パーティで使う曲の編集は大変でした。もう気の遠くなる様な作業は昔の話
100曲… 200曲… 何曲あっても 一発で終わります。FFmpegを使うと 音楽、動画
のあらゆる編集作業が簡単に出来てしまいます。楽曲を AudaCity の様な mp3
編集ソフトに取り込んで 1曲づつ片付けていましたが、今や もう編集ソフト
さえ使わないのです。
お急ぎで、とりあえず 早く使って見たい 方は 以下をパスして
9. bat ファイル に お進み下さい。
ダンス曲は その目的により、次のような編集が必要になります。
時間編集:
lead in(リードイン)無音
スタートボタンを押してから音が鳴り始めるまでの無音時間。押した瞬間に音が
鳴ると心臓に悪いし、逆に 1秒以上空くと「アレッ?」と不安になります。おす
すめは 0.3~0.5秒 程度。
本編+フェードアウト+lead out(リードアウト)無音
例:lead in:0.3秒
演奏時間:1分40秒
フェードアウト:5~10秒
lead out(無音):6秒
というように、
lead in → 本編 → fade out → lead out
の4つの時間を決めておきます。
テンポ調整:
ダンス専用CDの曲はそのままで良いことが多いですが、一般曲を使う場合は、
種目に合ったテンポ(bpm)に合わせる必要があります。
まず元の曲のテンポ(bpm)を測り、目的のbpmに合わせて調整します。
bpmについては、別項「bpm」で詳しく解説します。
音量(mp3ゲイン)の調整:
いろいろなところから集めたmp3を再生すると、曲ごとに音量がバラバラで、
ボリュームを上げたり下げたりする必要が出てきます。
これは「音量の基準」が揃っていないためで、一定の基準に揃える必要がありま
す。
例:mp3Gainで 93dB に揃える など。
ビットレート・圧縮方式の統一:
ビットレートや圧縮方式がバラバラだと、再生機器によっては思わぬトラブル
の原因になります。
例:192kbps CBR(固定ビットレート)に統一 しておくと安心です。
:FFmpegで一気に自動化
FFmpeg は、動画・音声を「読み取り → 変換 → 編集 → 出力」するための、世界
最強クラスのコマンドラインツールです。大量の音源を一括処理できる、ほぼ
唯一無二の存在と言っていいでしょう。
コマンドラインツールとは?
マウスで操作する一般的なソフトとは違い、キーボードで「コマンド」を打って
動かすタイプのツールです。イメージとしては、Windows 95 以前の MS-DOS の
世界に近い感覚です。とはいえ、コマンドを調べ、覚える必要はありません。
必要なコマンドは AIに書いてもらうのです。それを batファイル にして、あと
はそのファイルをダブルクリックするだけ。
事前準備:FFmpegのインストール
FFmpegのインストール方法は、「7.ここで使うソフト」の項で説明しています
ので、まずはそちらを参考に インストールを済ませてください。
まずは実際にやってみましょう!!
実践:FFmpegで多数のmp3を一度に編集する手順
1:テスト用フォルダーを用意
任意のフォルダー(例:mp3 テスト)を作成します。
その中に、mp3ファイル 楽曲を 10~20個程度 適当に入れておきます。
2:曲の時間配分を決める
ここでは例として、1曲の長さを 1分50秒(110秒前後) とし、時間配分
を次のようにします。
lead in(無音):0.3秒
演奏時間:1分40秒(100秒)
フェードアウト:5秒
lead out(無音):6秒
lead in (0.3秒) ─ 演奏 (100秒) ─ fade out (5秒) ─ lead out (6秒) 計111秒
実際に音が鳴っている時間は、フェードアウトを含めて 約1分43秒 (103秒)程
度です。
3:音量を一定に揃える
目標:ボリュームを一定 に揃える
ここでは、mp3Gainで 93dB に揃える という基準を例にしています。
(統合ラウドネス) -15 LUFS 社交ダンスに最適な音量
TP(True Peak) -1.0 dBTP 会場スピーカーで歪まない安全値
LRA(ダイナミックレンジ) 11 ダンス曲の自然な抑揚を保つ
4:ビットレートを統一
出力は 192kbps 固定ビットレート(CBR) にします。
5:バッチファイル(.bat)を作る
batファイルとは? 「mp3を、音量を一定にし、無音を追加して、100秒で切っ
て、フェードアウトして、outputフォルダーに保存して……」という一連の作業
手順を コマンドとしてまとめたファイル です。コマンドを書く作業は AIに
任せてしまいます。
メモ帳で bat ファイルを作る
mp3 テスト フォルダー内で右クリック → 新規作成 → テキスト ドキュメント
できたテキストファイルの名前を 1m45S.bat に変更します。
これで「中身が空のbatファイル(器)」ができました。
batファイルの中身を AIに書いてもいましょう。(Copilotでの例)
Copilot に、次のプロンプトを投げました:(指示をする事)
******************************************
フォルダー内 mp3ファイルをFFmpegを使って
*開始部分の -40 dB 以下の無音を削除する。
*先頭に 300ms(0.3秒)の無音を挿入する。
*100秒地点から5秒間かけてフェードアウトさせる。
*最後に無音を6秒追加する。
*111秒 後はカットする。
*loudnorm=I=-15:TP=-1.0:LRA=11
(統合ラウドネス) -15 LUFS 社交ダンスに最適な音量
TP(True Peak) -1.0 dBTP 会場スピーカーで歪まない安全値
LRA(ダイナミックレンジ) 11 ダンス曲の自然な抑揚を保つ
*192 kbps 固定ビットレートで出力する。
* out put フォルダーを作り 元ファイルと同じ名前で書き出す
以上の bat ファイルを作って下さい。
********************************************
Copilot から返ってきた batファイルの中身(コマンド)です。
********************************************
@echo off
setlocal
set "OUTDIR=output"
if not exist "%OUTDIR%" mkdir "%OUTDIR%"
echo === MP3 バッチ処理開始 ===
for %%A in ("*.mp3") do (
echo.
