光の下は苦痛、苦痛だ。

安らげる場所はただひとつ、静かな闇の中だけ。

いじめ、虐待……

少年にとって日の当たる時間は苦痛でしかなかった。


唯一の希望であった少女の命も人々の手によって手折られ

この時、少年の心の中にふつふつとどす黒い感情が芽生え始めているのを誰が知っていただろうか。


いつの間にか、静かな闇だけが少年にとって安らげる時間となっていた。


ガラスの割れる音

少女の遺影

月の満ち欠け

狼と蝙蝠……


ある晩の出来事を切っ掛けに、少年の中の抑えられていた狂気が蠢き出す――

これは、夢なのか?

現実なのか?

あの子はどこへ行ってしまったのだろう……