社会は例年大問6つで構成されています。

 1.世界地理

2.日本地理

3.歴史(古代〜近世)

4.歴史(近現代)

5.公民

6.地理・歴史・公民総合問題    

構成は当面変わらないと予想されます。令和3年度は新型コロナウイルスによる休校期間への対応措置があり公民分野から出題範囲への除外が行われたようです。

 

大問別の出題傾向

1.世界地理 配点:15点

問1、世界地図に示された5ヵ国についての出題です。

三大洋の出題率が多い。アメリカに面している大洋、アラビア半島に面している大洋などのように、大洋の名称とその隣国をしっかり把握しておく。

六大陸関連の出題はあくまでも予想ですが押さえておきましょう。

 

問2、国の首都や国の位置が緯度や軽度に関連しているもの中1の地理範囲はしっかりと。

赤道・本初子午線・日付変更線は、世界地図の中でどこを通っているのかを覚えておきましょう。

 

問3、地図を使った問題も多くでています。正距方位図法とメルカトル図法との違いなどは大事。

ここの問題は正答率が30%と大問1の中で最も低くなっていますので、差をつけることができる問題かもしれません。

 

問4、記述問題がありました。雨温図と写真から砂漠気候の特色を記述するど。何がどんな影響でそうなっているか。を特徴的な気候帯でまとめておくといいです。

正答率は75~80%と、記述問題としては高いですが、文(国語)としての減点がないように。主語述語は普段から留意しておくことが有効な学習であり基本です。

 

問5、資料から読み取れる内容を述べた文の正誤問題。ちょっとした計算で割合を算出する必要がありますが、理科の濃度、数学の累積度数などの問題が出来ていれば不安要素はないでしょう。

資料についての問題は、北辰テスト、埼玉新聞模試、塾学力テスト、塾プレテストを参考に、更に学校の教科書の資料部分をマーカーなどで囲んで確認しておくと万全です。

 

2.日本地理 配点:15点

地域の自然環境や産業についての問題は多いです。

中部日本、西日本、東日本と毎年変わっています。土壌(シラス台地、釧路泥炭地)、雪を利用した小地谷ちぢみ、川を利用した京都西陣織、各地の陶芸名など、小学時代に学習した内容がさらりと出ることがあるように思われます。

 

例年問1では、各地域の気候の特徴が問われますので整理しておくといいでしょう。

 問2は、雨温図と都市名の組み合わせの問題です。塾学力テストでもなんどか出題された問題ですね。

日本海側と太平洋側、瀬戸内地方と中央高地、それぞれの違いをまとめておきましょう。

 

問3は、地形図から読み取れる地形の名称とその土地利用に関する記述問題が多いようです。

三角州・扇状地・リアス海岸、天井川(愛知県)など、代表的な地形はその土地利用方法は小学生社会の範囲を改めて中学で復習するかたちで学習していますので上位校の得点率ほぼ100%

 

問4は、農産物のグラフに当てはまる正しい組み合わせを選ぶ問題が多いです。

 

問5は、地形図から読み取れる内容について述べられた文の正誤問題です。

縮尺による等高線の違いなどを復習しておく必要があります。

日本地理は、世界地理に比べ正答率が低くなっているようです。

 

3.歴史(古代〜近世) 配点:15点

近世までの日本と中国との関係についての出題は多いですね。

ある一定のテーマを丁寧に出題される印象があります。

 

問1、令和になってから選択問題から記述式に変わってきたようです。

記述問題の配点は大きいです。人物名、法律名、条約名は漢字で覚えておきましょう。漢字指定に要対象

 

問2、時代の文化と文化財の組み合わせが多いです。

 

問3、時代と同時期の世界の出来事を述べた文の正誤問題です。

中学校の教科書では世界の出来事がまとめて掲載される傾向にあるため、日本との時系列を誤って捉えてしまいがちです。塾で購入の年表は、経済、文化別に日本と世界を年代の軸で一目瞭然になっていますので大活躍と思います。味方になってくれるテキストですから「日本が〇〇時代には、世界では○○が起きていた」ということを意識してください。

 