echo --- 処理中: %%A
ffmpeg -y -i "%%A" ^
-af "silenceremove=start_periods=1:start_threshold=-40dB,adelay=300|300,afade=t=out:st=100:d=5,loudnorm=I=-15:TP=-1.0:LRA=11,apad=pad_dur=6" ^
-t 111 ^
-c:a libmp3lame -b:a 192k ^
"%OUTDIR%\%%~nA.mp3"
)
echo.
echo === 完了しました ===
pause
********************************************
先に作った 1m45S.bat を右クリック → 編集 を選ぶと、メモ帳が開きます。
そこに、上記の @echo off ~ pause までを コピー&ペースト します。
メニューの 「ファイル」→「名前を付けて保存」 を選び、エンコードを
「ANSI」 にして保存します。これで batファイルの完成です。
実行してみる
1m45S.bat をダブルクリックすると、プログラムが走り、output フォルダーに
編集済みのmp3ファイルが生成されます。
このbatファイルは、コマンド中の数値を変えることで、任意の時間設定に変更
できます。
100:フェードアウト開始位置(秒)
5:フェードアウトの長さ(秒)
6:末尾の無音時間(lead out、秒)
111:無音を含む全体の長さ(秒)
もっと短くしたい、フェードアウトを長くしたい 、lead outを増やしたい 等々
mp3Gain の dB と FFmpeg の LUFS の関係
FFmpegで -15 LUFS に揃える → mp3Gainで93dBに揃えた時と同等
mp3Gain(ReplayGain方式)
→ 曲の“聴こえ方の大きさ”を基準化(93dBが一般的な標準)
FFmpeg loudnorm(EBU R128方式)
→ 国際基準の“聴こえ方の大きさ”を LUFS で揃える(-15 LUFS)方式は違い
ますが、どちらも「人間の耳で聴いたときの音量」を揃える という目的は同
じです。
ここまで いかがでしたか 一発編集は成功しましたか?
どうしても うまく行かない 場合 ご連絡下さい、一緒に見て行きましょう・・。
FFmpegの初版リリースは2000年です。
VLC、HandBrake、YouTube、Chrome など多くのソフトの内部エンジンとして採用される。
NASA の火星探査機「Perseverance」でも映像圧縮に採用されるほど信頼性は高いのです。
現在(2026年)
最新版は FFmpeg 8.1(2026年3月16日)
世界中の動画編集ソフト、配信サービス、OS に組み込まれる “業界標準” の基盤技術
コマンドラインツールとしてだけでなく、あらゆるアプリの裏側で動く「見えない心臓部」
FFmpegは一般には 手の届かない 専門分野の高レベル技術者のコマンド ライン ツールで
した。 2022年 ChatGPT を皮切りに Copilot、Gemini ・・次々と AI がリリース、
近年一般的に AI が使われる様になり FFmpegのコマンドもAI 頼みが可能になり 一気に
解放された感があります。
こんな事は出来ないだろうか? まず AI に質問する事です。 出来るとの答えが得られたら
コマンド書いてもらえばいいのです。 素人の考えでいいのです。
FFmpegは 動画の世界でも威力を発揮します。ダンス競技会を 4K画像で撮り、実際 使うの
はFHDですので FFmpeg で変換しました。動画の頭に ゴミを入れてしまい 80コマの動画
頭 0.5秒カットも一気にできました。mp3、mp4 共 編集ソフトを使わずに 編集が出来る!!
今後 どれだけ省力化、スピード化出来るか楽しみです。