試験は毎年1月中旬に東京で行われる。一般教養といっても高校で習うような基本的なことなので、臆することはないです。高校をとっくの昔に卒業してしまった人は、地方公務員の一番簡単な問題集を買ってやれば大丈夫でしょう。1次試験は足切り点(満点の1/2~2/3だったと思う)を超えていれば全員2次の面接に進めます。
ただ、少なくとも私が受験した時点では日本装蹄師会指定の履歴書には家族構成と受験者との関係、それぞれの年齢、職業を書く欄があったので、意識しているのかどうかは解からないが、いわゆる普通の家族構成でない受験者(母子家庭、父子家庭など)は落とされているかもしれないし、親の職業が馬業界に関連するものであれば有利になるかもしれない。。まぁないとは思うが、そういう欄を作成すること自体、受験生自身とは全く関係無い部分で落とされる可能性があることを示唆しているのではないだろうか。
私の生まれ育った地域は「差別」にとてもうるさい地域で、神経質なまでにその辺のことをたたき込まれてきたので、受験したときに違和感を感じました。
試験問題は理科、数学に重点が置かれています。学校の勉強というより、頭の体操的な問題が多いです。強いて言うなら中学の理科?数学も簡単です。ベクトルやら、指数関数、数列なんかは絶対に出ません。高校生物で習うアミノ酸サイクル、ADP、ATPの問題なんかがちょっとで出ましたが、捨てても問題無いでしょう。
…と書いていたのですが、平成13年度からは理系的な科目の割合が多くなっています。今後も増えていくのでしょうか?
入ってしまったらほとんど暗記ばかりです。少しの思考力と、かなりの暗記力が必要です。社会(歴史の年表を覚えること)なんかが得意な人にお勧めなんじゃないでしょうか?
面接と体力試験。
宇都宮にある装蹄教育センターで行われる。受験者1人対面接官3、4人で行われる。15分くらいだったと記憶している。まず、面接者控え室で握力測定が行われます。
面接は自分の長所、短所や「なぜ装蹄師になりたいのか」、「乗馬経験の有無、乗馬資格の有無、大会に出たかどうか」「装蹄の経験はあるか?」といった内容のようです。選考試験の中では面接が一番重視されているので、あらかじめ予想される質問にはハキハキ答えられるように対策を立てていくと良いでしょう。貴方が装蹄師を目指そうと思ったいきさつなどを、ドラマ仕立てで熱く、熱く語ってください。試験官を唸らせることが出来れば、合格です。
体力試験、厳密に言うと腕力試験です。何度言っても修正してもらえません。7キロくらい(?)のハンマーの柄(50センチくらいかな)を4等分し、はじめは根元をもって片手で腕を伸ばしたままの状態で持ち上げ、徐々に端を持って上げる、といったもの。試験は両方とも(右手も、左手も)行います。
装蹄師は両手で金槌を使えないといけない、というわけではありません。利き手で金槌、その逆の手で火鉗を持つので、同じ位握力がないと、鉄を思いきり叩くと鉄が飛んでいってしまうからです。まぁ、あくまで理想です。極端に左右の違いがなく、そこそこの腕力があれば問題はないでしょう。
※私は「体力試験」と聞いて、この試験のために毎日5キロの道程を走りまくりましたが、無意味でした。長髪(ロン毛)、茶パツは嫌われます。装蹄教育センターで講習が始まった当時と比べると、だいぶ許容範囲が広がってきたように思います。6期生の修了時の写真を見ましたが、結構長髪や、茶髪らしき人(写真がモノクロなため、あくまで予想です)がいましたから。
開講当初最近は女性の志望者も多かったのですが、日本装蹄師会はあまり欲しい顔をしていませんでした。 というのも、外部の実習に行く機会が多いので、いちいち部屋や風呂を分けるなど、面倒なことが多いからというのも一要因らしいです。装蹄師の資格を取得しても、結婚してやめてしまう可能性が高いのも要因でしょう。装蹄師育成に莫大なコストがかかることを考慮しても辞めにくい人材を採用する観点からも、どうしても男性優位になってしまう現実があります。
男女平等の社会とはいえ、部屋や風呂を分けないわけにはいきませんよね。ちなみに、宇都宮の寮(当時は駒場寮)にはちゃんと(寮母さんたちも使う)女性用のトイレと風呂があります。
コネがなくても受かる人は受かりますが、就職先(親方)が決まっている人の方が絶対有利です。 ここまで来たんだから取らざるをえない、というような状況を作っていくと受かりやすくなります(汚ねぇー)。業界はとても狭いので、親方の名前を出すと大概は「あぁ、どこそこの何々さんか」という反応が返ってきます。だからと言って親方が決まっていれば優先的に受かるというわけではありません。親方が決まっていても4浪もした人がいるのですから(私じゃないよ)。
最近は特に認定装蹄師の試験に合格しても、競馬業界の厳しさ(というより、根性論の強要?)から辞める確率が増えているようです。ですから、リスク回避の意味も込めて、日装は就職先の決定している人を優先して取っているような節があります。受験の際にはぜひ、就職先を決定させてから受験しましょう。確実に合格率が変わってきます。
この講習を修了しても、いわゆる『学校法人』ではないので、履歴書に書く『学歴』にはなりません。つまり、講習生の間でも『学生』ではないので、問題なく馬券が買えます。
1998年度までは現役高卒性が多かったようですが、あまりに学生気分で講習を受ける者が多かった年があり(私たちの年です)、99年度は現役高卒性が平年より少なめになっています。上記の理由から(特に現役高卒生の)女性はかなり厳しいと思われます。2000年の現役高卒は5人で、女性はいないようです。2001年も女性はいません。2003年には女性が2名いるようです。