いかなる船舶にも、水上面では、水流抵抗として、大きな「造波抵抗損失」が生ずる。これは、船舶が、重たい水を持ち上げ、波を造る抵抗であるため、損失が大きい。
また、その航跡は、ほとんど、乱流損失 となって、エネルギーを散逸させる。
また、船舶形状の前後での圧力差による抵抗も大きいため、船底などは「流線形」に、すべきであり、特に、船底後部が、進行方向に対して、垂直で平(たいら)であると、大きな、圧力抵抗損失 となる。
また、船舶表面の、流体摩擦損失 も、大きいと言われる。これらの損失の割合いは、船底の形状や、その表面の状態、また、波の状態により、大きく変化するため、その損失割合いを定式化することは、大変、困難である。現在(2025年)でも、燃料消費量と、船舶の運動状態の記録から「燃料消費量よる、エネルギー発生量」と「運動状態から推定した、生じた運動エネルギー量」の 差分 で、燃料効率(燃費)を推定するしかない。その評価は、流体ごとの数値計算実験や、模型実験により、調査/研究 すること。
2 加速区間 → 一定速区間 → 減速区間 のうち、定速区間 から調査すること。
3 古い理論として「運動量の変化量は、加えられた「力の時間積」に等しい」との理論があった。運動量(mv)と、運動エネルギー(mv²/2)は異なる。
(船舶の進行方向に対して形状の左右対称性) 第6条の2
いかなる船舶でも、流体抵抗が働く船体部分は、その進行方向に対して、左右対称の形状に、すべきである。特に水流に晒される部分は、そうすべきで、空気中の部分も、余りに抵抗が大きい形は回避すべきである。
(船舶が旋回するときの船体の傾きと、積荷の固定) 第6条の3
いかなる船舶でも、たとえば「 右 ( Right ) 」方向へ、転舵 (面舵:おもかじ:Starboard ) すれば、その 甲板 ( デッキ:deck ) は「 左 ( Left ) 」へ傾き、甲板に載せたコンテナは「 左 ( Left ) 」へ、落ちようとする( 慣性の法則 )。取舵 ( とりかじ:Port ) では、その逆になる。従って、いくら重くても、固定していないコンテナでは危うく、固定が必要である。その事を理解すること。いかなるコンテナ運搬船舶でも「コンテナ固定金具(ラッシング金具)」が、必要であり、装備すること。