今回はマテリアルとその確認方法について見ていきましょう。
下準備として Geometry 階層を作成して SOP 階層で Sphere を 1 つ作成します。
Primitive Type を Polygon, Frequency を 6 に変更してポリゴンの分割数を増やします。
Transform ノードを接続して高さ 0 の平面に接する位置に移動させます。
ネットワークエディタの部分にあるタブを Material Palette に切り替えます。
これは シーン内のマテリアルを一覧できるエディタで、Houdini が準備してくれているプリセットマテリアルを呼び出すこともできます。
大理石のようなマテリアルを作成してみましょう。
左のリストが Houdini が提供してくれているマテリアルギャラリーです。 Marble を探して 右側に ドラッグ&ドロップしましょう。
新しいマテリアルを作成することが出来ました。球体に割り当てていきましょう。
ネットワークエディタのタブを元に戻して Material ノード を作成して Transform ノードから接続します。
Material の項目に 先ほど作成した marble ノードを設定すると マテリアルを割り当てることが出来ます。
割り当てたマテリアルの結果を確認してみましょう。
ビューポートの位置を球体がよく見える位置に移動し Render View に切り替えます。
これはレンダリングした際の見た目を確認するためのタブです。
左上の Render ボタンを押すとレンダリングが実行されます。
Render View の上側にあるこのボタンに注目してください。
左側のボタンがオンになっていると シーンに更新が加わった場合自動的にレンダリングを再実行します。
右側のボタンがオンになっているとレンダリングする時にそのシーンを徐々に詳細にプレビュー表示するようになります。
左のボタンをオンにしたままだと負荷がかかりがちになるので、オフにしておくとよいでしょう。
次はマテリアルのパラメータを調整してみましょう。
パラメータエディタで マテリアルノードのこのボタンを押すと マテリアルの詳細画面が開かれます。
今回はこのようなパラメータ群が見えているはずです。
Surface > Basic > Base Color で色を変更してみましょう。
マテリアルのパラメータは非常に多岐にわたりますのでざっくり一部だけ紹介しておきます。
Surface
Basic : 表面色の設定
Specular : 反射・屈折・透明度関連の設定
IOR : 屈折率の設定
Roughness : 表面のざらつき具合の設定
Emission : 自己発光関連の設定
Opacity : 透明度やコースティクス関連の設定
Textures : 表面の色などにテクスチャを割り当てるための設定
完全な項目リストについてはこちらを参照してください。
質感が異なるマテリアルを割り当てて試してみましょう。
いくつかのマテリアルは環境光や周辺物がないとうまく確認できないかもしれません。
Object 階層で Environment Light ノードを作成し Environment Map に HDRI 画像を割り当てると反射がリアルになります。
ボールが設置している平面を設置するのもよいでしょう。
Environment Light の Render Light Geometry の項目をオンにすると Environment Map に設定した画像もレンダリングされるようになります。
HDRI マップはこの辺から取得できます。
また、Object 階層に Light ノードを作成すると 任意のライトを設置することもできます。
Type の項目で光源の種類を、Inrensity で光量を、 Exposure で露光量をそれぞれ調整することができます。
Type はデフォルトで Point = ポイントライトになっています。
Distant で Directional Light, Grid や Disk で Area Light に変更することが出来ます。
ビューポート右上のボタン > Look Through Selected > 調整したいライトと選択することで 視点をライトから見た位置・角度に修正することが出来ます。
ビューポート右側のロックボタンとビューポート操作を行うことで ライト位置を直観的に変更することもできます。
Look Through Selected による調整はカメラに対しても有効なので覚えておきましょう。
一度 Render ボタンを押すと このボタンが有効化されているはずです。
このボタンを押すと レンダリング設定のウィンドウが開きます。
レンダリング時の出力先やファイル形式、レンダリングの精度などです。
Rendering > Sampling 以下にレンダリング精度に関わる様々なパラメータが表示されています。
このパラメータも多岐にわたるので詳細は割愛しますが、基本的には各数字を大きくするとレンダリング結果が良くなるようになっています。
ただしその分レンダリング時間も長くかかるようになりますので注意してください。
Sampling タブの詳細についてはこちらを参照してください。
レンダリング結果を画像、ないしては連番画像として出力する方法について説明します。
レンダリングするためには事前にカメラを設定する必要があります。
もっとも簡単な方法はビューポートを調整してから ビューポート右上の No cam > New Camera でビューポートをそのままカメラに変換する方法です。
カメラが設定出来たら Render View のレンダリング設定ウィンドウからレンダリングを実行していきます。
画像の①の部分 Valid Frame Range を Render Current Frame にしておくと現在フレームを静止画で出力できます。
この項目を Render Frame Range に変更すると連番として出力できます。
Start / End の項目でレンダリングするフレームを修正できます。
②のボタンを押すとレンダリングが実行されます。
出力したファイルは③のパスに出力されます。
この場合は $HIP つまり hip ファイルがあるディレクトリに render というディレクトリを作成してその下に出力する設定になっています。
$HIPNAME はファイル名、$OS は出力用の Mantra ノード名、$F4 はフレーム番号を4桁でパディングしたものです。( 1 フレーム目の場合 0001 というような形)
出力用の Mantra ノードはネットワークパネルからも確認することが出来ます。