題目: 交通信号制御におけるメタヒューリスティックスの活用
交通管制システムは,車両感知器の情報を通じて交通状況を把握し,その状況に応じて情報提供や信号制御等を実施するものである.特に,主要機能の一つである信号制御は,適切な制御パラメータを算出し,それにもとづき信号制御機を動作させることで交通流動の円滑化に貢献してきた.現行の信号制御方式は,制御パラメータであるサイクル長,スプリット,オフセットを順次個別に算出しており,制御パラメータ全体としての最適性が保証されていないとの懸案があった.近年の計算機環境向上の背景のもと,シミュレーションとメタヒューリスティクスを活用することで制御パラメータをリアルタイムに一括最適化する方式が開発され,実稼働している.
本講演では,交通信号制御の概要を説明した後,組合せ最適化問題としてのモデリングおよび最適化計算について紹介する.
題目: 非凸二次最適化の二値判別への応用
二値判別問題に対して様々な判別手法がこれまで提案されている.本発表では,サポートベクターマシンを始めとするいくつかの既存手法について“ロバスト最適化問題を解いている”と見なせること,そしてそれらの手法の差異はロバスト最適化問題の入力である不確実性集合に現れることを報告する.また,判別の難しい(クラス間で大きく重なりを持つような)データに対して,そのロバスト最適化問題は1本ないし2本の二次制約式を持つ非凸二次最適化問題に帰着される.そこで,そのような非凸最適化問題の大域最適解を求める多項式時間アルゴリズムを提案し,その数値実験結果を紹介したい.