歯科部長
吉峰正彌
東京医科歯科大学
2004年卒業
日本歯周病学会認定医・日本歯科保存学会認定医
歯学(学位)
部長の吉峰と申します。当院は今年で30周年を迎えます。その間、ずっと口腔外科ではなく、歯科を標榜し続けています。それだけ、基本的な治療を大事に考えてきています。すなわち保存修復治療、歯周治療、補綴治療などです。基本がおろそかになると、応用もききません。ですが、基本治療だけでは大学病院の歯科はどうしても務まりません。したがって、口腔外科・歯科インプラントにも力を入れなければならないということで、2022年より口腔外科・インプラント専門の嘱託医を招聘するに至りました。我々は、地域医療機関の期待に応えること、地域住民の期待に応えること、そして院内他科との医療連携、コメディカルとの多職種連携に努めなければなりません。当科は医科大学病院の中の歯科ということになりますが、歯学部付属病院が各専門科に細分化されているのと異なり、口腔領域に関する診療全般が外来での主たる業務となっている点が大きな特徴として挙げられます。またコンサルテーションにより各科から歯科への依頼を多く頂き治療を行っています。睡眠時無呼吸症候群、血友病など様々な内科的疾患を有する患者の歯科治療、歯性感染症のスクリーニングをはじめとして依頼内容は多岐にわたります。外来歯科診療の他にも当院歯科は多くの特徴を有しており、その特徴を以下に挙げさせて頂きます。
病棟患者の歯科治療
当院は574床の病床を有しており多数の患者様が入院されています。入院生活の中で歯に関するトラブルにも当然見舞われることがあり、我々は入院患者様に対しても歯科診療を提供しています。特に手術後の回復期において口腔内清掃不良、歯痛や義歯の不具合による食事摂取困難などの口腔内のトラブルがあるとQOLが低下して入院期間の延長にもつながりかねません。また、救急外来、集中治療室、脳神経外科センター(SCU)などに、緊急入院となる患者様も多数おられますがその際に歯の破折、動揺、脱落などが認められ治療の妨げになることがしばしば認められるため、それらに対し直接病棟に往診して対応しています。
入院下での歯科治療
歯性蜂窩織炎などの急性炎症で全身状態が不良となった患者の緊急入院、あるいは易出血性素因をはじめとした全身的に外科的処置に対して不安要素を有する患者を積極的に入院させるシステムにより、全身管理下において歯科スタッフがチーム一丸となり安全な入院下治療を心掛けています。また、歯科恐怖症などで治療ができない方に対しても、全身麻酔下で治療を行っています。
周術期口腔機能管理
周術期口腔機能管理とはがんの手術などを全身麻酔で行う場合、その周術期に歯科治療や口腔ケアを行うことにより、手術に伴うさまざまな合併症を予防しようとするものです。また、がんに限らず臓器移植手術や心臓血管手術、あるいは化学療法・放射線治療においても、治療の前後において歯科治療や口腔ケアを実施し、治療に伴う合併症を同様に予防しています。特に2015年より当院は地域がん診療連携拠点病院に認定されており、周術期口腔機能管理は当院において非常に重要な診療業務であると考え今後も継続して参る所存です。周術期口腔機能管理専用の歯科処置室も完備しており、外来一般歯科診療に劣らず力を入れています。
訪問歯科診療
当病院から半径16km圏内にある施設、あるいは患者様のご自宅に直接訪問して歯科診療を行っています。通院困難となってしまった患者様方に対しても、大学病院レベルの歯科治療を提供し、食事、家族との会話など日常生活を楽しく送ることができるようお力添えをさせて頂いています。また、当院歯科に通院できなくなっても諦めずに訪問歯科診療についてお気軽にご相談ください。
吉峰正彌
東京医科歯科大学
2004年卒業
日本歯周病学会認定医・日本歯科保存学会認定医
歯学(学位)