ヴィクトリア朝のドレス変遷
衣服標本家 長谷川と一緒に展示会場を巡る
「ドレスの変遷レクチャー」です
西洋諸国が競い合うように産業革命を成し遂げた19世紀
女性のファッションも目まぐるしく変化していきました
合成染料の発見はドレスに新たな発色を与え
印刷技術の発展が最新モードを世界に伝播し
写真の発明が流行に拍車をかけます
植民地からは潤沢な原料が届き
ラダイットも虚しく織機は休むことなく動き続け
下の階級にも布がいきわたりました
布の変化と共に型紙の設計も複雑化し
ミシンというテクノロジーが大量消費時代を支え
デパートの誕生が女性の心に火をつけたのです
このレクチャーでは歴史や文化史のみならず、他の美術館では見ることのできない
ドレスの「内部構造」や「型紙設計」の変化にも焦点を当て
より深くヴィクトリア朝のドレスを探っていきます
あなたはヴィクトリア朝の "お針子" です
各年代の実寸大の型紙と生地を用意しますので
どのようにドレスが裁断されていたのか考えてみましょう
新たな発見が、あなたの推し活や創作活動を深める一助となれば幸いです
【 ヴィクトリア朝のドレス変遷 日程 】
4月13日(土)
14日(日)
19日(金)売り切れ
20日(土)
21日(日)
全日程 11時開始 12時半終了
(10時半より入場可能)
参加費
3,300円~4,200円
各回25名限定
※ドレス変遷への参加は「入場券」と「ドレス変遷参加チケット」の2つが必要です
必ず、入場券も合わせてご購入ください
レクチャーの始まりはヴィクトリア朝初期となる1830-40年代から
面白いことにヴィクトリア朝は巨大袖に始まり、巨大袖に終わる
胴体よりもはるかに大きなこの袖は、新古典主義への反動から生まれたロマン主義の抵抗である
40年代に入ると一転、非常に細身の袖が流行する
女性のドレスは常に「前世紀へのカウンター」であることを忘れてはならない
植民地から得たコットンとプリント技術が、ドレスにもたらした「革命」にも注視する
巨大なスカート「クリノリン」に囚われていけない
1850-60年代のドレスの真の発明は「ファン・ボディス」と呼ばれる上半身だ
苦節30年、ついに女性は究極のドレスを完成させる
すべては必然だった
工業・芸術・文化が咲き誇る19世紀半ば、ここをひとつのドレスの終着点とみても良いだろう
歴史は地続きだが、1870-80年代をドレスの物語りの序章と捉えるのはどうだろうか
外見に惑わされるな、見るべきは内部構造と仕立てだ
真実はつねに裏側へと隠される
18世紀から続いた「ドレスの呪い」からついに解放されたニュースタイル
切って、切って、裁断りまくる!これこそがバッスルドレスの真骨頂
身体と布の新たな交わりを刮目せよ
激動の物語が、静かに終わりを告げる1890-1900年代
新世紀を息子に託し、女王は永い眠りについた
ドレスもまた次の世代へとバトンをつなぐ
世紀末にはヴィクトリア朝の第一歩となる巨大袖が走馬灯のように再来し、はかなく散った
新たな道を歩むドレスは、女性の地位向上を支える良き相棒となるだろう
コルセットから解き放て!スカートからの脱却を!
20世紀を彩る女性デザイナーが幼きころにみた最後のドレス