問4、は室町時代の社会や経済について述べた文の正誤問題です。

各時代の特徴的な社会構成や経済活動は整理しておきましょう。

 

問5は、幕府の体制やその時代に定めた法律名をつかって説明する問題です。

小問としての正答率は5~7%と正答率が低い問題です。

 

4.歴史(近現代)配点:15点

全ての大問の中で合計点がとりにくいのが「近現代史」です。幕末から現代までの歴史は今の生活の基盤となる事象です。

 

問1でしばしば出題された事柄は、大政奉還から大日本帝国憲法の発布までの出来事の並び替え問題。

例年このような並び替え問題があるようです。

そもそも歴史は「彼の物語=his story」が語源ともいわれています(諸説あり)ので、ただ暗記するだけでなく物語として覚えることが秘訣です。

 

問2、中心人物の名称の記述、首都の名称と位置の組み合わせの選択問題などがあるようです。

意外に中国の都市の場所は分からいことが多いようですが、TVニュースの活用など工夫して定着してください。

問3、普通選挙法の成立によって選挙権を持った人の説明と、当時の内閣総理大臣などの問題。

 

問4、太平洋戦争~サンフランシスコ平和条約の締結までの政治や社会の記述問題などが多い。

 

問5、日中国交正常化など近代についての用語の記述問題。

今年の問題は、ウクライナとロシアの戦争に関連する語句などに注目してもいいかもしれません。

具体的にはEUについて、また、ヨーロッパの小麦生産、世界の小麦生産国についてなどの時事問題も大事。

 

5.公民 配点:25点

この大問は、分野が多様であり、ヤマをはって分野を絞る勉強方法は社会には向いてことが如実に実感できます。

 

問1と問2は、三権分立の中からの出題が多いです。

国会衆議院の解散から内閣が発足するまでの出来事を並び替える問題や

裁判所の種類、控訴・上告の違い、裁判員制度の仕組み、

民事裁判と刑事裁判の違い、裁判所の役割と、幅広いのが特徴。

 

問3、選挙の仕組みと今後の課題についての出題。

選挙の仕組みは授業内で架空選挙を行ったりもします。また、この3年間にあった選挙時の際に、選挙に関して記憶していることも多いことでしょう。

 

問4、現代社会にある法について、例えば、独占禁止法やクーリングオフなど名称とその内容が文字で書けることが問われています。

 

問5、為替や日本銀行の役割についての問題が多いです。需要と供給の均衡、為替の計算。

基本的な記述問題のため上位校受験者にとっての難易度は低く正答率もいいです(44~50%)。

 

問6、労働者の権利に関する記述の穴埋め問題や法律名、カタカナ用語を知っておくといいです。

 

問7、日本の社会保障に関する問題が出題されることが多い。

 

問8、環境問題についての説明文の穴埋め問題です。

 

6.地理・歴史・公民総合問題 配点:15点

2019年は、世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に関連させた地理・歴史・公民の総合問題がありました。

2018年開催のサッカーW杯出場国が出題されました。

2017年は歴史上の船にまつわる出来事、2016年には2015年に世界文化遺産登録された「明治日本の産業革命遺産」

今回は、世界遺産が出題されるかは難しいところですが、「百舌鳥・古市古墳群」(大山古墳を中心とした古墳群)関連は意識しておいても良いかもしれません。

 

問1、肖像画が出たりして正答率は90~95%。

 

問2と問3は、時代とそれに関連する地域の組み合わせ問題が多いです。

大航海時代の航路と国(植民地)などの問題、海外の各国の歴史とその場所についてなどでした。

 

問4、例で言えば、日米修好通商条約で開港された港は記載されていて、基本的な地理の知識で解くことが可能な問題。

 

問5、2つの県の歳入のグラフの違いに着目し、地方交付税交付金の説明を行うなどの比較と分析を問う問題で締めくくるようです。

 

カタカナ用語は教科書などの巻末の用語一覧を見て自分で説明できれば大丈夫です。

特に気になるのは次の用語です。

メディアリテラシー、ワークライフバランス、プライバシー、バリアフリー、フェアトレード

インフォームドコンセント、リコール、マニフェスト、クーリング・オフ、POSシステム、オンブズマン