日時:2024年3月8日(金) 14:00 受付開始、14:30開会、17:00閉会予定
会場:JR博多シティ 10階 大会議室(JR博多駅直結)
参加費無料・申込要(定員100名)
住所:福岡県福岡市博多区博多駅中央街1番1号
当日のアクセス:JR博多駅〈博多口〉側の「阪急百貨店側エレベーター」または「中央エレベーター」をご利用ください
公開シンポジウム 2024年3月8日(金)13時〜17時
参加40名以上方々に参加していただきました。
特別講演として、学校法人立命館理事・副総長であり、大学スポーツ協会(UNIVAS) 理事である伊坂忠夫先生に、「UNIVASがなぜデュアルキャリアを推し進めているのか」、と題してご講演いただきました。アスリートがなぜ、そしてどのようなデュアルキャリアが必要であるかを述べられ、立命館大学でのアスリート学生支援の取組を紹介されました。
続いてこの4月から大阪経済法科大学ラグビー部監督となる吉田明先生(日本文理大学でも教鞭をとられていました)の基調講演 「学生アスリートの未来予想」では、ご自身のラグビー人生を振り返りつつ、学生アスリートがますますデュアルキャリアを歩むことが困難になっている状況を指摘され、これまで以上にデュアルキャリア支援の重要性と課題を指摘されました。
デュアルキャリアを支援する教育取組紹介では、日本文理大学の吉村充功先生が、自大学で活用した『ことば入門』(本研究会で作成した教材)に対する学生の評価を紹介されました。僕は、本学部で導入した「スポーツと言語技術」科目の紹介を行ったうえで、以前一緒に担当していただいた中村有希先生(元九州共立大学)にもコメント頂きました。
参加された方々のアンケートをみるととても非常に好評でした。
・アスリート支援について、各大学が同様に課題を抱えていることがわかってよかった。
・問題の所在や原因は、学生にあるのでなく、教学側の理解・分析不足であることに気付けたことが収穫でした。各大学の取り組み紹介では、所属校でも実施できそうなことを情報提供いただいたので非常に有益でした。
・これまで感じていたことを言語化してくださる場があり有難いです。大変勉強になりました。
翌日開催された我々メンバーを中心とした研究会では、もっと広い意味での学生の”デュアルキャリア”推進のためには、3年間で120単位近く履修させる現在の履修方針そのものに手を付けていくべき(CAP制の見直し)ではないかという議論を行いました。
「非スポーツ学部の学生アスリートを教学側からどのように支援するか」というテーマがとても広がりを持つ重要な問題だということに改めて気付かされた2日間でした。
「学生アスリート」、いわゆる運動部学生は全国に20万人いると言われています。彼らの多くは「スポーツ推薦入試」によって大学に入学します。しかし、スポーツに特化した学部がある大学は少なく、ほとんどは経済学部や法学部などの社会科学系学部に在籍します。これらの学部選択は、彼ら自身の興味関心に基づいていないことも多く、それが学びのモチベーションが高まらない理由の一つとして指摘されます。さらには、非スポーツ学部においては、学生アスリートへの適切な理解や配慮がなされているとは言い難い現状もあります。
しかし、非スポーツ学部でも、運動部学生が長期にわたるスポーツ経験を通じて蓄積してきたスキルやコンピテンシーを、授業の中でいかに活用するか、あるいは、いかに伸ばしていくかという視点が求められるはずです。本シンポジウムでは、そのための教育プログラムのありかたを検討します。
シンポジウム案内チラシはこちら (pdf)
学校法人立命館 理事・副総長
大阪経済法科大学ラグビー部監督 、元ラグビー日本代表
日本文理大学 副学長・工学部教授
北陸大学 経済経営学部 教授
日本文理大学人間力育成センター長
学校法人立命館 理事・副総長・立命館大学 副学長
立命館大学 スポーツ健康科学部 教授
一般社団法人 大学スポーツ協会(UNIVAS) 理事
私は小学生の時に野球を始め、中学生以降はラグビーを中心とした学生生活を送ってきました。そんなスポーツ漬けの毎日の中で得た多くのもの、逆に教員となり振り返った時に気づいた事。どちらの経験も生かした研究や授業で、学生たちのデュアルキャリアを応援、サポートしてきました。
当日は、自身が感じたセカンドキャリアの難しさ、そして学生を指導する上で感じた彼らをとりまく課題とそれに対しての取り組みを紹介します。そして、学生アスリートデュアルキャリア形成を促し、学生の未来を拓くにはどのようなポイントがあるのかをお伝えいたします。
現役生活だけではなく、スポーツの世界から視野を広げ、様々なカタチで社会に貢献できる人材をどのように育てるか、皆様とともに考えてまいります。
1995年よりラグビー日本代表。ワールドカップに2大会出場(1995年、1999年)し、2006年に現役引退、ラグビー教室や学生・社会人チームを指導した。
2015年から大学教員となり、教員・指導者両方の立場から体育会系学生のセカンドキャリアをサポートした。
2020年4月より2023年3月まで日本文理大学経営経済学部准教授。退職後は同大学の客員研究員として研究活動の傍ら、プロコーチとして各地で講演活動に取り組む。
2024年1月より大阪経済法科大学ラグビー部監督に就任。
吉村 充功(日本文理大学 副学長・工学部 教授)
山本 啓一(北陸大学 経済経営学部 教授)
ファシリテーター:吉村 充功
パネリスト:伊坂 忠夫 氏/吉田 明/山本 啓一/高見 大介(日本文理大学人間力育成センター長)
デュアルキャリア研究会とは、アスリート学生のデュアルキャリアを支援するとともに、アスリート学生に対する入学前教育や初年次教育の教育プログラムとFD研修プログラムの開発・検証を目的とする研究会です。本シンポジウムはデュアルキャリア研究会のキックオフシンポジウムとなります。
研究代表者 :
吉村 充功(日本文理大学 副学長・工学部 教授)/会長
構成員(研究分担者):
山本 啓一(北陸大学 経済経営学部 教授)/副会長
東寺 祐亮(日本文理大学 工学部 准教授)/事務局長
中村 有希(九州共立大学 スポーツ学部 講師)/監事
高見 大介(日本文理大学 工学部 助教)
吉田 明(日本文理大学 客員研究員)
石川 勝彦(鳴門教育大学 大学院学校教育研究科 講師)
本研究はJSPS科研費23K02541の助成を受けたものです(基盤研究(C)「学生アスリートのデュアルキャリアを支える組織的入学前・初年次教育プログラムの開発」(代表:吉村充功、2023~2025年度))。
賛助会員:
株式会社KEIアドバンス