chtはconjugate heat transfer(共役熱伝導解析)の略で,固体を含む熱流体解析を指します.
図1, 2のような内(図2の黄)外(図1の緑)の型の中に,加熱された球殻状の液体(図2の赤)が満たされ,外側の型の中を螺旋状に流れる冷却液(図2の青)によって,型および液体が冷却される様子をシミュレートしてみました.
乱流モデルにはk-ω SSTモデルを使いました.
温度場Tの境界条件に関しては,compressible::turbulentTemperatureCoupledBaffleMixed,fixedValue,inletOutlet,externalWallHeatFluxTemperatureを使いました.輻射は考慮していません.
図1 計算格子(全体図)
図2 計算格子(外側の型を除いた図)
温度分布のアニメーションを図3に示します.初期条件として,型,液体,冷却液がそれぞれ一定の温度を保ち,冷却液は停止していると仮定しています.つまり,計算開始とともにが冷却液が急に流れ出し,熱伝導も急に始まることになるので,0秒での急激な変化に違和感を感じるかもしれません.しかし,加熱された液体の熱(赤い部分)が,外側の型に伝わる様子がうまくシミュレートできています.冷却液の周りの型はいち早く冷えていることも分かります.chtMultiRegionFoamは初めて使いましたが,使いこなせそうです.
図3 温度分布のアニメーション