えちごエコネットの

見どころ

水のつながりで育まれた雄大な景観と豊かな生態系、そして自然とともにある暮らし。
越後平野は河川と潟によって、この地域ならではの景観を作り出してきました。その見どころを厳選して紹介します。

信濃川下流 [MLIT]


[MLIT]


[NP]

信濃川

信濃川は新潟県・長野県をまたいで流れる日本最長の一級河川です。日本三大河川のうちの1つとされています。長野県、埼玉県、山梨県境の甲武信ケ岳(こぶしがたけ)を水源とし、千曲川(ちくまがわ)として長野県を流れ、新潟県境からは信濃川と名を変えて日本海へと注ぎます。


信濃川下流

信濃川下流は、大河津分水路分派点から新潟海岸までの約60km区間を指し、その流域は新潟市、三条市等の7市1町1村で構成されています。

信濃川下流河川事務所では、河道掘削を実施していくなかで水際部を拡大し、小魚や稚魚が暮らしやすい止水環境やトンボの休息場となる浅場等、多様な生物の生息環境を創出する取組を行っています。


大河津分水

大河津分水おおこうづぶんすい)は、越後平野の中央部で信濃川と分岐し、燕市と長岡市の境界付近を流れ、日本海に流れる人工の河川です。

信濃川はかつて度重なる水害によって越後平野に壊滅的な被害を与えてきました。この被害をなくすために作られたのが大河津分水です。 信濃川の水が越後平野に入る前に一部を日本海へ流すことで、越後平野を水害から守る役割を担っています。 また、それぞれの河川にながれる水量を調整するために、大河津分水路には可動堰が、信濃川本川には洗堰がつくられました。 大河津分水は越後平野を潤し、水害から守り続けています。

信濃川大河津資料館では、信濃川の歴史や大河津分水に関する資料が展示されています。展望室からは冬になるとハクチョウ類を観察することもできます。

また資料館の周辺は公園として整備されており、生きもの観察のできる体験水路や、水中を泳いでいる魚を観察できる魚道観察室があります。秋には信濃川を遡上するサケの姿を見られるかも知れません。

外部リンク
信濃川大河津資料館


五十嵐川遊水地

五十嵐川は信濃川の支流で、新潟県三条市を流れる一級河川です。

五十嵐川遊水地は平成23年7月に発生した水害をきっかけに、三条市月岡に設置された、洪水時に一時的に水を貯めるための施設です。

 治水施設として整備された遊水地ですが、地下水の湛水により、多様な植物や昆虫が生息する湿地状の環境が創出されました。生態系が豊かになったことにより、市街地の近傍にありながら、多くの水鳥の飛来を観察することができます。

[MLIT]

阿賀野川

阿賀野川あがのがわ)は、新潟・福島・群馬の3県にまたがり、広大な流域と長大な流路を持つ日本有数の大河です。越後平野を横断し日本海に注ぐまでの下流部には水辺の自然が多く残されていることから、鳥類や昆虫類、魚類など様々な生物の大切な生息場所となっています。

河口の砂浜には海浜植物群落のほか、海浜砂地だけに生息する昆虫が分布しています。また河口右岸の「ひょうたん池」には、全国的にみても珍しいオオモノサシトンボが生息しています。

河口から10キロほどにかかる大阿賀橋の周辺の中州には、冬になるとハクチョウ類が最大で2,000羽ほど飛来し、ねぐらとして利用しています。

外部リンク
阿賀野川河川事務所 阿賀野川の自然

あがのがわ環境学舎

鳥屋野潟

鳥屋野潟とやのがた)は新潟市中央区に位置し、新潟市内では福島潟に次ぐ2番目に大きな潟です

市街地にあり、潟の周囲は県立鳥屋野潟公園として整備されており、市民の憩いの空間となっています。さらに洪水時には雨水を溜めて信濃川に排水するための遊水地にもなります。

鳥類は180 種以上が確認されており、冬には4,000 羽を超えるハクチョウ類が飛来します。県立鳥屋野潟公園には展望台や野鳥観察舎「鳥観庵(とりみあん)」等の観察施設があります。

