進め方・目指すこと
えちごエコネットの進め方
令和元年に「越後平野における生態系ネットワーク推進協議会」を設立しました。協議会では、越後平野における生態系ネットワークの目標に向けた取組の進捗確認、また、本構想に基づいた行動計画を策定し、事業を推進していきます。本構想・行動計画は、取組状況や社会状況に応じて、変更・更新を行います。また、関係機関担当者による連絡調整や情報交換を行う連絡会を、必要に応じて開催します。
実践的な取組のための部会は、生息環境の検討と自然環境の活用を取組のテーマとし、有識者や地域の関係主体が参加する具体的な取組の検討・実施を進める場として設置しました。
これまでに越後平野における生息環境の検討と自然環境の活用の参考とするために、現地視察会等を実施しています。
第1回 越後平野における生態系ネットワーク推進協議会
実施体制
越後平野における生態系ネットワーク形成全体構想(概要)
全体構想は、越後平野においてガン類・ハクチョウ類・トキを指標種とした生態系ネットワークを形成するために、基盤となる生息環境・生育環境・繁殖環境の保全・再生と良好な水辺を活かした地域振興・経済活性化という2つの基本方針と、短期目標・中期目標・到達目標の3つの時間軸に沿った目標を定め、それに向けた取組の考え方と推進体制を示しています。
なお、当全体構想は、以下に示すように2050年の到達目標に向けた息の長い取組となっています。このため、今後、国内外の情勢や関連する計画の更新状況などにあわせて、全体構想についても、時代に合った形へと適宜更新を図っていきます。
○越後平野における生態系ネットワークの方針・目標
基本理念
越後平野の多様な主体との連携・協働のもと、広域な生態系ネットワークを形成し、様々な自然の恵みを活かした魅力向上の取組を通じて、越後平野の地域振興を図ります。
基本方針
越後平野において、河川、潟、水田、森林などの環境の生物多様性の保全および持続可能な利用のため、多様な主体が連携・協働し、生態系ネットワークの形成を推進するとともに、自然の価値や魅力を活かした地域の活性化を図ります。
○目標
生態系ネットワークの形成には長期的視点を持った取組が必要です。そこで、生物多様性条約COP15で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」をはじめとした、多くの関連する計画の目標となっている2050年を、到達目標として設けます。
また、本計画に基づく取組の進捗・到達状況を段階的に把握するため、2020年の状況を基準とし、2025年を短期目標年、2030年を中期目標年として設定します。
○越後平野における生態系ネットワークの形成に関する取組
以下に、短期目標から到達目標までを通した取組イメージを挙げました。各取組イメージは今後策定予定の「行動計画」の検討材料として利用することを想定しています。
生息環境に関する取組イメージ
現状把握・計画
河川における生息環境整備
潟池における生息環境整備
農地における生息環境整備
林地における生息環境整備
流域一体となった生息環境整備
人為的要因による個体への悪影響の緩和
指標種と共生できる社会環境づくり
外来種対策
地域振興・地域活性化に関する取組イメージ
現状把握・効果検証
理解と関心の向上・環境に係る「財産」としての価値の共有
多様な主体参加の仕組みづくり
ガン類・ハクチョウ類・トキをシンボルとした地域振興・経済活性化の推進支援
プロジェクトの継続・発展に向けた仕掛けづくり
国内外の計画や目標との連携・連動
越後平野における生態系ネットワーク構想図[MLIT]
エリア間の移動交流やつながりを維持しつつ重要拠点エリアから取組を進め、中長期的に拠点エリアへの取組へと広げていくことで、拠点エリア-重要拠点エリア間の連結性を高め、越後平野全体の生態系ネットワークの形成・強化を図るもの。
写真・図表:MLIT=国土交通省、その他(無印)=(公財)日本生態系協会