不可能なことに取り組んでいるのではないかとも思い、とても不安でした。その後、わずかにGFPの光を確認し喜んだものの、2-3個の筋線維しか見つからず、苦しい状況が続いていたのを思い出します。 土肥くんがこのテーマに取り組み、ブレークスルーは高濃度のECMを細胞に混ぜることでした。今までとは比べ物にならないほど明確に、複数の緑に光る細胞が組織に入っていました。大喜び!という訳ではなく、「なにかの間違いではないか?」という思いが先行して、「再現性が取れるまでは迂闊に喜べない、でも期待してしまう。」という気持ちが強かったのを思い出します。(何度もこのパターンを経験しているから・・。研究者あるあるでしょうか。) さらに、シリンジや針の材質と形状、免疫拒絶、他にも細かな手技にこだわった結果、最新の条件ではビカビカ光るほど多数の細胞が移植によって骨格筋の中に取り込まれることを実証しました。「クッキーにプリントしても移植細胞が明瞭に見えるくらいばちばちに」です(写真:再掲)。 まずは一本発表できたので、これを皮切りに、さらに研究を発展させていきます!