市街地に近接しながらも、広大な水面を擁する鳥屋野潟の魅力ある環境を発信するため、コイやフナなどの鳥屋野潟の魚を食する催しが開かれています。

外部リンク
新潟県立鳥屋野潟公園

鳥屋野潟がってんプロジェクト

福島潟

福島潟(ふくしまがた)は、新潟市北区と新発田市にまたがり、面積は260haと、潟と名のつく湖の中では新潟県内で最大です。五頭連峰を主な水源とする13本の河川が流入し、越後平野の低湿地環境を象徴する存在です。

これまで220種以上の野鳥と、470種以上の植物が確認されている自然の宝庫です。冬はハクチョウ類とともに、国の天然記念物オオヒシクイが飛来し、日本有数の越冬地として知られています。

水の駅「ビュー福島潟」は、福島潟の自然と文化の情報発信施設です。高さ29mの屋上からは潟と越後平野を一望でき、館内では潟の動植物や歴史の展示、潟の中のライブ映像を楽しむことができます。

また周辺には、福島潟を間近に眺められ野鳥の観察ができる「雁晴れ舎(がんばれしゃ)」、潟のヨシで屋根を葺き、床は板張りの筵敷じきで囲炉裏があるなど昔の民家を再現した「潟来亭(かたらいてい)」、コテージタイプの宿泊処「菱風荘(りょうふうそう)」などの施設が充実しています。また水鳥が訪れる福島潟周辺の水田で、環境にやさしい農法で育った米を使った日本酒蔵「ラグーンブリュワリー」は、ショップとカフェが併設されており散策の一息におすすめです。


外部リンク
水の駅「ビュー福島潟」

NPO法人ねっとわーく福島潟
菱風荘(りょうふうそう)
新潟県立環境と人間のふれあい館
遊水館(ゆうすいかん)

佐潟

佐潟(さかた)は、新潟市西区に位置し、上流側の小さな上潟(うわかた)と下流側の大きな下潟(したかた)の、大小二つの潟から成り立つ淡水湖です。周辺を含めた76haがラムサール条約登録湿地に指定されています。外部から流入する河川はなく、周辺砂丘地からの湧水と雨水によって供給されています。

これまでに650種以上の植物や1,000種以上の昆虫類、210種の鳥類が確認されています。特に、コハクチョウの越冬数は毎年3,000羽以上で、越冬地として全国有数の場所となっています。

昔から地域の方々は、佐潟を利用しながら保全してきました。佐潟の岸辺では、明治時代以前から稲作が行われており、湖底から掻き揚げてきたドロ(植物遺骸)を有機肥料として利用していました。また冬場にはコイやフナといった淡水魚が貴重な食料となったほか、お盆の時期にはハスの花を刈り取り盆花として供える風習が今でも残されています。

「佐潟水鳥・湿地センター」は、水鳥類や湿地の保全ついての普及啓発、調査研究及びモニタリング等を行う拠点施設です。かつて潟での作業に欠かせなかった「潟舟」に乗船体験をはじめとする様々なイベントが開催されています。

外部リンク
佐潟水鳥・湿地センター

佐潟と歩む赤塚の会

瓢湖

瓢湖(ひょうこ)は阿賀野市に位置し、ハクチョウの渡来地として全国的に有名で、ラムサール条約登録湿地でもあります。

1950年にハクチョウが初めて飛来し、1954年には「水原のハクチョウ渡来地」として国の天然記念物に指定されました。その後渡来数の増加とともに池を拡張し、現在では湖水面積24㏊、総面積280㏊の瓢湖水きん公園として整備されています。

湖面では約5,000羽のハクチョウ類、20,000羽のカモ類が越冬し、瓢湖周辺の広大な水田地帯は、ハクチョウ類の採食場所となっています。

外部リンク
阿賀野市 瓢湖

写真・図表:NP=新潟県、MLIT=国土交通省、その他(無印)=(公財)日本生態系協会